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50代で始めるVRMMO。~初めての幻想世界Online~  作者: 森もりおん
第一章 グローリア大陸編
20/43

プレイ8日目 後半

 今は大体1/3程進んだ所だろうか、かなり時間が掛かっているがしょうがないだろう。距離としては直線距離でも現地人の足で20時間程掛かる計算になる。そこにモンスターの戦闘があったり、警戒しながらゆっくり進むのだからリアル時間でもかなり掛かるだろう。


 まずは南東を目指しつつ、川を探す必要がある。川さえ見付かれば後は川に沿って南下して行けばオーラル大森林を抜けてテーヌ草原へと出る。そこまで行けば王都は目と鼻の先だ。


 オーラル大森林も進むにつれて様相が変わって来ている。ニッケン平野から入った頃は比較的低い木が多く、日の光が差し込んでいたが、進むにつれて木々が生い茂り、光も殆ど差し込まなくなってきている。この事から森の中心へ近付いている事が分かる。森の中心に近付くという事はオーラル川にも近付いているという事だ。この川は中央から西よりに流れており、完全に中心に入るよりも手前で合流出来るはずだ。

 この辺りになるとモンスターのLvも20台に入っており、一瞬たりとも油断出来ない。感触としては倒せると思うのだが、出来るだけ死亡のリスクは下げるべきだろう。


 道中のモンスターをひたすら避けている為<ステルス>もLv.3まで上がり、感知系スキルも軒並み上昇している。いいスキル上げになるが心臓に悪い。


 ついでに採取できそうな物はしっかりと確保してある。主な戦利品を紹介しておこう。


・猛毒茸・・・非常に強い毒性を持つ。人間が食べると死の危険性がある。

・マジックマッシュルーム・・・幻覚作用を持つ茸。中毒性もある。

・上薬草・・・ハイポーションの原料の一つ。

・魔力草・・・MPポーションの原料の一つ。

・ネムリタケ・・・薬の素材になる。睡眠作用がある。

・満月草・・・MPポーションの原料の一つ。


 その他にもニレの木やオークウッド等の木材やフルーツ等の食材も多数確保出来た。中でもMPポーションの材料が手に入ったのは大きな成果だろう。折角の機会なので積極的に採取しておいた。そのお陰で<採取>もかなりLvが上がっている。


 木々の間を縫うように進んでいると、段々と木々が少なくなり、視界が明るくなってきた。<遠見>で確認するとすこし先に河原のように石がゴロゴロしている場所が見える、多分このまま進むと直ぐにオーラル川に辿り着くだろう。


 辿り着いた川は幅が200m位だろうか、深さは分からないが渡るのは大変そうな印象である。河原から見える範囲にモンスターは確認出来ないが、水中にいくつか反応がある事から、モンスターは確実にいると考えていいだろう。

 感知系を持っていない人が知らずに入れば大変な目に合うのではないだろうか。そんな事を考えながら、取り合えずその場で食事でも取ろうと思い付いた。

目の前の川を見ている内にどうせなら魚が食べたいなと思い、勢いで釣り竿を作ってしまった。木を削って糸と針を付けたシンプルな作りなのでスキル補正なしで釣れるかどうか分からないがたまにはのんびりしてもいいかと、釣り糸を垂らしてみる。


「まぁ、そんな上手い事いかないか」


 結局何も釣る事は出来ず、若干落ち込みながら作っておいた弁当を食べる事にした。魚が釣れれば焼いて食べてみたかったのだが、釣れない物はしょうがない。


 弁当を食べ終わって河原を南下して行くと<気配察知>に不思議な反応が引っ掛かった。発する気配は人のものだがそれがひどく弱っているような印象を受ける。取り合えず確認の為に、<遠見>で確認すると人のようだった。念の為<ステルス>を発動して近くまで行くと、大怪我をしたエルフ族だった。


「大丈夫ですか!?すぐにポーションを!」


「はっ、はっ・・・はぁ。こ、この・・・、王都の・・・」


 危ないと判断した私は急いでストレージからポーションを出し、エルフ族の男性に振り掛ける。効果は若干落ちるが振り掛けても効果が出る。よく見ると、片足が無かったが、ポーションによって一命は取り留めたようだ。私が作ったポーションには部位欠損を治すほどの効果はないので足は治らなかった。

