プレイ2日目
翌日朝6時に目が覚めた私はすぐに幻想世界Onlineへログインする。しっかりと朝食を食べてからログインしたのだが、宿屋の朝食もしっかりと頂く。こういった面もVRのいい部分かもしれない、特にリアルでは油物がダメになってきていたので思いっきり肉を食べれるのは嬉しいし。
「今日もモンスターを倒しに行くのかい、気をつけて行ってきな!」
宿屋の女将さんに見送られて冒険者ギルドへ向かう。依頼はランクに応じてギルド内の掲示板から選ぶ事が出来る。常時張り出されているモノや先着順のモノ等色々な種類がある。
「とりあえずFランクの依頼を確認しようかな。」
・RankF 『ラットの駆除』10体討伐 報酬:100G
・RankF 『スライムの駆除』10体討伐 報酬:50G
・RankF 『ゴブリンの討伐』10体討伐 報酬:200G
・RankF 『ラビットの駆除』10体討伐 報酬:150G
・RankF 『薬草の納品』10本1束 報酬:10G
と、なっていた。基本的にRankFの依頼は常設依頼がほとんどで冒険者に成りたての若い子達でも簡単に出来るものみたいだ。
FランクからEランクに上がる為には依頼を20回達成する必要があるので、とりあえず全て受けてみるとメニューのクエスト一覧にギルドクエストという項目が追加された。どうやらこれで進行度が確認出来るみたいだ。
常設依頼は完了の報告だけ受付にカードを提出すればいいという事なので早速冒険者ギルドを出て外に行く準備をする。
「あ、そうだ。道具屋に行って地図を買わないといけないんだったな。」
事前に調べた情報によると地図を買うとメニューにマップが追加されて簡単に確認出来るようになるらしいので冒険には必須だ。しかし街毎に売っている地図が限られて居る為、全てのマップを見るにはそれなりのお金と時間が掛かるだろう。実際、道具屋で地図を見ると始まりの街周辺だけで500G掛かる。
とりあえず地図とHPポーションを1つだけ購入して街を出る事にした。依頼を達成して、ドロップアイテムを売らないとそろそろお金が底をつきそうだ。
「お、こないだの冒険者か。ちゃんと身分証は手に入れたか?」
「はい、おかげさまで。無事に冒険者ギルドに登録出来ました。」
門の所で前日の門番さんに話しかけられた。気に掛けて貰ってるっていうのは嬉しいものだな。
「そうか、よかったな。気を付けて行ってきな。」
始まりの街アリアシティから出ると、そこはグリーン草原と呼ばれるエリアになる。この辺りは弱いモンスターしか出現せず、危険は少ない。街と街を繋ぐ街道沿いは比較的弱いモンスターしか出ないため、商人等の往来もそれなりにあるようだ。
「よし、もう1回ステータスの確認をしておこう。いざ戦うとなると結構緊張するな。」
ハント
レンジャーLv.1
HP100/100
MP20/20
STR1
VIT1
DEX5+1
AGI5+1
INT1
MND1
LUK3
ステータスポイント:0
スキルポイント:0
<<スキル>>
<弓術>Lv.1 <遠距離攻撃力上昇>Lv.1 <木工>Lv.1 <錬金術>Lv.1 <料理>Lv.1 <鷹の目>Lv.1 <夜目>Lv.1 <隠密>Lv.1 <ステータス鑑定>Lv.1 <アイテム鑑定>Lv.1
<<称号>>
なし
<<装備>>
武器・・・初心者の短剣・初心者の弓
頭・・・なし
胴・・・冒険者の服
手・・・なし
脚・・・冒険者のズボン
足・・・冒険者のブーツ
装飾品・・・レンジャーリング
<<所持金>>
180G
ストレージから配給品である『木の矢x99』を取り出す。矢はマジックアイテムになっていて矢筒に手を入れれば自動的に消費されるようになっている。
「え~っと、まずはモンスターを見つけたら隠密で気配を消して遠距離からの一撃だな。<弓術>Lv.1のスキルは『ストレートショット』ね。よし、分かったぞ。」
