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50代で始めるVRMMO。~初めての幻想世界Online~  作者: 森もりおん
第一章 グローリア大陸編
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プレイ11日目 精霊の試練

※精霊魔法の威力を調整しました。それに伴い本文の一部を修正しております。

「よく来たな、それでは世界樹の若木へと行こうか」


 世界中の若木は里の奥にある、普段は入る事が許されない神聖な場所だ。その一番奥のひと際大きな木が世界樹の若木である。そしてその周りの木がエルフウッドと呼ばれている物だろう。


 世界樹の若木の前に立つとまず巫女が儀式を執り行う。そしてお祓いを受けてから世界樹の若木へと触れる。この儀式は邪を払い、世界樹が穢されないように浄化の効果を掛けているそうだ。


「どうぞ若木にお触れ下さい」


「はい、いきます」


 ボゥ。身体から魔力が抜ける感覚と共に、世界樹の若木が淡い緑色の光に包まれる。深い緑というよりも黄緑に近い淡い緑という感じだろうか。


「魔力は普通よりすこし多いでしょうか。この色は風との親和性が一番高く、どちらかと言えば土属性よりの色。エルフには比較的多い木属性の親和性が高そうですね」


 どうやら一般的なエルフと殆ど同じ評価みたいだ。ここで変な色とかになって伝説の勇者だとか言われなくて本当に良かった。


「ありがとうございます」


「では、この枝をお受け取り下さい、エルフウッドの枝です。これを受けた時点で精霊の試練を乗り越えた証となります」


<<種族クエスト『精霊魔法』を達成しました!>>

<<特殊条件を満たした事により、スキル<精霊魔法>を取得しました>>


「ありがとうございます」


「あなたのこれからの人生が常に世界樹と共にありますように」


 巫女さんが最後にそういい残して試練が終わった。無事終了したようでシステムメッセージにもしっかりと表示された。折角来たのでもう少し世界樹を眺めて居たかったが、すぐに追い出されてしまった。どうして幻想世界Onlineにはスクリーンショット機能がないのだろうか、これは運営に要望を出すべきだろう。断固として抗議する所存である。


「よし、エルフウッドが加工出来ないか聞きに行こう」


 結果はダメだった。今の私のスキルLvでは実力不足らしい。悔しかったので<木工>lv.10に上げて<中級木工>に進化させたのだがそれでもダメだった。

 加工するか聞かれたが断る事にした、折角ならば自分の手でちゃんとした弓に仕上げて上げたい。幸いにも書庫の本の知識で加工する方法は把握しているので旅の途中でこまめに確認したいと思う。判断基準は精霊の力を込めたナイフで木が削れるかどうかだそうだ。力が足りなければ木はまったく傷付かず、魔法も通さないらしい。


「まぁ、しょうがない。こういう事もあるさ。次はいよいよ外で<精霊魔法>の試し打ちといきますか」


 早く試してみたくて年甲斐も無くうずうずしている。やはりエルフは長命というし、エルフの年齢に直せば50歳なんて10歳くらいの感覚みたいだからな。もしかしたら脳が軽く誤認しているのかもしれない、まぁ気のせいだとは思う。

 実際のエルフは20歳位までは人と同じようなスピードで成長する。一応成人は他の種族と同じく15歳だが、20歳から100歳までは殆ど見た目が変わらず、100歳を越えて徐々にではあるが見た目が変わるらしい。なので一目見ただけではエルフの年齢を判断するのは難しいのだ。


 門番さんに挨拶をし外に出る。この森では何が起こるか分からないので決して慢心しないようにと忠告を受けた。私もそう思っているので決して油断する事はない。


「格下って言っても難しいから同じくらいのLvのモンスターが居ればいいんだけどな」


 まずはモンスターと戦闘する前にちゃんと発動するか確認をする。


「まず、何をしたいかイメージして・・・渡すMPを決める、後は精霊が反応して魔法が発動する・・・と」


 私は風が一番高いらしいのでまずは小さなカマイタチを出して近くの枝を切るイメージ。そしてMPを2渡す。

 シュパ! 確かにMPが減り、カマイタチが発生して枝を切り落とした。タイムラグは殆どないようだ。しいて言えばイメージを想像する時間が発動までの時間になるという感じだろうか。

