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悪役令嬢、悪魔の力

クレア自身の戦いは終わり、クレアは戦いを見学することに。

現在は、アンナリムとギービーの戦いが行われていた。


「ミャーちゃん!やっちゃえぇぇ!!」


「メーカさん!今ッス!!」


アンナリムが召喚した猫のミャーちゃんが、ギービーの召喚したカメレオンのメーカさんに飛びかかる。

だが、その瞬間、カメレオンの姿が突然消え、


スカッ!

「にゃっ!?」


ミャーちゃんの飛びかかりが空振りした。

驚くミャーちゃんとアンナリム


その隙を逃さず、


「決めてしまえッス!」


「シュ~!」

パシィンッ!


後ろから姿を現したメーカさんが、ミャーちゃんの頭を尻尾で叩く。

枠ギリギリで戦っていたため、ミャーちゃんがバランスを崩すと、


「アンナリム場外!ギービーの勝ち!!」


「やったッス!」

「シュ~!!」


「あぁあぁ。負けちゃった」

「にゃぁ~」


勝敗が決まった。


「2人ともお疲れ」


「あっクレアちゃん!負けちゃったよぉ」

「ふふふっ!クレア。私勝ったッスよ!褒めて欲しいッス」


「はいはい。リムはドンマイ。私と一緒に鍛えていきましょう。ギービーはおめでとう。凄かったわね」


クレアは、、それぞれ2人に寄り添ったコメントをいっておく。

勝ったから負けたから、という理由でどちらかをひいきにすることはない。

そんなことをすれば、友情に亀裂が入ってしまう。


「で、今はガガーラナが戦ってるから、それの応援をしましょう」


「「うん」」


クレアは2人いって、今戦っているガガーラナの方を見る。

そこでは、


「ベヤ!たたみ掛けろ!!」


「グォォォ!!!」


小熊がかにのようなモノに襲いかかっていた。

小熊はガガーラナの召喚したモノで、ベヤという名前。


「ベヤ。強いねぇ」

「そうッスねぇ。戦闘向きッスよね」


「でも、ご飯とかいっぱい必要そうじゃない?」


「「確かに。そうかも!」」


そんな風に他の生徒の召喚した物を見ていく。

そうしていたら戦いも終わり、学校は終了。

クレアたちは楽しく下校した。


「ハァ~。疲れたッス~」

「確かにぃ」

「シュゥ~」

「にゃぁ~」


いつもより疲れた声が多い。

クレアは、流石にこの人数はどうはげましたモノかと悩んだ。


「ん?何やってんだ?」


グデ~ンとしているアンナリムたちを見て、真上から声がかけられた。

声をかけてきたのはガガーラナ。


「いつもの通り、疲れ切ってるだけよ。ただ、数が増えたからたちが悪くなったわ」


「ああ。確かに。いつもみたいに1人1人クレアが声をかけるのはむずかしそうだ。それに、ミャーちゃんだっけ?召喚したモノに、召喚者以外の言うことが聞けるのかって言うことも分からないしね」


2人は困った顔で友人とその相棒を見る。

その時だった。


「見つけたよ!クレア!今日のはどういう事だよ!ふざけんな!!!」


怒鳴り声。

クレアが振り返ると、後ろからハイロラが走ってきていた。


ハイロラは、怒り心頭のご様子。

 ーー面倒だわぁ。


どう対処しようかと、クレアは考えていた。

だが、ハイロラはクレアに掴みかかる前に、


「落ち着け」


「ぐえぇ!?」


後ろから襟を捕まれた。

首が絞まって変な声が出てくる。


「ガガーラナ。何するんだよ。危ないだろ」


襟を掴んだのはガガーラナ。

そんなガガーラナに、ハイロラは抗議の視線を送る。

だが、


「いいから。ちょっと来い」


「え?ガガーラナ?僕は、クレアに用が」

「いいから。来い。クレアも良いだろ?」


ガガーラナは、クレアに許可を求めてきた。

ハイロラとの決闘関係で前科があるので不安だったが、断れる気配でもないので渋々頷く。


「行っちゃった」

「ガガーラナ、何やるんスかね」


友人たち2人は、驚きと不安の混じった表情を見せる。

クレアも、前回みたいに面倒な事にならないと良いと思いながら、ガガーラナたちが行った方向を見つめていた。


それから数分後。

ガガーラナたちが帰ってきて、


「ごめん!!」


そう言って、ハイロラから頭を下げられた。

クレアがガガーラナに目線を送ると、


「ちょっと事情を説明しただけだ。俺が説明する時にはかなり落ち着いてたから、簡単に信じてくれたぞ」


「ああ。なるほど。助かったわ」


クレアは礼を言っておく。

 ーー言った内容が事情説明だけなら良いんだけど。


クレアは不安を感じながらも、ハイロラに目を向ける。

下げられている頭からは、素直な謝罪の意図が感じられた。


 ーー大丈夫……かな?

