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50代で始めるVRMMO。~初めての幻想世界Online~  作者: 森もりおん
第一章 グローリア大陸編
23/43

プレイ10日目~11日目

 「お、次のバージョンアップの情報が来てるな」


 朝食を食べながら掲示板をチェックしていると次回バージョンアップについての情報が書き込まれていた。今回もスキルの追加と調整、その他不具合の調整はあるみたいだな。こういうのは大体どのMMOでも毎回やっているし、多分幻想世界Onlineでも知らない所で不具合があるんだろう。


・客船及び航路の実装 ※現段階では中央大陸のみ

・米の実装


 注目すべき所はこの二つだろう。まず米について、これはどうやらプレイヤーからの要望がかなり多かったらしく、急いで実装されたようだ。確かに日本人としては米は食べたいもんな。だが、入手ルートが決まっているらしく、全員がすぐに食べられるという訳ではないようだ。それについては今後調整していくらしい。

 次が客船及び航路の実装。これは掲示板で予め予想されていたのだが、港町には大きな船が止まっており、他の大陸に渡るには冒険者ランクC以上でなければ行けないと言われて船に乗り込む事すら出来なかったのだ。更に通常の大陸内で港町と王都の港の定期便も運休状態だった。その時点で怪しいと話題になったのだが、つい先日冒険者ランクCになったプレイヤーが現れた。そしてそのプレイヤーが船の受付に行くと、次の中央大陸への船は3週間後だと言われたらしい。つまりリアルではバージョンアップの日という訳だ。多分、その時点で港町から王都への定期便も復旧するであろうという予想だった。


「米は素直に嬉しいな。多分実装先はエルフの里じゃないだろうから、最初に発見するのは他のプレイヤーだろうな。見つかったら私も買いに行かないと」


 私も折角弁当箱と箸まで作ったのだから米はどうしても食べたい。リアルでは大食いという訳ではないが、ゲームの中であれば五感で楽しめるのに身体には影響がないので食べようと思えばいくらでも食べられるし、リアルよりも美味しい物が沢山ある。


「チャーハンとかカレーとかカツ丼とか作れるようになるのか・・・夢が広がるな」


 色々と妄想しながらログインし、まずは書庫へ本を読みに行く。


「もう昼か・・・あっと言う間だな」


 気が付くと昼になっていた。取り合えず試練の概要は大体把握出来た。それと世界樹についても詳しく知る事が出来た。

 試練とは里のエルフが10歳になると受ける行事であり、里の外のエルフが受けるというのは珍しい事らしい。内容はまず、世界樹の若木に触れる。この時に精霊と親和性が高ければ世界樹の若木が淡く光る、親和性が無い、もしくは極めて低い場合は何も起こらない。この段階で精霊の加護を受けれないエルフは弓を極めたり、農作業など魔法が殆ど必要ない仕事を目指すらしい。

 そして世界樹の若木が光った者は同時にその魔力を全て吸われる、その光の大きさと色で魔力量と一番相性がいい属性が分かるらしい。勿論、世界樹の若木が光った時点で精霊との親和性はあるので、ほとんどの人が全ての精霊魔法を使う事が出来る。例外はながい里の歴史でも数える程度だという。


「素養はあるってお墨付きを貰ってるから多分大丈夫だろう・・・」


 昼食後も書庫に篭って色々な本を読み漁る。現実の物語と錯覚するほどに沢山の話が深く書かれていた。女神の物語や勇者の物語は本当に面白くてシリーズを一気読みしてしまった程だ。結局全て読み終わったのはリアルで22時を過ぎた頃だった。


「しかし、全部読んだら称号を貰えるとは想定外だったな」


<<条件を満たした為、称号<エルフの叡智>を獲得しました。>>


・<エルフの叡智>・・・エルフの知識を後世に伝える者。INT+5 精霊魔法効果アップ


 確かに書庫の本は全部読んだ。リアルで24時間以上、システムの補助があるとはいえゲームの中でそんなに本を読む人間は少ないだろう。称号が貰えるとしても挑戦する人は少ないかもしれない。