『ストレートショット』は敵に真っ直ぐに飛んで行くスキルで弓での攻撃力が1.1倍になるらしい。<遠距離攻撃力上昇>がLv.1で1.10倍の補正で最大で1.2倍になるみたいだ。<鷹の目>で命中率にも補正が掛かっているし、私のステータスなら多分一撃で仕留められると思うのだが、初めての経験なので緊張してしまう。
「あ、そういえばスキルの獲得も目指さないとな。えっと確か『気配察知』が目視に頼らず、五感で敵の位置を10回補足する事だったよな。比較的簡単だったから最初に覚える候補から外したんだった。」
まずは<隠密>と<鷹の目>を発動させて姿勢を低くして進む。100m程進んだ所でカサカサと草が揺れる音が聞こえたような気がした。意識を集中すると何かの気配を感じる事が出来る。見つからないように慎重に確認するとすこし先にスライムが1匹見えた。<ステータス鑑定>でも間違いなくスライムと表示されている。
「よし、まだこちらに気付いていないようだな。やってみるか、『ストレートショット』!」
低い姿勢から弓を構え、スライムに狙いを定めてスキルを発動させる。シュ!っという空気を切り裂く音と共にとんでもないスピードで矢が飛んで行く。
「えっ!?」
変な声が漏れてしまったが、その時はすでにスライムはドロップを残して消滅していた。
「ははっ・・・。思ってたよりも強かったな・・・。」
実際に他人の討伐風景を見ていないのでなんとも言えないのだが、今はこれが普通だと自分に言い聞かせて落ち着く事にした。きっとみんなこれくらいやれるんだろう、多分。
「あれがドロップアイテムかな?<アイテム鑑定>。」
・スライムの核・・・錬金術の材料になる。
「なるほど、取り合えずストレージに入れておこう。」
その後も気配察知取得の為にモンスターを探しながら倒して行く。どのモンスターも一撃でドロップを残して消滅してしまう。
「後は、<採取>も覚えないといけないな。」
<採取>は薬草や木等を採る為のスキルで、似たようなスキルに鉱物を採る為の<採掘>と魚を釣る為の<釣り>がある。対応したスキルがあれば採れそうだなというポイントが感覚的に分かるようになり、専門の道具を使う際にプラス補正が掛かるようになる。スキルが無くても採ったり釣ったりは可能なのだが補正が無い分、品質が下がったり採れない事もある。
<採取>を覚えるには<アイテム鑑定>で対応したアイテムを探し、採取しなければならない。それを100回繰り返す事によってスキルが発現するらしい。この辺りは既に掲示板に載っていた情報だ。
その後はモンスターを探しながら、片っ端からアイテム鑑定を掛けて薬草や雑木の枝を採取していく。
<<条件を満たした為、スキル<気配察知>が発現しました。>>
<<条件を満たした為、スキル<採取>が発現しました。>>
「ふぅ、無事スキルも発現したし。今日はこれくらいにしておくか。」
最終的にはラット12体、スライム20体、ゴブリン1体、ラビット15体を倒す事が出来た。薬草もそれなりに採れたのだが錬金術で使う予定があるのでギルドへの納品は1束だけにしておく。
Lvも上がったし、街に戻ってステータスとスキルの確認をして生産系のスキルにも手を出してみようかな。
ハント
レンジャーLv.3
HP120/120
MP30/30
STR3
VIT3
DEX7+1
AGI7+1
INT3
MND3
LUK5
ステータスポイント:4
スキルポイント:4
<<スキル>>
<弓術>Lv.3 <遠距離攻撃力上昇>Lv.2 <木工>Lv.1 <錬金術>Lv.1 <料理>Lv.1 <鷹の目>Lv.2 <夜目>Lv.1 <隠密>Lv.2 <ステータス鑑定>Lv.2 <アイテム鑑定>Lv.3
<<称号>>
なし
<<装備>>
武器・・・初心者の短剣・初心者の弓
頭・・・なし
胴・・・冒険者の服
手・・・なし
脚・・・冒険者のズボン
足・・・冒険者のブーツ
装飾品・・・レンジャーリング
<<所持金>>
180G