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第拾参話 招待

「あっ、隼君。望海ちゃんから手紙が届いてるわよ。ほら、この前のツアーの写真が入ってるんですって。良かったわね。折角だし、リビングに飾る?」


早朝、起きて直ぐにリビングに向かうと新聞の朝刊と共に望海からの手紙が届いていたようだ。

便箋の宛先近くにも軽く「ナイトツアーの写真が入ってます」と書かれていた。


「...とりあえず自分の方で確認するから置いといて。望海って此処まで律儀にする方だったか?いや、俺はそこまで知らないけど」


何か隼は違和感を覚え、自室で手紙を確認するようだ。

しかし、手紙の内容や写真に何も違和感は見当たらない。


「なんで望海はわざわざ写真のデータを寄越さずに現像して送って来たんだ?...ブルーライト、あったかな」


その夜、隼は真夜中の協会にいた。

深夜十二時、今日の業務も終わり人々も帰路に着く時間帯にも関わらず誰かを待つようにそこにいた。


「隼さん、お疲れ様です。今夜は「月の光」に相応しい夜ですね。三日月で、木々の微かな声が聞こえてくる。そんな夜です」


「そう、俺は「夢」だと思った。儚くて淡い、直ぐに消えてしまいそうなそんな夜。で、俺に何かよう?わざわざ写真の裏に蛍光塗料を塗って、随分と下手な真似をする」


そう言いながら隼は送られてきた写真の裏を光と闇の間に通す。隙間の光を狙いかざすと彼女からのメッセージを見る事が出来た。


「だって、隼さんに気づいてもらえるか私分からなくて。何処まで細工をしたものかと随分悩んだんですよ。貴方は子供のように純粋ですし、このくらいが良いのかなって」


ほっと胸を撫で下ろす望海に対し、隼は真顔のままであった。

なんとなく、彼は自分が推し量られたと嫌悪感を少し持っているからなのだろう。

だが、自然と彼女を嫌いになる事はなかったし出来なかった。


「で、俺を深夜まで残らせてどうするつもり?もう真夜中だ。お互い、帰った方がいいんじゃないか?」


「そんなつれないこと言わないで下さいよ。そうだ、これからたこ焼き食べに行きません?私、お腹空いちゃって!」


「...」


「本当ですよ、小坂に用があるのは事実です。それに他の皆さんにはもう集まってもらってます。あとは隼さんだけなんです」


「他にも?望海、何を企んでる?」


「それは行った時に説明させて下さい。それと、大丈夫そうですね。十二時過ぎでも移動出来そうですね。私も、貴方も」


強制的に手を取られた隼は驚きながらも瞬きを何度かすると小坂へと辿り着く。

少し歩けば、彼女が児玉と共に以前も寄った事があるカニやフグなどを模したた派手な看板が並ぶ地域に来た。

年中縁日でもやっているのか?と思う程のギラギラした照明に隼はついていけず、瞬きを繰り返しフードで目隠しをする程であった。


「あぁ、すみません。もう少しの辛抱ですからね。此処の橋の下に案内したい場所がありまして。ついて来てもらえますか?」


その言葉に素直に従い、川の流れる橋の下に向かうと何かの五芒星と中央に瞳の入った不思議なマークが書かれているのが分かる。

望海が写真機を持ち、そこを撮ると下へと続く階段が現れた。


「後で、小型の懐中電灯をお渡ししますね。それで照らすと同じように階段下に行けるようになりますから」


「...望海、妖術使い何かか?いや、俺達運び屋はそもそも異能力者か」


「そうですよ、今更驚かないで下さい。名誉会長が此処らへんの結界やそれを解く道具を用意してくださってるんです。なので、その通りにやっただけですよ」


階段を降りると、こじんまりとした扉とその脇に此処の場所を示すネームプレートが飾ってあった。


「...倶楽部、氷天華。なんか嫌な予感がする。あの人の事だし夜の店とかじゃないよな?」


「隼さんはピュアなんだから!そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ。言ってしまえば、中はラウンジになってまして。招待客と談話をしたり、奥には仮眠室も設置してあります。名誉会長が隠れ家として使用されていたのが此処なんです。折角ですし、中に入りましょうか?」


扉を開けると、部屋の中央には赤いアンティークソファがコの字型に並んでおり、その中心にも貴重な木材を使っていると思われるテーブルがあった。


そのテーブルの上にも赤い傘のランプがあり。

ソファの一つにには瑞穂と咲羅が座り何かのメニューを見ながら話しをしている。


「ねぇ、咲ちゃん。ミックスジュースとチーズケーキで良い?じゃあ、リリアンさんそれを二つずつ下さい!」


瑞穂が元気良くカウンターの方に声を掛けるとリリアンと呼ばれた謎の女性はそれに頷く。

派手な赤いシャツとスカート、腰には白いエプロンをしており異国のダイナーにいるのようなウェイトレスという言葉が似合うだろう。


彼女の後方には値の張りそうな酒瓶がズラリと並べられており、各々にネームプレートがかかっている。

望海はその一つに朝風の未だに開封していない物がある事をリリアンから教えてもらった。

読書家の隼も知っている伝記に書かれるような有名人や町内新聞でも取り上げられている大学教授の名前もある事に気づいた。


「リリアンさんは此処の管理人をされているそうなんです。出身はホーネット、私達と同じ運び屋をしていたそうで。なんでも小坂には敵情視察に来ているんだとか」


「無口な人から良くそこまで聞き出せたな。というか、このメンバーほぼ、ナイトツアーのメンバーだな。剣城もいるし。そうか、小坂だから皆移動が出来たって事か」


隼の言う通り、壁際に仕舞われている本や飾られている朝風の発明品を興味深げにみる剣城の姿があった。

そのあと、望海や隼の姿をみると此方に声を掛けてくる。


「これで全員か。希輝や白鷹じゃなく、俺を呼ぶとは望海は趣味が良い」


「でしょう?面白くなって来たと思いませんか?では、部長である私から色々と話をしておきたい事があります。夜は長いですよ。では、皆さん其方のソファに集まって下さい」

作者、壱ノ式を読み直した時に最悪な誤字を見つけまして、今更直したんですけど予測変換で出てきてしまったんでしょうね。

写真機が射影機になってて、確かに同じカメラなんですけど後者はゴーストバスターする方のカメラなんですよ。

本当に申し訳ありません。1話から最悪な事してました。

今回はパク…イマジネーションを受けてですね!参考にさせて頂きました。


イマジネーション繋がりでですね、今回のサブタイトルにもなっている秘密倶楽部は夢の国に存在している同様の物を参考にさせて頂いてます。(完全にパクリ&作者の趣味じゃないか)

日本にもあるんですが、本場アメリカの方にはですねクラブの中に車両が展示してあって乗車する権利を会員の方は持っているそうです。

その車両は創造主の奥様の名前である、リリアンから「リリー・ベル」と名づけられました。

だから、何故か此方にも存在しています。なんか不思議な感じがしていいなと思って(言い訳)

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