プレイ41日目
翌日、掲示板の反応を見ると予想通り大騒ぎになっていた。ある程度の情報と公式からのアナウンスが入る事は伝えてあるので徐々に落ち着きを見せてはいるのだが、一部のマナーの悪い人間がしつこく書き込みをしているようだ。取り合えずこれ以上はこちらにも不都合が出そうなので敢てスルーしておく。
精霊召喚の儀式を終えた事によって、Lvや装備、スキルの準備がある程度整った。後は王都に戻って船の申請をすれば中央大陸へと渡る事になる。フレンドリストを見る限りセレナはログインしていないが出来ればお世話になっているので中央大陸に渡る前に直接報告をしたいと思っている。
「う~ん、最近素材を渡せていないし、ユウとのコンビネーションや新しい弓の使い勝手もしっかり確認したいからな、ワイバーンでも狩りに行くか。それにユニーとも会わせてやらないといけないしな」
ユニーを引き連れて一旦里の外に出てユウを召喚する。
「召喚ありがとうございます、マスター!頑張ります!」
「宜しくね、えっと今日は仲間を紹介するよ。ホーンラーバのユニーだ、仲良くしてね」
(仲間)(嬉しい)
「宜しくね、ユニーちゃん。一緒にマスターを支えましょうね!」
早速、触れ合って楽しそうにじゃれあっている。
「ん?ユウはユニーと会話出来るのか?」
「出来ますよ?」
どうやら、よく分からないが会話やコミニュケーションは可能らしい。きっとシステム的な何かが働いているんだろう。
「よし、それじゃあ今日はみんなで狩りに行こう。ユウもユニーに乗ってごらん」
「は~い、宜しくねユニーちゃん」
(頑張る)(遊ぶ)(楽しみ)
遊びじゃないんだが、まぁ楽しそうだからいいだろう。騎獣からすると狩りは遊びの範疇なのかもしれないな。取り合えず私の前にユウをちょこんと座らせて森を駆ける。取り合えず弱いモンスターはスルーしてウォーベアあたりを狩りながらグラン山岳地帯へと向う。
最初はユニーに乗ったまま遠隔射撃をしていたのだが途中からユウが仕事がしたいと駄々を捏ねてしまった、もしかしたら召喚されたのに必要とされていないと感じてしまったのかもしれない。ユウには悪い事をしてしまったかな、しかしこれも私のスタイルだから止めろと言われても中々難しい。
「ごめんなユウ、この辺りだと遠隔射撃で十分だからついついやり過ぎたよ。決して必要ないとかじゃないからね」
「大丈夫です、ユウはいつでもマスターを守れるようにしっかりと周囲を警戒しますから。あとは防御力を上げる魔法だって掛けちゃいますからね」
「ありがとう、ユウは頼もしいな」
なんだかんだあったが特にユウが出る間もなく、グラン山岳地帯へと辿り着いた。ここからはユウに手伝って貰おう。あいつら魔力に反応するからな、ユウがヘイトを固定してくれればいつもより楽に狩れるだろう。
「じゃあ、ここからはユウの出番だよ。レッサーワイバーン達は魔力感知があるから出来るだけ遠くから挑発でヘイトを固定してくれないか?そこに攻撃するから」
「お任せ下さい!『挑発』です!」
早速ユウの挑発が発動する。一旦ユニーには後方に待機して貰って攻撃の準備に入る。念の為『精霊の鼓舞』を使用しておく。
レッサーワイバーンはユウに向けてブレスを放つ。一瞬冷やりとしたがユウは大盾で完璧に防いでいた、更に空中から体当たりをしてきたがこれも盾によって防がれる。それと同時にユウのカウンターが発動してダメージを与える。しかし、さすがに敵のLvも高いので僅かではあるがユウのHPも減っている、Lv差がある為に完全にダメージを防ぎきれないようだ。
「行くよ、『カウントアップショット』!」
ユウがしっかりとワイバーンを固定してくれていたのでカウントアップショットも最大限に溜めて撃つ事が出来る。以前に比べてステータスも上がり武器も新しくなっているので簡単に頭を打ち抜く事が出来た。
「ふう、ユウがしっかりと固定してくれたお陰で一撃で倒す事が出来たよ、ありがとう」
「どういたしましてです!お役に立てて良かったです!さぁ、どんどんいっちゃいましょう!」
「あぁ、そうだね」
その後はユウがモンスターに突っ込んでヘイトを固定し、私が一撃で確実に倒していく簡単な作業だった。一度だけ背後を取られてユニーがターゲットになりかけたがユウがしっかりと挑発でヘイトを取ってくれたので事なきを得た。万が一私だけであればユニーに攻撃が当たっていたかもしれない。
それ以外はユウの防御力と私の新しい弓の攻撃力の前に敵は無く、一人で狩っていた時以上の戦果を上げる事が出来た。このシステムはソロプレイヤーには本当に有り難いと思う。
