プレイ6日目 バージョンアップ
<<バージョンアップが行われました。詳細は公式ホームページをご覧下さい。>>
ログインするとすぐにメッセージが表示された。実はログインする前に公式ホームページと掲示板はチェック済みである。
私が気になっていたテントは道具屋に2,000Gで売ってあるそうだ。少々お高いが、宿屋が1泊300Gである事を考えれば良心的とも言えるだろう。実際に使用したプレイヤーによると、テントはストレージに保管されており、アイテムを使うと目の前に出現するそうだ。中は寝袋がセットされており、ちゃんとログアウト出来るそうだ。そしてログインするとテントの中で目覚めるらしい。注意点はテントの外にいきなりモンスターが居て、襲われる可能性があるのでテントを置く位置は考えた方がいいらしい。
次に空腹度だが、これは行動により多少の上下はあるが基本的にリアル時間で一定の間隔で徐々に空腹になり、空腹度がMAXになると移動速度の低下や攻撃力の低下等のペナルティがあるらしい。
これに伴って料理に空腹度が追加され、プレイヤーも食事が必要になった。料理を入手する方法は複数あるがプレイヤーメイドの方が効果が高く、ステータス補正が付く物もあるらしい。
スキルの調整や不具合の調整も入っているが今回は私には直接関係していなかった。掲示板では調整されて弱体したプレイヤーが一部騒いでいるようだが、なるようにしかならないので諦めるしかないだろう。
ちなみにリアルでは土曜日で、更に闘技大会の受付が始まっているという事で朝から街中にはプレイヤーが溢れていた。
「これは商機だな・・・」
まずはテントを道具屋で購入して、錬金術ギルドで薬品を補充してから料理ギルドへ向かう。今まで料理スキルは使った事がないが道具はあるし、材料もラビットの肉やウルフの肉が大量にあるので問題ないだろう。残念ながらお米は売っていないので食パンを大量に買い込み、サンドイッチを作る事にした。
「取り合えず手持ちの材料で試してみるか・・・」
まずはラビットの肉を塩コショウで味付けし、焼く。パンにバターを塗って焼いたラビットの肉を乗せる、更に薬草を添えて挟む。折角なので弁当箱に入るように切って詰める。オマケで箸を付けて、これで完成だ。
・ラビット肉のサンドイッチ箱・・・木の弁当箱に入っており持ち運びも便利。オマケで箸が付いてくる。満腹度+70% HP回復+10
「初めてにしてはまぁまぁか、野菜の代わりに薬草を挟んだのは正解だったかもしれないな」
思ったよりいい感じに出来たので残りは『簡易作成』でパパっと作ってしまう。サンドイッチを作っては切って詰めて、切って詰めて。ウルフの肉も同じように処理をする。自分の分を30食分確保してストレージに収納する。
販売用は取り合えず50食分作ってみた。これで一旦様子を見て売れるようなら追加すればいい、幸い弁当箱も箸も材料はあるし肉もまだまだある。
露店に並べるとすぐに客が寄って来た。
「すいません、そのお弁当見せて貰ってもいいですか?」
「ええ、どうぞ。1つ150Gです。箱の方は自分で作った料理を詰めるのにも使えますよ」
一般的な1食分が50Gなのを考えると少々割高かもしれないがバージョンアップ初日であり、弁当箱と箸が付いているのでこれくらいが妥当だろう。ちょっとだけだがHP回復効果もついてるしね。
「良さそうですね、1つ下さい。これはあなたが作ったんですよね?いつもこの辺りでお店やってるんですか?」
「はい、そうですよ。お買い上げありがとう御座います。ただ、今日には次の街に行く予定なのでここでお店を出せるかは分からないですね」
「そうなんですね、じゃあお弁当9個追加してもいいですか?」
お弁当は好評のようですぐに完売した。みんな何個か纏めて購入して行った。ついでに自分の分も売ってしまったので後でまた作らないといけない。今回は薬と合わせて1万G以上売れたので商売としては大成功だった。ついでに調理器具のセットもいくつか売れた。
今日が稼ぎ時と見て、更に商品を補充に向かう。今日には街を出る予定なので出来るだけ資金は稼いでおきたい。
「よし、そうと決まれば早速行動開始だ」
いつものように錬金術ギルドでポーションを合成する。ついでに薬草のストックが切れたのでサンドイッチの分も含めて購入する。
その次は木工ギルドで弁当箱と箸を量産。さらに鍛冶ギルドでも調理器具を数セット準備する。
料理ギルドでサンドイッチを大量に作って露店に出品する。色々やっていると結構時間が掛かったがスキルLvも順調に上がり、さらにお金も貯まっていい事ばかりである。ストレージの素材も粗方使い切ったのでアイテムもすっきりした。
