史上最強の接着剤
あなたの体も支えてます。
この稿のテーマはまだ不明な点がたくさんあります。
核の奥深く、隠された力
プロトンとニュートロン、結びつける強い核力
膨大なエネルギーを供給して
人類の存在さえ脅かす
原子核の炎
だが、宇宙その力を前にしたら
強力接着剤の影に隠れた謙虚な脇役
静かなる存在 宇宙の物質に溶け込む
核力の歌 隣の核と肩寄せて
ただ、歌い合うあぶれもの
クォークの舞踏会、色彩豊かな宴
赤、青、緑、絶えず変えるドレス
交わる色、創造される無限の色
色荷の絆の永遠に変わらぬ白
結びつきを強める、隠された糊
集団を白く糊で塗り潰す
僅かの隙間さえ埋め尽くす
宇宙の接着剤
だが、核力さえ叶わない
強力接着剤は決してクォークを離さない
色を交換した 常に真白な集団は
結びつきは強く 決して解けない
物質の根幹 宇宙の秩序を作る
グルーオンの謎、宇宙の深淵を覗く
お読みいただきありがとうございます。
以下は、クォークとグルーオンの説明です(作者は、クォークどころか、素粒子さえ専門としない物理学に携わるものです。つまり、以下にあまり自信がありません)。
1. グルーオン
量子色力学において、クォークとクォークに働く「強い力(物理学の4つの基本的力の1つ。他に電磁力、弱い力、重力がある)を運ぶ素粒子である。電磁力を伝えるフォトンの役割に相当する。量子「色」力学とある通り、素粒子には、色荷(以下カラー).と呼ばれる指標がある。本当のカラーではなく、素粒子を分類する指標である。クォークには、赤、緑、青がある。
グルーオンは8種のカラーのいずれかを持つ。赤、緑、青の3色とその反対色である反赤、反緑、反青のペアからなる3×3=9種から白を除いた8種である。8種は一義ではないが、例えば、赤-反緑、赤-反青、緑-反赤、緑-反青、青-反赤、青-反緑、の6種と、赤-反赤 + 青-反青 - 緑-反緑と赤-反赤 - 青-反青 + 緑-反緑の2種からなる。最後の2種は不思議かもしれないが、白ではない残りの2種である。反色などの概念を使っていて、本当の色ではないため、白でない色として数えあげる必要がある。量子力学的な重ね合わせ状態として、イメージされる(作者は最後の2種が正しいか自信はないが、そのようなものと通り過ごしていただきたい)。
2. クォークとグルーオン
グルーオンは、プロトンやニュートロンなどのバリオンに、クォークを閉じ込めて、決して、クォークの単独行動を許さない。グルーオンの中では、クォークは赤、緑、青に、色を変えつつ常に3つで白となり、強力に結合する。
赤のクォークから赤-反青のグルーオンが放出されると、赤のクォークは青になる。この赤-反青のグルーオンは青のクォークに吸収されると、クォークは青から赤に変わる。量子色力学では、クォークは属するバリオンを白くなるようにはグルーオンをキャッチボールしながら(強い力を与え合いながら)、固く結合する。
3. 強い力の残留力
グルーオンは、クォークをバリオンに閉じ込めるだけでなく、ごくたまに余剰する2つのグルーオンが、となりのバリオンのなかの2つのクォークにも放出されて、隣り合うバリオンの中の2つのクォークが交換される。グルーオンが色-反色のペアなので交換される2つのクォークは、クォーク-反クォークの対であるメゾン(中間子)になる。こうして、バリオンであるプロトンやニュートロンは結合して、原子核をつくる。つまり、グルーオンは、バリオン「内」のクォークを閉じ込めプロトンやニュートロンを形成して、かつ、バリオン「間」の核力として原子核も形成します。私たちにとっては膨大な原子力は、クォークを閉じ込める最強の接着剤のほんの片割れです。
4. クォークモデルの定量性
ちなみに、グルーオンが、バリオンのあるクォークから隣接するバリオンのクォークに放出されると、瞬間的に二つのクォークからなるメゾン(中間子)を交換することになる。湯川秀樹は、核力をバリオン間の中間子の交換と考えたが、湯川の考えは、クォークの考え方と大きな矛盾はない。
クォークとグルーオンのモデルの完成は定量的にはまだ不十分にみえる(私見)。各粒子の生成や崩壊のパターンをよく記述する。しかし、定量的なエネルギーについては、あまり議論ができない。核反応はグルーオンに由来する強い力が関与する。しかし、原子核物理学の分野では湯川型を出発点にすることが多い。ただし、原子核といっても3つ以上の核からなる原子核を厳密に計算はできないので近似計算する。
5. クォーク閉じ込め
私はクォークにおいてこの事実について、納得のいく説明には行き当たりませんでした。エネルギー的に「事実上閉じ込め」なのか、「原理的に閉じ込め」なのか、文献からわかりにくいのです。私の記載には、間違いがあることを承知しています。しかし、この件は、本当にわからないのです。クォークは、単独では存在できないようだ、とだけ記します。肝心のところ、しかも、この詩の主題、ごめんなさい。
6. クォークモデルに取組むには
まずは、クォークを受け入れてみましょう。クォークには、全部で6種(アップ-ダウン、チャーム-ストレンジ、トップ-ボトム)です。さらに上にあげた8種のグルーオンで、役者は揃います。他の物理モデルよりも多いですが(素粒子は多いのです)、あとは、役者たちの脚本である物理法則を仮定して、演じさせます。それが、自然とあうか、を試します。そういうやり方です。なぜ、3つ、6つ、8つかは、その都度問いましう。楽しいはずです。