プレイ3日目 後半
昼食を食べながら掲示板を見ていると早速週末のアップデート情報が載っていた。大きく分けると下の5つらしい。
・公式イベント『第一回闘技大会』の開催
・空腹度の実装
・簡易セーフティーポイントとしてアイテム『テント』の実装
・スキルの追加及び調整
・その他不具合の調整
闘技大会は1対1で競われるようだが接近戦が出来ない私には全く関係が無さそうだ。空腹度の実装は確かに疑問に思っていた部分でもあるし、個人的には困らない、それにテントの実装は非常に助かる。現状、街中しかセーフティーポイントが無い為に移動が大変だったしな。後は普通のゲームと同じように調整が入るのか、さすがにこれだけの規模のゲームだと見えない場所に不具合とかあるんだろうなぁ。
「さて、お腹も膨れたし狩りの続きと行きますか。」
ログインして街を出る前に門番さんに名前を聞いてみた、門番さんはガッツさんというらしい。取り合えずゴブリンもある程度狩れたし、後はそんなに遠くまで行かずに草原で数を稼ぎつつ、木の枝と薬草を採取する事にした。
「Lvも上がったし、この辺りのモンスターは簡単に倒せてしまうな・・・。」
基本的にどのモンスターも当たれば一撃で死ぬ為、ハイペースで狩れる。隠密とダッシュを織り交ぜながら移動狩りをしているとスキルが発現した。
<<条件を満たした為、スキル<不意打ち>が発現しました。>>
・<不意打ち>PS・・・敵に感知される前に攻撃が当たると高確率でクリティカルヒットになる。
「これはいいな、私にうってつけのスキルだ。早速取得しておこう。」
私のプレイスタイルでは殆どが敵の感知外からの一撃必殺である。このスキルは正にピッタリのスキルだろう。尤もスキルはプレイヤーの行動によって発現するのでプレイスタイルに合うものが発現する事が殆どだろう。
不意打ちはパッシブスキルのようで若干ではあるがクリティカル率が上がった気がする、スキルLvが上がればより体感出来るのかもしれない。
「おっと、薬草発見。<採取>っと。薬草もかなりストック出来たし、そろそろ錬金術も上げていくか。」
午後から数時間狩りをして、ギルドランクが上げれるだけモンスターを倒したのでダッシュのLv上げついでに走って街へと帰る。
「おう、ハントお疲れさん。」
「ガッツさん、お疲れ様です。はい、身分証ね。」
ガッツさんに挨拶してそのまま冒険者ギルドへと向かう。冒険者ギルドではアプリが対応してくれた。
「ハントさんお久しぶりです。今日は依頼の報告ですか?」
「はい、数日分纏めて報告しても良かったんですよね?」
「常設依頼なら大丈夫ですよ。それではギルドカードを出して下さいね。」
アプリにギルドカードを渡すと若干驚いた表情になる。
「ハントさん、もうこんなに依頼をこなしたんですか?これでEランクにランクアップですが早かったですね。無茶してませんか?」
「大丈夫ですよ。心配してくれてありがとうございます。」
笑顔で答えるとアプリも納得してくれた。どうやらプレイヤーの中にはもっと早くランクアップした人もいるそうで、私が特別早いという訳ではなかった。
「えっと、報酬がラットの駆除が2回、スライムの駆除が3回、ラビットの駆除が3回、ゴブリンの討伐が7回ですね。合計2,200Gです。確認お願いしますね。」
「はい、大丈夫です。」
これでなんとか纏まった金額が手に入った。テントが実装されていくらになるか分からないから余裕はあった方がいいだろう。
「そうだ、Eランクになると討伐対象のモンスターも強くなりますから、気をつけてくださいね。それとEランクの依頼からは受付制限のあるものや時間制限のあるものもありますから、その点もしっかり確認して受けるようにして下さいね。依頼失敗時の罰則は軽いかもしれませんがあまりにも続くようですと重いペナルティーが科せられる場合がございます。」
「重いペナルティーとは?」
「そうですね、軽いものは罰金、最大で冒険者ギルドからの追放となります。」
罰金はしょうがないがギルド追放はかなり辛いだろう。今後ギルドランクがどうゲームに関係してくるか分からないが間違いなくデメリットになるだろう。