そうして不安を抱えたまま過ごしていくことになり、次の日の朝。

クレアたちが起きて、食堂へ向かうと、


「あっ。おはよう」


「あら。おはよう。ハイロラ」


ハイロラが笑顔で挨拶してきた。

害はなさそうだったので、クレアも笑顔を返しておく。


すると、


「僕も悪魔のことを考えてみたんだけどさぁ」


と、始まる、ハイロラの話。

クレアに迷惑をかけたことを反省しているようで。コレには償いの意味も込められているよう。


「へぇ。なら……」

「良いじゃないッスか!」


意外と話が盛り上がり、友人たちも笑顔になっている。

そこに、さらにガガーラナもやってきて、


「それなら、」

「おぉ!!」


話は最高潮に盛り上がった。

その後、騒ぎすぎて寮の長であるジャミューに怒られたのはまた別の話。




「意外だったねぇ」

「そうッスねぇ。まさか、ハイロラがクレアと仲良く出来るなんて思わなかったッス」


朝食を食べ終わり、クレアたちは登校中。

先ほどのハイロラについて話していた。


「どうしてハイロラはあんなに変わったのかなぁ?」


アンナリムが首をかしげる。

ギービーもその疑問に同意するように首を縦に振っていた。


「そうねぇ。私が、完璧じゃないって気づけたからじゃないかしら?」


「「え?どういうこと(ッスか)?」」


2人は仲良く首をかしげる。

 ーーギービーが首をかしげても、見下す感じだから他の人だと別の印象を受けそうだわ。


「今までの私って、ハイロラにとってはあらゆる面で自分より優れている才能の固まりみたいなモノだったのよ。でも、今回でそのイメージが崩れた」


「あぁ。確かに。勉強面だとクレアちゃんの方が上だしね」

「それに、商会との解約も出来なかったッスからね。そういう面で見てもある意味クレアの方が上に見えるッスね」


「でしょ?だから、今までは私を超えなきゃいけないって焦ってたのよ」


「なるほどねぇ」

「なるほどッス」


クレアの解説を聞き納得する2人。

それから、しばらく考えた後、


「あっ。もしかして、名前もわざとなの?」

「ああ。名前!そういう所でもあるッスか!」


2人は納得したような表情になる。

ギレとか言う名前は、流石にネーミングセンスがひどいと思っていたのだ。

だが、クレアはよく分からない。


 ーー名前?名前って、誰の名前かしら?私のクレアって名前が何かある?いや、よく分からないわね。

クレアはよく意味が分からず、不思議そうに2人を見つめた。


「……あ、あれ?違った?」

「え?もしかして、アレは素でやってたんすか?」


「いや、何の話?」


クレアは更に不思議そうな顔をする。

その表情を見て、友人たちは顔を見合わせ、


「ふふっ」

「確かに、欠点を見つけたら仲良くなれた気がするッス!」


「え?だから、本当になんなの?」


「ふふふっ。気にしない気にしない」

「そうッス。気にしなくて良いッス。私たちが知っておけば良いことッスから」


笑われてしまった。

その理由は分からないが、それはそれとして欠点をそのままにしているわけもなく、ある日の夜。

クレアはクラウンの拠点で、あるモノと話していた。


「こいつ、頼めるか?」


「ええ。勿論よ。鍛えてあげるわ」


承諾をする話し相手。

クレアは、後ろにいた悪魔のギレを前に出した。


「それじゃあ、よろしくねギレ」


「ギィ!」


「頼んだぞ『右腕』」


ギレのことを頼んだのは、元火傷蜥蜴の幹部であり、現在はクラウンとして活動している『右腕』。

同族だから、きっと強くする方法も知っているだろうと考えたのだ。


「まずは、基本的なことを教えるから、クラウン様も聞いていったら?」


「ああ。そうするよ」


『右腕』が解説をしてくれるらしいので、クレアも聞くことにした。

『右腕』はまず、ギレを立たせ、能力を使わせる


能力は、相も変わらず黒いレーザー。

 ーー見た目は凄いんだけどなぁ。


「あらぁ。凄いじゃない」