 狙いを着けて魔法名を叫ぶ普通の魔法と殆ど変わらない感覚で使えるのではないだろうか。普通の魔法を使った事がないのではっきりは言えないが。


「次は、地面から木の根を生やし、とぐろを巻くイメージ。MP4渡す・・・」


 目の前の地面から直径3cmくらいの木の根が飛び出し、同時にとぐろを巻いていく。これならばモンスターの足止めに使えそうだ。もっと早く、正確なイメージが出来るようになればかなり有効な手段ではないだろうか。


「何となく精霊が語りかけてきている様な気がするな・・・これがもしかしたら精霊の声なのかな」


 魔法は問題なく発動する、そして何となく精霊が話しかけている様な気もする。兎に角これでモンスターと戦っても問題ないだろう。


「あっ、昼食を食べてからにするか。その方が時間を気にせずにすむしな」


 そう思ったので里へと引き返す。昼食を食べると言ったら門番さんに変な顔をされてしまったがしょうがない。出る前に時間を見ていなかった私が悪いのだ。


 昼食中に掲示板を見たがやはり精霊魔法の話題はどこにもない。本来であれば書き込むべきなのだろうが、里や森をあまり荒らして欲しくないし、私は殆ど掲示板に書き込んだ事がないので迷った末に報告は止めた。


「まぁ、すぐ誰かが見つけるだろう。王都からそんなに遠くないし」


 問題はどうやって里に行くエルフを見つけるかという事なのだが、その時の私はその事を全く考えて居なかった。


「さて、気を取り直していきますか」


 精霊魔法を使った初めての相手はオークだった。しかし、攻撃するまでにはかなりの時間を要した。


「ちょっと待てよ、私が普通に弓で攻撃したら一撃で死んでしまって精霊魔法を使う場面がないんじゃ、それに動けないように足元に木の根を出すとしてもその時点で気付かれて不意打ちの効果が乗らないし、見付かったら面倒だぞ・・・」


 思わぬ所に問題があったのだ。通常であれば弓で一撃で殺す事に問題はない。しかし、精霊魔法を使って倒すとなると途端に難易度が上がってしまう。


「見付かる前に攻撃出来て、精霊魔法を使う方法・・・」


 上を見たり、下を見たり、身体を動かして色々と想像するがなかなかいいアイデアが浮かんでこない。まだ精霊魔法で出来る事の範囲もしっかり把握していないのだから当然だ。


「風だと、矢のスピードを上げるとか。後は矢にカマイタチを付与して射るというより切る攻撃に近い事が出来ないか試してみるのもいいか」


 習うより馴れろ。悩んでも仕方が無いので思い付くパターンをいくつか試してみて出来る範囲を学べばいい、精霊魔法はイメージが大事らしいので兎に角色々とやってみるしかない。


