プレイ26日目~28日目
夜になってフレンドリストを確認するとセレナがログインしていたので直ぐにメッセージを送信する。どうやら露店エリアに店を出しているようなので早速向う。
「こんばんは。調子はどうだい?」
「こんばんは、ハントさん。いい感じで売れてますよ」
やっぱりハントさんが持って来てくれた素材がいいからですね、とセレナに感謝されつつ隣に出店して自分のアイテムボックスから商品になりそうなポーションや杖等を並べていく。
「早速なんだが素材の準備が出来たから装備の作成をお願いしたいんだが、いいだろうか?」
「任せて下さい!ハントさんの装備は私が責任持って仕上げますから!」
ある程度の構想は事前に伝えている為、素材をトレード機能を使って渡す。
「完成までリアルで2日くらい掛かりそうです。なので3日後には渡せると思います」
「そうか、分かった。宜しく頼む」
まだ時間も早かったのでセレナと会話しつつ1時間程で露店を切り上げ、早速エルフの里に向う事にした。王都でも木工のスキル上げは出来るが折角なら里の木工ギルドで依頼を受けつつ色々と教えて貰いたい。移動はモンスターや採取をスルーしてユニーに乗って行ったので徒歩よりも早く着く事が出来た。
エルフの里の移動は慣れたものでユニーを預けて真っ直ぐに木工ギルドへと向う。錬金術ギルド長から預かった紹介状もあるがどちらにしてもクエストがクリア出来ないのでそっちは後回しにしておこう。
「すいません、こちらで木工の依頼が受けれると伺って来たのですが・・・」
「こんにちは。依頼のご紹介はさせて頂いております、まずはギルドカードを確認させて頂けますか?・・・ハントさん、木工ギルドの依頼経験はなし、スキルは中級ですね。それから鍛冶と中級錬金術も出来るようですね」
「はい、実は上級木工スキルを取得してエルフウッドを自分で加工しようと思っていまして。それで何か依頼が受けれればと」
「なるほど・・・それでしたらクラフさんの工房の下働きはどうですか?丁度王都から家具の依頼が入っているので人手は多い方がいいでしょうし、彼はこの里でも一番の腕利きですから勉強にもなるでしょう」
クラフさんと言えばドルテムの義足を作ったあの時の職人さんか、確かにお店の品物は全て品質が良かったし親方もいい人だったな。
「是非お願いします」
「はい、それではそのようにカードに記録します。クラフさんから完了のサインを貰ったらまたここに来て下さいね」
ポーンという音と同時にクエストが表示された。しかし、その報酬欄は???という表記になっている。これはどういう事だろうか?受付のお嬢さんは私の疑問に気付いたのか付け加えるように説明してくれた。
「こちらの依頼の報酬はクラフさんの評価によって支払われますのでそのような表示になっています。生産ギルドの依頼にはこういった報酬が多いんですよ」
「そうでしたか、納得が行きました。早速工房へ行ってきます。ありがとうございました」
「いえいえ、頑張って下さいね」
受付のお嬢さんに見送られてクラフさんの工房へと向う。寝るにはまだ早いので少しだけでもスキルを上げておきたい所だ。
「失礼します。木工ギルドからの紹介でやって来ましたハントと申します。クラフさんはいらっしゃいますか?」
お店に入るとクラフさんではなく若い男性の店員が居たので軽く自己紹介をし依頼の件を伝える。するとそのまま奥の工房へと案内された。
「親方。ギルドからヘルプが来ましたよ」
「ん、そうですか。おや?あなたは以前ドルテムを助けて下さった冒険者さんでは?」
「はい、その節はどうも。実は木工も齧っておりまして、今回はギルドからの紹介で下働きとして伺いました」
「そうでしたか。人手は多い方がいいですからね、助かります。取り合えず簡単は作業からお願いしますね」
ギルドから紹介された通り工房では数人で家具を作成していた。その中でクラフさんの一番弟子というエルフについて作業をする事になった。木材を運んだり、図面通りに切り出し、組み上げる。それを親方達が仕上げていくと言う流れで家具を作り上げていく。正直今までは自己流だったのでプロの職人さんの仕事を見るのはかなりの刺激になった。鋸や金槌の使い方一つ取っても職人の技術を感じる。
作業も終わりは見えないという事で、リアル時間で1時間程手伝ってログアウトさせて貰った。
翌日も朝からログインしてクラフさんの工房を手伝い、ゲーム内の時間に合わせて作業する。私はまだまだ元気なのだが流石にこの世界の住人はずっと働き続ける訳にも行かない。リアル時間に換算すると2時間、ゲーム内時間で8時間程で1日の作業が終わる。
その間は自由に工房を使っていいと言う事なのでお言葉に甘えて自分の作業をさせて貰った。作るのは狩り用の矢と販売用の杖に弁当箱、箸等だ。米が実装されてから箸もある程度売れている、ただ露店でも結構売っているので単純な箸では売れなくなった、最近では技術の向上の為に着色したり細工を施してから売っている。
