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よく分かんない作品集

マグニの肖像2

作者: 七宝
掲載日:2026/02/15

『イヌ⋯⋯イヌですよ⋯⋯』


 誰かの声で目を覚ますと、枕が真っ二つに割れていた。中には緑色のヌチョヌチョしたパリパリがパンパンに入っており、「これが流行りのドバイチョコというやつかね」と思おうとした瞬間口内に激痛が走り、それと同時に俺の舌が勝手に「コーヒー」と叫んで根元からブチッとちぎれてどこかへ飛んでいった。


 俺は「まあいいや」と思いながら舌のなくなった口でビッグマック45個を平らげ、お供のコークを取るために冷蔵庫を開けた。

 すると、中から叔母が出てきた。それはいつもの叔母ではなく、俺が小学33年生だった頃の、つまり今から15年後くらいのツヤッツヤでムッキムキの頃の叔母(もちろん三面六臂のソフトモヒカン)で、「牛乳が切れておるぞよ、買ってこいぞよ」とか言いやがるので「牛乳れすか?」と言うと、早送り(5段階中の5)で泣き始めて11秒で干からびて乾燥ひじきみたいになったので、大きな桃に入れて川へ流しておいた(風の噂で桃太郎とかいう変な名前の少年が拾ってドライフルーツにしたと聞いたので、乾燥叔母ひじきは乾燥乾燥叔母ひじきになっていることと存じます)。


 マグニが笑った。


 首をぐぃ〜〜〜〜〜〜〜〜んと210°だけ曲げて、「モッヒッヒ」と笑った。


 彼の触れたドアノブは、自分がまだ死んでいないことを必死に訴えるように、ドクン、ドクン、とゆっくり脈を打っていた。


 マグニには顔が無い。顔が無いのに、こちらを見ている。男と分かる。


 ――ちんちんが、こちらを向いているのだ。


 天井いっぱいに取り付けられた蛍光灯が一斉に動き出した。風呂場だ。皆、風呂へ向かっているのだ。

 目的地に到着した蛍光灯たちは片方を天井に固定してぶら下がる。体はブヨブヨ揺れていて、口からは半個体状の白いものがヌポーンと落ちていく。それはやがて風呂に溜まり、白い湯船を形成する。


 その頃俺はリビングで筋トレをしていた。鼻の穴を膨らませては戻し、膨らませては戻す。こうすることで鼻側筋(びそくきん)が肥大化し、某マリオに出てくる某ワリオのように某俺はなれるのだ。


 ピクピク


 フンフン


 ピクピク


 フンフン


 ピクピク


 フンフン


「左様」


 テレビがついていないのに勝手にサザエさんが始まり、波平が映し出される。俺は慌ててチャンネルを変えた。


「世界がこのように暗いのは〜〜が〜〜で〜〜フンフンパカパカ」


 マグニが映し出された。


「つながろう」


 そう言うとマグニはこちらを指さした。次の瞬間、その手が画面から出てきて俺のスマホを奪った。即座にTwitter(現X)を開き、『マグニ、イケメンすぎwww』と自画自賛のポストを連投。フォロワー0の俺のアカウントでやっているのにもかかわらず、わずか10秒で-57のいいねがついた。なんだマイナスいいねって。


 スマホをとられてやることがなくなった俺は服を脱いで風呂場へ向かった。ツンとした、すえたような臭いが鼻をつく。風呂のドアを開けると、臭いがさらに強くなる。


「もひもひ」


 舌っ足らずどころか舌0の滑舌でなんとか警察に事情を伝え、家に来てもらったところ「臭いので無理です」と帰られた。舌っ足らずどころか舌0なせいで事情が伝わっていなかったのだろうか。分かってないならそう言ってくれよな。


 仕方がないので自分で浴槽のフタを開けてみる。いや、よく考えたらなんだこれ? うちの浴槽のフタはこんなじゃないはずだ。こんな蛍光灯が連なったみたいなフタじゃ⋯⋯


 俺は「まあいいか」と思いながらビッグマック45個を平らげ、風呂のフタを開けた。そう、俺は何かを開ける度に「まあいいか」と思いながらビッグマックを45個食べなければ死ぬ病なのだ。最初は両目を3秒間閉じるだけだった。それがどんどんエスカレートしてこうなってしまったのだ。強迫性障害は恐ろしい。でも、俺のかーちゃんの方がもっと恐ろしい。ミルクティーにツナ缶入れて飲んでるんだぜ?