夕食後ログインするとセレナが王都に居たのでメッセージを送ってから急いで王都へと戻る事にした。今回の戦闘でユニーのLvも上がりスキルもMAXになったので少しだけスピードが上がり、いつもより早く王都まで戻る事が出来た。流石にユウは見られると面倒な事になるかもしれなかったので呼び出さなかったのだが、1日一緒に居たからか、居ないというのが寂しく感じてしまう。
「こんばんわセレナ。久しぶりだね」
「こんばんわ。どうしたんですか?」
「あぁ、実は中央大陸に渡ろうと思っていてね。お世話になったセレナに挨拶とプレゼントを渡したくてね、良かったらこの杖を受け取ってくれないか?」
実はお世話になったお礼にと思い、エルフの里で魔法用の長杖を作っておいたのだ。今まで見た限り、今回作った杖はかなり高品質だと思うので是非セレナに使って欲しい。
「わぁ、いいんですか!?有難う御座います!って凄い、これハントさんが作ったんですか!?」
「あぁ、そうだよ。エルフの里で木工の修行もしてきたからね。中々の出来だと思うんだが」
「凄いです。こんなの見た事ないですよ!」
セレナのテンションがかなり上がっているが、ちょっと騒ぎ過ぎだ。周りの目が痛い。
「よし、私も中央大陸に行きます!ハントさん、良かったら連れて行ってくれませんか?」
「え?私はいいんだが、セレナは準備とか大丈夫なのかい?」
「はい、特に個人からの注文も入っていませんし、自分の戦闘用の装備はばっちり作ってありますからね。これでも風魔法だけは得意なんですよ。どうしようか迷っていたんですが折角の機会ですし、私も中央大陸に渡ろうと思います」
話しを聞いた所、セレナは戦闘は殆どパーティープレイが専門で風魔法に特化しているらしい。その分、他の時間は裁縫や革細工に費やして今のLvまで上げたそうだ。更に素材の関係でこの大陸ではこれ以上のスキル上昇も難しく、新しい装備も作れないので中央大陸に行くべきか真剣に悩んでいたらしい。そこにタイミングよく私が今回の話と新しい杖を持ってきたので決心が着いたそうだ。
「よし、じゃあ一緒に向おう。あっちに渡ったら見せたい子もいるしね」
「見せたい子ですか?なんだか分かりませんが宜しくお願いします」
という事で中央大陸へはセレナと一緒に渡る事になった。さすがに王都でユウを召喚する訳にはいかないので中央大陸へ渡ったらちゃんと紹介しようと思う。このグローリア大陸に居た時間は短かったようでとても充実した日々だった。中央大陸でも色々な出会いや冒険が待っているのだろうか、今から楽しみで仕方が無い。待ってろよ中央大陸。
お読み頂きありがとうございます。更新の度にブクマが数十人単位で減るのはなぜでしょうか?気になる所ではありますが、出来るだけ気にしないようにしようと思います。
さて、今回で第一章が終了していよいよ中央大陸へと渡ります。次回は閑話を1つ挟もうと思っていますので楽しみにしている方は少々お付き合い下さい。
ハント
精霊弓士Lv.34
HP530/530
MP290/290
STR34(+5)
VIT34(+5)
DEX76+20(+8)
AGI70+30(+8)
INT44+14(+10)
MND34(+5)
LUK38(+5)
ステータスポイント:0
スキルポイント:1
冒険者ギルドランクC:15/50
<<スキル>>
<精霊召喚>Lv.MAX<精霊魔法>Lv.MAX<上級弓術>Lv.4<遠距離攻撃力上昇(大)>Lv.1<超身体強化>Lv.6<中級鍛冶>Lv.3<上級木工>Lv.5<中級錬金術>Lv.6<中級料理>Lv.4<竜の眼>Lv.8<夜目>Lv.MAX<千里眼>Lv.5<ステルス>Lv.MAX<鑑定眼>Lv.6<レーダー>Lv.8<ギャザラー>Lv.1<ダッシュ>Lv.MAX<跳躍>Lv.MAX<暗殺>Lv.6
<<称号>>
『孤軍奮闘』『弓の名手』『エルフの叡智』『木工師』
<<装備>>
武器・・・ハンターエルフボウ DEX+8 AGI+8 INT+4 精霊魔法効果アップ
頭装備・・・ハンターハット AGI+3 INT+5 眼系スキル効果アップ
胴装備・・・ワイバーンベスト DEX+7 AGI+6 身体強化効果アップ
手装備・・・ワイバーングローブ DEX+5 遠隔攻撃命中率アップ
脚装備・・・ワイバーンボトム AGI+5 消音効果アップ
足装備・・・ワイバーンブーツ AGI+5 ダッシュ効果アップ 跳躍効果アップ
背装備・・・ワイバーンマント AGI+3 INT+5 隠密効果アップ 全耐性+1
装飾品・・・レンジャーリング DEX+1 AGI+1
ワイバーンベルト DEX+1 矢筒装備数+1
<<所持金>>
145,400G
ユニー
ホーンラーバLv.20
HP265/265
MP70/70
STR26
VIT24
DEX19
AGI30
INT15
MND12
LUK8
<<スキル>>
<ダッシュ>Lv.MAX<スタミナ>Lv.MAX<ジャンプ>Lv.3<悪路走行>Lv.6