「しかし、予想外にいい情報が聞けたな。早速作ってみないとな」
いい情報が何かと言うと、『聖銀の矢』という対アンデット・悪魔用の特殊な矢の存在だ。以前からソロでのアンデットや悪魔、ゴーストといった物理攻撃に耐性があるモンスターへの対応で頭を悩ませていたのだが、この矢はそれを解決してくれるものだった。
聖銀の矢は浄化の力がある為、闇属性を持つ敵には必ず一定のダメージを与える事が出来るし、実態がないモンスターにもダメージを与える。作り方もある程度のスキルがあればそんなに難しくはない。まず必要になるのが矢尻に使う銀、そして銀に付与する聖水、そしてホワイトオーク材と矢羽だけだ。銀は鍛冶スキルがあれば自分で加工出来る。木材と矢羽は言わずもがな。
問題は聖水だろう。必要なのは錬金術スキル、そして素材となる清らかな水。ここまでは殆どの人が準備出来る、重要なのは光属性の魔法が使えるか、精霊魔法が使えるかという事だ。作業自体は清らかな水に光属性で浄化の属性を付与するか、精霊魔法で精霊に同じように浄化を頼めばいい。しかし、これを全て一人で作るとなるとなかなか出来る職人は居ないらしい。特に現地住民であればスキル取得数も限りがある為に難しいらしいのだ。
ホワイトオーク材は基本的に寒い場所で育つらしく、この大陸ではグラン山岳地帯の奥地でしか手に入らないらしい。なので今回は予めギルドから購入している。銀は以前王都の露店で購入していたので里の水を使って聖水を作り、聖銀の矢を作成していく。これはギルドでもいい値段で買い取って貰えるし、王都の露店にも無かったので出品すればそれなりに売れるだろう。とは言ってもメインで弓を使っているプレイヤーは少ないので買って行くのは補助で弓を使うレンジャー系やソロメインの人だけだろう。
そんな感じでゲーム内の時間に合わせてプレイをしていた為、依頼を達成するのは意外と時間が掛かってしまった。しかし、その甲斐もあってスキルレベルは上級に到達し、スキルに現れない技術も上達したと思う。親方にも褒められて、ギルドへ達成の報告をした時には報酬にボーナスまで着いて来た。
しかし、まだエルフウッドは加工していない。その大きな理由はミスリルを使いたかったからだ。上級木工を取得して親方に話を聞いた所、寄り代にするならば出来るだけいい素材を使った方がいいという事だった。ミスリルは魔法との親和性が高く、この大陸でも手に入れる事は出来るのだから妥協すべきではないと言われてしまった。勿論、そんなつもりは無かったのだがこちらの準備が足りなかったのだからそう言われてもしょうがないだろう。
と、いう事で明日セレナから装備を受け取ってからゲルダ鉱山へ向い、自力でミスリルを採掘する。そしてそれが終わってやっと武器の作成、クエストの進行が出来るだろう。
<<条件を満たした為、称号<木工師>を獲得しました。>>
・『木工師』・・・一人前の木工師。※木材の加工にプラス補正。<会心の出来>が極稀に発生する。
ハント
精霊弓士Lv.30
HP390/390
MP165/165
STR30(+5)
VIT30(+5)
DEX68+9(+8)
AGI63+9(+8)
INT40(+10)
MND30(+5)
LUK34(+5)
ステータスポイント:0
スキルポイント:2
冒険者ギルドランクC:3/50
<<スキル>>
<精霊召喚>Lv.MAX<精霊魔法>Lv.7<上級弓術>Lv.2<遠距離攻撃力上昇(中)>Lv.8<超身体強化>Lv.4<鍛冶>Lv.8<上級木工>Lv.2<中級錬金術>Lv.6<中級料理>Lv.2<竜の眼>Lv.6<夜目>Lv.MAX<千里眼>Lv.4<ステルス>Lv.9<鑑定眼>Lv.6<レーダー>Lv.5<採取>Lv.MAX<採掘>Lv.4<ダッシュ>Lv.MAX<跳躍>Lv.MAX<暗殺>Lv.5
<<称号>>
『孤軍奮闘』『弓の名手』『エルフの叡智』『木工師』
<<装備>>
武器・・・初心者の短剣・樫のロングボウ DEX+1 AGI+1 命中率アップ
頭・・・なし
胴・・・ウルフベスト DEX+3 AGI+2 命中率アップ
手・・・ウルフグローブ DEX+1
脚・・・ウルフボトム AGI+1
足・・・ウルフブーツ AGI+2 消音効果アップ
背・・・ブラックウルフマント DEX+3 AGI+3 隠密効果アップ 耐寒 耐熱
装飾品・・・レンジャーリング DEX+1 AGI+1
<<所持金>>
102,000G
ユニー
ホーンラーバLv.15
HP230/230
MP60/60
STR22
VIT21
DEX16
AGI23
INT11
MND10
LUK7
<<スキル>>
<ダッシュ>Lv.7<スタミナ>Lv.7<悪路走行>Lv.2