 エルフの男性はしばらくしてやっと意識を取り戻した。かなり慌てて混乱しているので落ち着かせるのに苦労したが、なんとか話が出来る状態になった。


「助けて頂き感謝する、旅のエルフよ。私はドルテムと言う」


「とんでもない、こんな場所であんな状態だったので驚きましたが、怪我をしている人を助けるのは当然の事です、足は治せませんでしたが・・・」


 ドルテムと名乗った男は首を振って答える。


「何を言う、命があっただけでありがたいというものだ。これならば使命を果たす事が出来る」


「もし差し支えなければその使命とやらをお伺いしても?」


 ドルテムは顎に手をあて考える素振りを見せる。よく分からないが何か重要な使命なのかもしれない。


「あなたは同族のようですし、差し支えないでしょう。実はこの森の中心にあるエルフの里で樹化病が発生したのです」


 ドルテムが言うには樹化病とは極稀に発祥するエルフ特有の病気で身体が徐々に木に変わってしまう奇病だそうだ。治療しなければ全身が木になり、その枝に花を咲かせる、そしてその花の花粉を吸った者に伝染する恐ろしい病気らしい。しかし、完全に木になるには一月程掛かり、薬さえ飲めば確実に治るらしく。最近では発生する事もなくなっていたそうだ。

 その樹化病が発生した為、里から王都に居る高名なエルフの錬金術師に薬を作って貰おうとドルテムが手紙を持って里を出たらしい。

 しかし、途中で凶暴なモンスターに囲まれ、苦渋の決断で川を渡って逃げたが、あのような大怪我を負って、動けなくなっていたのだという。


「どうか私の変わりに王都へ行って手紙を届けて頂けないでしょうか。このままでは里が大変な事になってしまうのです」


 多分、これは種族クエストである<エルフの里へ>のフラグの一つだろう、そうであれば断る理由はない。勿論そんな理由がなくてもちゃんと届けていただろう。


「任せて下さい、この手紙を王都の錬金術師に渡せばいいのですね。出来るだけ急いで王都へ向かいます。あなたはどうするのですか?」


「すでに精霊を使って里へ連絡を送ってあります。ですのでここに置いて行って下さって問題ありません。一刻も早く手紙をお願いします」


 精霊という部分がかなり気になるが、今はまず手紙を届けて里を救う事を優先するべきだろう。そう判断して残りの距離を一気に進む事に決めた。


 ドルテムをその場に残し、出発してから時刻を確認するとリアルで21時を回った所だった、何事もなければ日付が変わる頃には森を抜けてテーヌ草原へ出られるだろう。多少寝るのが遅くなるくらいは気にせずに、兎に角急いで向かう。森の外側に近付けば襲って来るモンスターも少ないはずなのでスキルの出し惜しみをする必要もない、兎に角走った。


 王都に付いた時には0時を回っており、ゲーム内時間では朝方だった。門番に錬金術ギルドの場所を聞き、真っ直ぐに向かう。そして入り口でエルフの男性の名前を伝え呼び出して貰う。その男性は錬金術ギルドのギルド長だったようで、直ぐに部屋へと案内して貰えた。

 私は簡潔に内容を伝え、ドルテムの手紙を渡す。私もひたすら走って来た影響で殆ど体力が残っておらず、ギルド長が受け取った時点で眠るように倒れてしまった。


お読みいただきありがとうございます。


ハント

弓術士Lv.13

HP220/220

MP80/80

STR13(+5)

VIT13(+5)

DEX29+9(+8)

AGI29+9(+8)

INT13(+5)

MND13(+5)

LUK15(+5)

ステータスポイント:0

スキルポイント:5

冒険者ギルドランクE:18/30

<<スキル>>

<中級弓術>Lv.1<遠距離攻撃力上昇>Lv.8<身体強化>Lv.3<鍛冶>Lv.6<木工>Lv.9<錬金術>Lv.7<料理>Lv.4<鷹の目>Lv.7<夜目>Lv.7<遠見>Lv.5<ステルス>Lv.3 <ステータス鑑定>Lv.6<アイテム鑑定>Lv.6<気配察知>Lv.8<魔力感知>Lv.5<熱源感知>Lv.5<採取>Lv.7 <採掘>Lv.3<ダッシュ>LV.6<跳躍>Lv.5<不意打ち>Lv.5

<<称号>>

『孤軍奮闘』『弓の名手』

<<装備>>

武器・・・初心者の短剣・樫のショートボウ DEX+1

頭・・・なし

胴・・・ウルフベスト DEX+3 AGI+2 命中率アップ

手・・・ウルフグローブ DEX+1

脚・・・ウルフボトム AGI+1

足・・・ウルフブーツ AGI+2 消音効果アップ

背・・・ブラックウルフマント DEX+3 AGI+3 隠密効果アップ 耐寒 耐熱

装飾品・・・レンジャーリング DEX+1 AGI+1

<<所持金>>

36,250G


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