おかげ様で補充した弁当も飛ぶように売れて一気に大金を手にする事が出来た。時計を見るとお昼に丁度いい時間だったので一旦ログアウトしリアルの空腹度を回復させる事にした。
昼食を食べながら掲示板を確認すると闘技大会の予選が12時から始まったらしく、盛り上がっているようだった。他にはこれといった情報もなく、昼食中はずっと闘技大会の実況を見ていた。
「さーてと、そろそろ出発しますか」
お昼前にお弁当も30食分準備し、念の為に各種薬品も揃えてある。テントも買ったし、防具も揃った。矢も十分な数を持っている。これで忘れ物はないはずだ。
行程としては隣の街であるニッケンシティまでは街道を東へ真っ直ぐ歩いて、ゲーム内時間で6時間程掛かる。始まりの街アリアシティの周囲のグリーン草原が半径10km程、南に下ると海がある。北と西には高い山々が聳え立ち、進む事は出来ない。グリーン草原の東から北に掛けてグリーン森林が広がり、森を東へ抜けるとニッケン平野が見えてくる。ニッケン平野を更に東へ2時間歩いてやっとニッケンシティへと到着する。ニッケン平野の北側には今回の目的地の一つであるニッケン鉱山が存在する。
街道は整備されており、現地の人達も頻繁に利用している。私も今回は街道を使って移動する予定だ。折角なら現地の人が通る道をゆっくり歩いて、のんびり旅をしたい。
「いい天気だな。太陽は地球と一緒なのかな、なんだかポカポカして心が落ち着く気がする」
いい天気なので途中の木陰で休憩してサンドイッチを食べていると、通りかかりの商人らしきNPCに話し掛けられた。
「おや、あなたは冒険者さんですか?その食べてる物を見せて貰ってもよろしいですか?」
商人さんは始まりの街へ行商へ行く途中だったようで、珍しい箱と食べ物だったので気になったそうだ。折角なのでと1つ渡すと喜んで食べてくれた。
「ふむふむ、今始まりの街では冒険者さんへ向けた食べ物が売れ筋ですか・・・」
ついでに世間話をしながらいくつか情報も教えて上げた。
「ありがとう御座います。非常にいい情報を聞けました。そういえばあなたは騎獣はお持ちではないのですか?」
<<チュートリアルクエスト『はじめての騎獣』が発生しました!>>
「騎獣は私達のような行商人や冒険者さんは大体持っておられますよ。移動も早いですし、特殊なものになると戦闘も可能ですからね、冒険者さんには非常に人気がありますよ。王都に騎獣を扱う店があるので機会があれば覗いて見るといいかもしれませんね」
非常に高いですがね、と行商人のおじさんが教えてくれた。予想外の展開になったが、もしかしたら今日実装されたクエストかもしれない。一応後で掲示板に情報を上げておこう。
それにしても王都で騎獣か。また気になるワードが増えたな。やっぱり狩人としてはパートナーは必要だよな。
「ありがとうございます。機会があれば寄って見ます。まずはニッケンシティへ行く予定ですので」
「そうでしたか、それではいい話をありがとうございました。いい旅を」
「こちらこそ。いい商売を」
行商人と挨拶を交わして再びニッケンシティへと向けて歩き出した。
お読み頂きありがとうございます。
Gの増減が曖昧なのはご了承下さい。今後のことも考えると毎回正確に計算するのは難しく、ある程度大雑把に計算して大きくずれない様にはします。
ハント
弓術士Lv.10
HP190/190
MP65/65
STR10(+5)
VIT10(+5)
DEX23+9(+5)
AGI23+9(+5)
INT10(+5)
MND10(+5)
LUK12(+5)
ステータスポイント:0
スキルポイント:6
冒険者ギルドランクE:14/30
<<スキル>>
<弓術>Lv.8<遠距離攻撃力上昇>Lv.6<身体強化>Lv.2<鍛冶>Lv.5<木工>Lv.7<錬金術>Lv.7<料理>Lv.4<鷹の目>Lv.5<夜目>Lv.4<遠見>Lv.2<隠密>Lv.5<魔力遮断>Lv.2<ステータス鑑定>Lv.4<アイテム鑑定>Lv.5<気配察知>Lv.6<魔力感知>Lv.3<熱源感知>Lv.3<採取>Lv.4<ダッシュ>LV.4<跳躍>Lv.3<不意打ち>Lv.3<消音>Lv.2
<<称号>>
『孤軍奮闘』
<<装備>>
武器・・・初心者の短剣・樫のショートボウ DEX+1
頭・・・なし
胴・・・ウルフベスト DEX+3 AGI+2 命中率アップ
手・・・ウルフグローブ DEX+1
脚・・・ウルフボトム AGI+1
足・・・ウルフブーツ AGI+2 消音効果アップ
背・・・ブラックウルフマント DEX+3 AGI+3 隠密効果アップ 耐寒 耐熱
装飾品・・・レンジャーリング DEX+1 AGI+1
<<所持金>>
37,180G