「まずは<鷹の目>、<身体強化>そして<精霊魔法>で矢の速度を上げるイメージMP2・・・『ストレートショット』!」


 放たれた矢はいつものようにオークの頭を射抜き、一撃で消滅させる。しかし、精霊魔法の効果が乗っているのかは判断が難しい。次はもう少しMPを多めに使ってみる。


「矢の速度を上げるイメージ、MP10・・・『ストレートショット』!」


 キィン!といつもより高い音を発して矢が飛んで行く。今までのストレートショットは例えるなら「ヒュン!」という感じだった、それが「キィン!」と甲高い音を発していた。

 勿論オークの頭を綺麗に射抜いた。消える一瞬に見えたオークの頭には点を突いたように綺麗な傷跡を残していた。凄まじい威力になっていた。


「成功か、やはりMPが重要なのかな。しかしこれはかなりいい組み合わせかもしれない、それに射程距離も伸びそうだな」


 次はカマイタチの矢を撃ってみる。これが成功すれば今まで与える事が出来なかった斬撃ダメージを出せるかもしれない。


「次は他のアクションなしで試してみるか。<精霊魔法>矢の先端にカマイタチが発生するイメージMP2・・・ふっ!」


 ショートボウから放たれた矢は見た目は普段と一緒だった。オークに当たると頭は中程まで切れている。枝は切れたが、やはり威力が弱い。


「次はMP10で・・・ふっ!」


 MPを10込めたカマイタチの矢は当たった瞬間にオークの頭を真っ二つに切り飛ばした。


「これも成功だ。精霊魔法は本当に凄いな・・・戦闘の幅が一気に広がったぞ!」


 まぁ、一撃で倒してしまうんだけどね。とくだらない事を考えつつ、練習を繰り返していく。途中で夕食を挟んで更に練習を続ける。

 木の根でモンスターを足止めする練習もやってみたのだが込めるMPが少ないとモンスターによってはすぐに振り解かれてしまった、多めにMPを込めると殆どのモンスターに対して有効な手段になった。これならば外した時や複数のモンスターを相手にする時に使えそうだ。


 <精霊魔法>の威力はINTが基本値、そしてMPが倍率になる。単純な計算ではないようなのだがINTにステータスを振っていない私の基本値は一般のエルフと変わらない。しかし、称号の効果によって<精霊魔法>の効果が上がっているので倍率かどこかにボーナスが入ってるようだ。その効果でMPを多めに込めればかなりの威力を出せるみたいだ。あくまでも体感なのでそれくらいしか分からなかった。


 寝るまで練習しながらモンスターを倒し、合間に採取も忘れずに行う。スキルは程ほどにして<精霊魔法>をメインに使っていった。その甲斐もあってかLvも15まで上がった。ある程度目処が付いたのでLv15になった時点で0時前にログアウトして就寝した。久しぶりに戦闘をしたので疲れたが色々な経験もあって凄く楽しかった。それに今日も宿屋で美味しい食事を食べて寝れるので幸せである。

お読みいただきありがとうございます。


弓術士Lv.15

HP240/240

MP90/90

STR15(+5)

VIT15(+5)

DEX33+9(+8)

AGI33+9(+8)

INT15(+10)

MND15(+5)

LUK17(+5)

ステータスポイント:0

スキルポイント:10

冒険者ギルドランクE:18/30

<<スキル>>

<精霊魔法>Lv.2<中級弓術>Lv.2<遠距離攻撃力上昇>Lv.9<身体強化>Lv.4<鍛冶>Lv.6<中級木工>Lv.1<錬金術>Lv.7<料理>Lv.4<鷹の目>Lv.8<夜目>Lv.7<遠見>Lv.5<ステルス>Lv.3 <ステータス鑑定>Lv.7<アイテム鑑定>Lv.6<気配察知>Lv.8<魔力感知>Lv.6<熱源感知>Lv.6<採取>Lv.7 <採掘>Lv.3<ダッシュ>LV.6<跳躍>Lv.5<不意打ち>Lv.6

<<称号>>

『孤軍奮闘』『弓の名手』『エルフの叡智』

<<装備>>

武器・・・初心者の短剣・樫のショートボウ DEX+1

頭・・・なし

胴・・・ウルフベスト DEX+3 AGI+2 命中率アップ

手・・・ウルフグローブ DEX+1

脚・・・ウルフボトム AGI+1

足・・・ウルフブーツ AGI+2 消音効果アップ

背・・・ブラックウルフマント DEX+3 AGI+3 隠密効果アップ 耐寒 耐熱

装飾品・・・レンジャーリング DEX+1 AGI+1

<<所持金>>

35,000G


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