島に無事着陸
高校を卒業してから一か月経っただろうか。
私は昨日卒業したように思える。それだけ時の流れが早く感じていたのだろう。
「大波海南」。あの時担任の先生に自分の名前を呼ばれたときには自分がやりたい事がやっとできるんだと実感がわいたものだ。
そのやりたい事なのだが、私は小さいころから島を発展させてみたいなー。と思っていたのだ。だから今から自分の知らない島に行って島ライフを満喫しながらも島を発展させようという作戦だ。
「おーい! もう島に着くぞー!」
船はゆっくり止まり島に着いた。
船から降りて島に無事着陸。
「貴方ですね、島発展のためにわざわざ面倒なほど遠いこの島に来たおバK……じゃなかった。親切な大波さんですね?」
前を向くとショートカットの20代後半くらいの綺麗の女の人が立っていた。
ていうかなんか今失礼なこと言いそうになったなかった? まあ、良いか。気にしても仕方ないよね。
「申し遅れました。私この島の超優秀の事務専門、本中曲気と申します。分からない事があったら私に聞いてください」
ナルシストなのか上司にそう言われているのか分からないけど超優秀はやめた方がいいと思う。
「あの私の家は?」
「大波さんの家は此処から真っすぐ行って右に曲がると見える20回建てのマンションです(それくらい調べとけやぁぁぁ!)」
一瞬迷惑そうな顔したけど気のせいだよね。うんそうだ。
「じゃあ、早速行ってきますね」
「はい。行ってらっしゃい!!」
たしか、此処を真っすぐ行って右だっけ?
島には見たことも無い植物とかが有りいかにも田舎って感じの所だ。だが、雰囲気はとても良い。此処周辺には人の姿は無いが声は聞こえてくる。東方向から聞こえてくるからそっち側はとても賑わっているのだろう。部屋を見て時間があったら見て回ろうかな。
右を曲がると立ったばかりっぽい綺麗なマンションがあった。白い塗装がしてありそこにこのマンションの情報が書いてあった。これは家を決めるときに見た写真と一緒だ。ここで間違いなさそうだ。では早速入ろう。
ドアノブに手をかけ開ける。と同時に飛び出す、
――――洗濯機?
「うにゃぁぁぁ!? ってなんで洗濯機?」
突然の事にパニックにおちいる。
「親父は黙ってろ!」
次は男の人の声が聞こえてきたと同時に扇風機。
「ワシは許さん!」
さらにおじいさんの声とともに巨大クマの木彫り。
此処は勇気を出して入るか? ていうか入るしか無いよね。
私は勇気を出し思いっきりドアを開け中に入った。
そして白いものに塞がれる視界。
そのまま、意識を失った。