ギレの攻撃を見て、『右腕』は感心するような、驚いたような声を出す。

この反応は初めて。


「ん?コレは凄いのか?」


クレアはよく分からず、尋ねる。

『右足』は少し考えるような素振りを見せた後、


「そうね。凄いわよ。使い方によってはクラウン様も殺せるわ」


「ほぅ!?」


それは予想外。

まさか、ギレにそこまでの力があるとは思っていなかった。


「どうすれば我を殺せるのだ?」


「うぅん。1番簡単なのは、クラウン様の頭に攻撃を当てることかしら。当たり方が良ければ即死させられるわ」


そう言いながら『右足』は自分の頭を爪で軽く叩く。

 ーー私って、頭を軽く削られるくらいじゃ死なないはずなんだけど。


「悪魔の攻撃って、基本的に魂へダメージを与えるのよ。だから、ステータスの防御力とかは全く効果をなさないのよね」


「魂を?」


クレアは首をかしげる。

魂への攻撃など、聞いたこともない。


「そうよぉ。魂を削れば、肉体を削るのとは違った効果が出るのよ。私たち悪魔は魂を食べるのが好きだから、基本的にはあんまり大きいダメージは与えないけどねぇ」


そう言って笑う『右腕』。

だが、その言葉はクレアにとってはとても不安なモノだった。


「そ、それは敵が使ってきた場合どう防げば良いんだ?」


「ん~。魂への攻撃を防ぐ方法ねぇ?普通は人間には無理だと思うわぁ」


「そ、そうか」


これは緊急の対策が必要な事態である。

もし敵が悪魔を使ってきたら、クレアは為す術なく殺される可能性があるのだ。


「……少し外に出てくる。『右腕』はギレを頼む」


「分かったわ」


「ギィィ!!」


クレアは外に飛び出し。

 ーー対抗策を考えないと!とりあえず、盗賊殺しながら考えよ!


そうして頭を働かせて翌日。

クレアたちは昼食を食べながら雑談をしていた。


「クレアちゃん。聞いた?昨日、盗賊殺しの妖精が出たんだって」


「え?そうなの?聞いてないわね」


盗賊殺しの妖精。

勿論、クレアのことである。


「あぁ。私もそれ聞いたッス。なんか、大量の死体が見つかったとか。凄いっすよねぇ」


「ああ。俺も聞いたな。ただ、今回は普段と殺し方が違ったらしいな」


「それ僕も聞いたよ。普段とは違って、盗賊たちが戦ってそうな感じだったんでしょ」


ギービー、ガガーラナ、ハイロラの順番で知っていることを話す。

クレアはそれを聞いて、


「へぇ。毎回同じ殺し方してると飽きるのかしら?」


といって、友人たちから苦笑された。発想が少し人の道から外れていたようだ。

だが、心の中では、


 ーー昨日のはやり過ぎたかしら?わざと盗賊に防御をさせて有効そうな方法を探すとか、流石に無理があったわね。

と、昨日の夜のことを反省していた。


「そう言えば、盗賊殺しの妖精関連だとさ。最近、苦霞(くがすみ)とか言うのが、有名になってきてるよね」


「ああ。苦霞。聞いたことあるッスね」


アンナリムが苦霞の話を出し、ギービーもそれに乗っかる。

だが、これは少しおかしいことである。


苦霞は、活動地域がかなり北の方にあるのだ。

クラウンがいる地域の北には血湯(けっとう)という組織があり、更にその北に苦霞の支配地域がある。


つまり、苦霞は血湯を飛ばして、この地域に手を伸ばしてきたと言うこと。

ここの土地を押さえることができれば、血湯を挟み打ちのような形で攻撃することが出来るので、確かに手に入れることが出来れば有利。


「苦霞なぁ。最近出てきたのに、すぐに有名になったよな」


「そうだよねぇ。今のところ家の商会に被害が出たりはしてないけど、あんまり大きくなっちゃうと商売が難しくなるんだよねぇ」


ハイロラが商会目線で語る。

クレアも、コレには対策をしておくべきだろうかと考える。


 ーー商売関係に影響を与えたくはないわ。どうにかしないと。

クレアは後で商会の方に対策に関する手紙を送っておこうと考えた。


そして、夜の方でも。

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