紹介3
なんとか重たい空気は脱した。
「それで悠二、亜紀さんとどこで出会ったんだ?」
彰陽が聞いてきた。
僕は説明した。
一昨日の雨の日の呑み会の帰りに、アパートの近くで倒れていた亜紀さんを
見つけ僕は救急車を呼ぼうとしたが亜紀さんに呼ばないで欲しいと言われ
そのまま放置するのもいけないと思って家に連れて帰り、事情を聞いたら
住む場所と働く場所がなく困っているらしく僕の家に居候してはと提案したら
その提案に賛成したので一昨日の夜から僕の家で居候することになったと。
少し嘘も入れながら説明をした。
すると亜紀さんが何か言いたげな顔で僕の方を見ていた。
僕はみんなに見えないように亜紀さんにシーっとジェスチャーをした。
「いいなー亜紀ちゃん!藤倉くんと一緒に住むなんて」
「私も少し羨ましいと思うぞ」
駒井先輩と橘部長は茶化してくる。
亜紀さんは少し頬を赤らめている。
「そう言えば悠二!
俺に用があるって言ってたけど
それってなに?」
ナイス彰陽!
僕はそう思った。
「実は亜紀さんをここで雇って欲しんだ」
僕は何気ない感じでそう言った。
亜紀さんは驚いていたがすぐにノートに書き始める。
彰陽も駒井先輩も橘部長も驚いていた。
「私そんなこと何も聞いてないです」
亜紀さんは恐る恐る見せてきた
「すいません亜紀さん。勝手に決めてしまって」
「亜紀さんって料理作れる?」
「梓ちゃんは料理できないよね」
「それを言うなら理沙だって出来ないだろ」
彰陽達がようやく口を開く。
「亜紀さんの料理うまいよ」
僕は彰陽の質問に答える。
亜紀さんはまだ少し困惑している。
僕は亜紀さんが働くなら彰陽の店で働く方がいいと勝手な判断をした。
「ならさっそくで悪いけど今日の夜からよろしく」
彰陽は笑顔で答えた。
「私も手伝う!!」
駒井先輩はやる気満々に言った。
「もちろん私も手伝うぞ」
橘部長もやる気満々だ。
みんなのやる気に押され
亜紀さんは半ば強引に今日の夜から彰陽の店で働くことになった。
結構僕の計算どうりだったりするけど。