 浴槽はマヨネーズで満たされていた。それも普通のものではなく、回転寿司なんかで出てくるカニサラダ軍艦に使われているような、普通のものより白っぽくて甘い、あのマヨネーズだ。


 俺はポッケ(お腹の)から唐揚げを取り出して、風呂にディップした。


 カジュリ


 揚げたての唐揚げは飯テロすぎる音を立てて油を滴らせた。


 とはいえ、これに続く言葉が「美味しい」だとは限らない。あくまでこれらの文章は揚げたてであることと、音がするほどカリサク食感であることと、ジューシーであることを示しているに過ぎない。肝心の味がうんこザリガニ飴シッコ麹だったらお世辞にも美味いとはいえないだろう。そういうことだ!!!!!!!!!


 あ、ちょっと待って。


 森の鳴き声が聞こえる⋯⋯


「ふえぇ⋯⋯」


 アニメに出てくる幼女?


「ふえぇ。」


 嘘泣きか⋯⋯?


「Amazonの段ボールに変身して配送待ちになっている兄がいます。どうか、どうか⋯⋯」


 その時だった。またテレビにマグニが映ったのだ。


 けど、俺は今風呂場にいるので音しか聞こえない。映ったって言ってるけど、ナレーションだけかもしれない。けど、マグニがナレーションなんてするわけないので普通にまた世界征服の特番とかやってんだろねって思ったらお尻触られました! 後ろにマグニがいます!


「ん」


 マグニが差し出した手には、ちぎれた舌が乗っていた。俺の舌、探してくれたのか⋯⋯


「つけな」


 俺は無言で頷き、舌を口に入れた。


「礼ぐらい言えよ」


 ほんとだ、と思った。そして、礼を言おうと口を開いた。その時だった。


「悪いな、このゲームは3人用なんだ」


 舌が勝手に喋ったのだ。これは俺の舌じゃない。どっかの誰かのを勝手にちぎってきて俺に渡したんだ。マグニめ、汚いことをしやがって。


「ヴ」


 マグニは嬉しそうにしている。「ヴ」って言う時はだいたいそうだし、そもそもちんちん見れば分かる。ちんちんが笑ってんだ。


 ここで視聴者からの質問コーナーだ。読んでいくぞ。


「部活の後輩にキモいって言われました」


 いきなり質問じゃないやつ来た。報告? ひどい後輩だね。この人に電話してみよう。


「もしもし」


「もしもし、まさかお電話いただけるとは!」


「さっそくだけど、なんで3人乗りなんだキモいって言わ悪いなのび太れたの?」


「お⋯⋯」


「お?」


「オニヤンマ」


「なるほど」


 電話をやめてトイレに行くと、コウモリが俺を睨んでいた。


「何このパフォーマンス⋯⋯」


 そう言ってコウモリは1.3倍くらいの大きさになって、自分でドアを開けて出ていった。


 俺、笑いすぎて腹筋崩壊。


 マグニは「ギュッ!」と叫びながら家の中で立ちション。


 コウモリは「1たす1は水曜日!」と怒られる夢を見てショック死。


 しげるはグミが硬すぎてクレーム入れたら電話越しに殴られて鼻を骨折、翌日死亡。


 グミはしげるが硬すぎて代わりに三色団子を食べるも、ミっちゃんは流れ星が見えなくてオチャン⋯⋯ファルコンパーンチ!( ∩'-' )=͟͟͞͞⊃


 エサぉ盛り盛り食う鬼)


 寝ぇ、、、、、、、





 (◉ω◉)

※作者のふくらはぎは来週の木曜までお休みです。

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