キャバ嬢vs中年男
「カレンでぇーす!ううん、違った!
そうです、私がトシ子です!」
それじゃ、変なオジサンだよ・・・悪かったよ。
心の中で『トッシートッシー』言ってたら、
つい出ちゃったんだ。
それにしても、相変わらずのマシンガントーク。
よくこんだけ喋れるよな。どうなってんだ?
コイツ?
いや、このぐらいじゃないと勤まらない仕事なのか
も!?・・・そ、そうなのか!?
いずれにしても、前回と全く同じ展開だな。
まるで巻き戻したみたいだぞ!?デジャヴ!?
「じゃあ、今から10分間だけ質問タイムですよ!
カレンに聞きたいことがあったら、なーんでも
聞いちゃってください!じゃあ、涼さん!どうぞ!」
マジか!?なんでオイラ!?ヤ、ヤベっ、
なんも思いつかねー!
別にないです、なあんて言ったら野暮だよな。
う〜ん・・・取り敢えず こんな感じでいいか!?
涼
「え、ええと、カレンさんは彼氏とかいらっしゃるんですか?」
カレン
「すみません、プライベートな話はNGで」
おまえが聞け!って言ったクセに!
カレン
「なんちゃってぇー!実は子供が二人!」
涼
「ええーっ!?」
カレン
「やだあ、涼さん、冗談ですよぉ!
『ねぇ、モッチー(担当者)!涼さんったら、
冗談が通じないんですけどぉ!?』」
急に小声で喋り始める。
全部聞こえちゃってるんですけど!?
担当者
「うぴょぴょぴょぴょ」
ヒ、ヒヨコ!?だ、大丈夫か!?・・・
だいたい、モッチーって、アンタ・・・
かなりのオッサンだぞ!?別にいいけどさ。
それにしても、コイツ、いくつだっけ?
確か・・・そうだ!22って言ってたな。
う〜ん、怪しいな。二つ三つ、いや、
五つくらいサバよんでてもおかしくねーかも!?
カレン
「ああ、そうそう!ねえ、涼さん。
なんで絵文字とか使わないの?涼さんの
メール、サッパリし過ぎなんですけどもぉ!?」
ですけどもぉ?って・・・
最近の若いやつらは『も』って入れるのか!?
聞いたことねーぞ!?ま、まあ、いいや。
よ、ようし、
ここらでいっちょボケてみますか!?
涼
「じ、実は僕の携帯・・・絵文字機能が付いてないんです」
カレン
「ええーっ?マジっ!?・・なんかすいません。
アタシったら変なこと聞いちゃったりして・・・」
おまえだって通じないじゃんか!?
折角、ボケたのに・・・よ、よー、モッチー!
アンタもなんで黙ってる?
オイラの時もバカ笑いしろよ!
何、澄ました顔してレンズ(メガネ)拭いてんだよ?
ク、クソっ!
涼
「い、いえ・・あ、あの・・冗談です・・・
す、すみませんです・・・」
カレン
「マジ、ビックリなんですけどもぉ!?」
だから、流行ってんのか!?って
カレン
「ねーねー、涼さんがドMで私がドSだから
私達、アッチの相性いいかもね!?」
な、なんだ?いきなり?
なんでまたその話になるんだよ?強引だな!?
だいたい、オイラはSだっつうの!
なんで、Mだと思ってんだよ?
しかも、ドMって・・・
オイラがSでおまえもS!?
二人ともSでどうする?
相性は最悪だよ!
S同士じゃ、すぐにケンカになるぞ!?
ご主人様と女王様のプレイ、ってどんなだよ?
「さっさと服をお脱ぎ!豚野郎!」
「いや、君が脱ぐんだ!いやらしいメス豚の君がね!」
「ふふふ、ご褒美が欲しいんだろ!?」
「君こそ、お仕置きが必要だね!」
「ロウソクで炙ってやろうか!?焼豚みたいにさ」
「君は縄で縛られて吊るされるんだよ!燻製のようにね♪」
ダ、ダメだ!やっぱ噛み合わない。
「ギュ〜ウゥ〜ン、グルグルグルゥ〜!」
な、なんだ!?急に腹が痛くなってきた!?
な、なんだ?ど、どうしたんだ?
涼
「あ、あの・・すみません、ちょっとトイレに!」
カレン
「はぁ〜い!カレンがご案内しまぁ〜す!」
涼
「へっ!?・・い、いえ、一人で大丈夫です!」
カレン
「イヤ!涼さんと離れるなんて、
カレン淋しくて泣いちゃうかも!?」
なに言ってんだ?コイツ?
担当者
「僕も淋しい、カレンちゃん!」
カレン
「モッチーも一緒に行きたい!?」
担当者
「うん、行きたい!」
カレン
「じゃあ、三人で行こうよ!
レッツ・ステップ・ジャングル!」
なん〜だ?それ?
マ、マジか!?コイツら!?三人で行ってどうする!?オイラ、腹ピーピーだぞ!?ア、アホ過ぎるよ!
カレン
「うふふ、そうだ!ねぇねぇ、ジェンカで
行こうか!?ねっ!?そうしよっ!決まり!
やだあ、めっちゃカワイイんですけどもぉ!?」
どこがだよ!?
何がジェンカだ!?バカヤロウ!
飛んだり、跳ねたり、戻ったり、
なかなか進まねーじゃねーか!?
こっちにそんな余裕あるか!どアホ!
普通にだって歩ける気がしねーってのに
たぶん、最初の一歩でアウトだよ!?
ヤ、ヤバい!めちゃくちゃ痛くなってきた!
こ、こりゃあ、トイレまでなんて、とてももたんぞ!?
い、一歩も動けないかも!?
「ギュルギュルギュルギュルギュルルルル!」
な・・なな・・なんじゃ、こりゃあ~!?
涼
「あ、あの・・ホ、ホントにトイレに行かないと・・・」
カレン
「送りたい!送りたい!送りたぁーい!
送り狼、子連れ狼!」
担当者
「うぴょぴょっぴょ〜!」
ちょ、ちょっと・・・
漏れちゃったんですけどもぉ!?