再会のような出会い4
読んで頂けたら光栄ですm(__)m
「名前と歳を聞いてもいいですか?」
女の人はノートに書いて僕に見せた
「望月 亜紀です
今年で23歳になります」
ノートに綺麗な字でそう書いてあった。
まるで合コンの時のよう質問だ
我ながらそう思うってしまう。
やっぱり亜美ではないんだよな
僕は少し寂しくなる。
「僕は藤倉 悠二といいます」
「助けていただいてありがとうございます」
亜紀さんはノートにそう書いて僕に見せ
頭を下げた。
「亜紀さん頭を上げてください」
亜紀さんは頭を上げ
申し訳なさそうな顔をしている。
「あんな雨の中なんでゴミ捨て場なんかにいたんですか?
言いたくなかったら言わなくていいんで」
亜紀さんは少し考えてからノートに書いて僕に見せてきた
「藤倉さんすいません」
僕は少し考える
わかっているのは名前と年齢と
喋れないと言うことだけだ。
これからどうしよう
考えていると亜紀さんがテーブルをコンコンと叩いた
僕は亜紀さんの方を見てみると
「藤倉さんにお願いがあるんですけど」
とノートに書いてあった。
「どうしたんですか?」
「藤倉さんがご迷惑でなければ
少しの間ここでお世話になってもいいですか?」
僕はその文字を見て少し驚いた
亜紀さんはどう言うつもりなんだろう
さっき会ったばかりの人を信用しているのか
僕は亜紀さんを試してみることにした。
「ここに住むってことがどう言う意味かわかっている?
見たところお金持っているようにも見えないし働けそうにも見えない
ここで住むってことは家賃払ってもらうよ?」
僕は少しきつめに言った。
少し時間が経ってから
亜紀さんはノートを見せてくれた。
「私はお金もないですし働けません。私は何も出来ない人間です
何も出来ない人間でも一つだけできることがあります
藤倉さんさえよければ私の体で勘弁してもらえないですか?」
亜紀さんは笑顔でいた。
僕はそのやせ我慢にも似た笑顔を見て
亜美を見ているような気分になってしまった。
「嘘ですよ。なんでそんな寂しいこと言わないで」
考えるより先に言葉が出ていた。
亜紀さんは僕の顔を見て固まった
当たり前かきついこと言われた相手に
いきなり優しい言葉かけられたら僕だって固まってしまう。
「あと悠二でいいよ」
僕は愛想笑いで亜紀さんに言った。
亜紀さんはしばらく固まっていた。
しばらくして亜紀さんはノートに書きだした。
「私がんばって働く所探します
だから悠二さん私をここに住まわしてください」
「いいですよ」
僕は愛想笑いで答えた。
この雨の日に僕は再会のような出会いをした。
亜美に似た、亜紀と言う喋ることの出来ない人に。
読んで頂きありがとうございますm(__)m