「分かりました。気を付けますね。ご忠告ありがとうございます。」
アプリにお礼を言って早速依頼を確認する。
・RankE 『ウルフの討伐』10体討伐 報酬:300G
・RankE 『コボルトの討伐』10体討伐 報酬:200G
・RankE 『オークの討伐』10体討伐 報酬:300G
・RankE 『ヤングオポポの討伐』10体討伐 報酬:300G
・RankE 『ニッケンシティへ手紙の配送』報酬:300G ※2日以内
・RankE 『ホーネットの巣の納品』1つ100G ※最大100個迄
ふむふむ、討伐系は常設依頼で他にもいくつか依頼が出るみたいだな。Eランクは森林にいるモンスターが多いみたいだ。どれも群れる習性があるし、さすがにいつまでも一撃必殺で楽出来そうにないな。
取り合えず常設依頼を全て受けて冒険者ギルドを出る。常設依頼さえ受けておけばなんとかなるだろう、きっと。
「え~っと、次は木工ギルドによって矢の補充と、週末のアップデートに向けて箸と弁当箱でも作ってみようかな。」
まず鳥の羽根を購入して『雑木の枝』と『鳥の羽根』を『簡易合成』して『木の矢』を作る。これはシステムからスキルを使って作成しているので簡単に出来る。
次は『木の箸』を雑木の枝から削りだす。初心者用道具セット<木工>の中のナイフで削り、やすりで仕上げただけの簡単な物だ、そのうち漆かなにかで着色したいが今はまだ材料がないのでこれで我慢する。1度作ればレシピに載るので『簡易作成』である程度量産する。
『木の弁当箱』も道具を使って板を削り、木を組み合わせて作っていく。長方形で真ん中に仕切りを付けた簡単な物で箸とセットで売り出す予定だ。
木工ギルドでの用事が終わったら次は錬金術ギルドへ向かう。薬草の消化と錬金術のスキル上げ、金策まで兼ねたポーション作りの為だ。
「えっと、まずは桶に水を汲んでっと、これと『薬草』を『簡易合成』してっと。」
水と薬草で『初心者用ポーション』になる。これは回復量が30しかないが30G程で売れるし、リキャストタイムが発生しないので序盤では有効な回復手段だ。まぁ、私は一度も使った事がないのだが。
「次に『水』+『薬草』+『スライムの核』を『簡易合成』で『ポーション』の完成っと。一応鑑定して確認しておくか。」
・ポーション 回復量+100 リキャストタイム10秒
「うん。大丈夫だな、道具屋のと変わらない。」
ポーションは道具屋にも売ってある普通のポーションで100Gで売っている。ただ、道具屋は営業時間や在庫切れがある為、プレイヤーの露店でも100Gであればそこそこ売れる。現状はみんなLvが低いので初心者用ポーションを買うことが多いみたいだ。
今回多めに作ったのは露店で売ろうかと思っているからだ、自分の装備や弓を強化する為にもお金を稼がなければならない。その為には依頼をこなしながら自分で素材を商品に買えて売ってしまおうと考えたのだ。
「取り合えず、夕食後に露店エリアに行って誰かに出店方法を聞いてみよう。」
お読み頂きありがとうございます。
ストックがないので書く時間があれば夜にでも、もう1話程掲載するかもしれません。
ハント
レンジャーLv.5
HP140/140
MP40/40
STR5
VIT5
DEX13+1
AGI13+1
INT5
MND5
LUK7
ステータスポイント:0
スキルポイント:3
冒険者ギルドランクE:0/30
<<スキル>>
<弓術>Lv.4<遠距離攻撃力上昇>Lv.3<木工>Lv.3<錬金術>Lv.3<料理>Lv.1<鷹の目>Lv.3<夜目>Lv.2<隠密>Lv.3<ステータス鑑定>Lv.2<アイテム鑑定>Lv.3<気配察知>Lv.3<採取>Lv.2<ダッシュ>LV.2<跳躍>Lv.1<不意打ち>Lv.1
<<称号>>
なし
<<装備>>
武器・・・初心者の短剣・初心者の弓
頭・・・なし
胴・・・冒険者の服
手・・・なし
脚・・・冒険者のズボン
足・・・冒険者のブーツ
装飾品・・・レンジャーリング
<<所持金>>
2,200G