 私は楽しんで読めたので逆に申し訳ないくらいだ、本を読むだけでステータスが上がって精霊魔法効果アップまで貰えたのだから。


 ついでに試練は明日行う事になった。昼食後に里長がやって来て教えてくれた。その時に全部の本を読むつもりだと伝えたら若干引いているようだった。


「宿屋で美味しい物でも食べてログアウトするか」


□ □ □ □ □


 翌日はゆっくりとログインして宿屋でご飯を食べて里を散歩する。丸一日以上モンスターを倒していない。


「たまにはこうやってのんびりするのもいいものだな」

 

 エルフの子供達が走り回るのを眺めたり、空を見たりゆっくり歩いているとドルテムと遭遇した。


「やぁ、ハント元気そうだね。ん?何だか雰囲気が変わったような・・・?」


「ん?何も変わっていないと思うんだけどな」


「そうか、私の勘違いのようだな。すまない」


 言っていいのか迷ったので曖昧に誤魔化してしまった。ドルテムが感じたのは多分称号の影響だと思う。表記されてはいないが、多分隠し効果があるのだろう。悪い影響ではないと思うので取り合えずは気にしない方向で行こうと思う。


「そういえば今日試練を受けるそうだな。ハントなら大丈夫だと思うが、幸運を祈る」


「大丈夫さ、ギルド長からのお墨付きもあるからね」


「そうか、ギルド長が言うなら間違いないだろうな。あの方は凄い方だからな」


 実は聞くタイミングを逃して未だにギルド長の名前を知らないのだが、ちゃんと確認しておいた方が良さそうだ。何より失礼だからな。


「そうなのか、私は知らなかったのだが有名な方なのか?」


「あぁ、そうかハントは里のエルフではなかったな。ギルド長は現在里のエルフで一番精霊との親和性が高い。噂だが精霊を使役し竜を倒したという話しだ」


 精霊の使役というのは世界樹に認められたエルフにだけ許された加護や祝福のようなもので、数多に存在する精霊の上位存在と契約を結び世界へ具現化させるエルフの伝説だ。勿論書庫にはそれに関した書物が残されており、知識としては知っていた。しかし、現在に存在するというのは知らなかった。


「それは凄いな。王都に戻ったら一度話を聞いてみたいものだ」


「あぁ、それは難しいかもしれないな。誰が聞いてもその話は噂だと一蹴されるのだ」


 正直、その対応は正しい。もし本当に精霊と契約していたとしても出来るだけ隠したいと思うはずだ。それが原因で何が起こるか分からないし、厄介事の種になりやすいだろう。使えるのであれば本当に必要な時だけ使えばいいのだ。


「すまないな長話になってしまった。私もこんなに喋る方ではなかったのだがなぁ」


 ドルテムと分かれると試練を受ける為に里長の家へと向った。


お読みいただきありがとうございます。


弓術士Lv.13

HP220/220

MP80/80

STR13(+5)

VIT13(+5)

DEX29+9(+8)

AGI29+9(+8)

INT13(+10)

MND13(+5)

LUK15(+5)

ステータスポイント:0

スキルポイント:10

冒険者ギルドランクE:18/30

<<スキル>>

<中級弓術>Lv.1<遠距離攻撃力上昇>Lv.8<身体強化>Lv.3<鍛冶>Lv.6<木工>Lv.9<錬金術>Lv.7<料理>Lv.4<鷹の目>Lv.7<夜目>Lv.7<遠見>Lv.5<ステルス>Lv.3 <ステータス鑑定>Lv.6<アイテム鑑定>Lv.6<気配察知>Lv.8<魔力感知>Lv.6<熱源感知>Lv.6<採取>Lv.7 <採掘>Lv.3<ダッシュ>LV.6<跳躍>Lv.5<不意打ち>Lv.5

<<称号>>

『孤軍奮闘』『弓の名手』『エルフの叡智』

<<装備>>

武器・・・初心者の短剣・樫のショートボウ DEX+1

頭・・・なし

胴・・・ウルフベスト DEX+3 AGI+2 命中率アップ

手・・・ウルフグローブ DEX+1

脚・・・ウルフボトム AGI+1

足・・・ウルフブーツ AGI+2 消音効果アップ

背・・・ブラックウルフマント DEX+3 AGI+3 隠密効果アップ 耐寒 耐熱

装飾品・・・レンジャーリング DEX+1 AGI+1

<<所持金>>

35,400G


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