表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/59

悪役令嬢 夢と力

さて、少し話は変わるが、エリーには夢がある。

それは、


 ーー闇の組織を作りたい!

という夢。


明日花は闇の組織というモノに憧れを抱いている。

だから、同じ憧れを持っていたゲーム内のエリーが好きだったのだ。


そして、明日花はとてもファンタジーな世界に転生した。

エリーに、チャンスが訪れたのだ!


エリーは闇の組織を作るため、行動を始めた。

彼女は赤子のため、かなりの時間を寝て過ごしているのだが、起きているときには色々と活動をしている。


重要人物の顔を覚えることももちろん活動の1つであり、もう1つ重要だと思って活動していることがある。

それが、


《スキル『魔力感知LV1』を獲得しました》

《スキル『魔力操作LV1』を獲得しました》


魔力を操ることだ。

魔力を上手く扱えるようになれば、必然として強くなることができるはずだとエリーは考えている。


その考えが間違っているかはともかく、


《スキル『魔力感知LV9』が『魔力感知LVMAX』になりました》

《称号『魔力と共存するモノ』を獲得しました》

《スキル『魔力操作LV9』が『魔力操作LVMAX』になりました》

《称号『魔力を扱うモノ』を獲得しました》


成果はあった。


成果を出したのはほかにもある。


「あ、あぁ~。まっきゃなおはにゃの~とにゃかいしゃんはぁ~」


舌足らずではあるが、エリーは話せるようになったのだ。

エリーは話せることがうれしくて、色々と歌を歌っていた。


だが、


コツコツッ。

足音が近づいてくる。

すると、すぐに歌うことをやめた。


ガチャッ!

「エリー。元気かな」


足音の主はそのまま部屋に入ってきて、エリーを抱きかかえた。

抱きかかえたのは彼のイケメンな兄、バリアルである。


「びゃりありゅにぃしゃま~(バリアル兄様ぁ~)」


エリーが名前を呼ぶ。

すると、バリアルの顔が固まった。

そして、


「え、えええええ、エリーがしゃべったぁぁ!!???」


バリアルの絶叫が響き渡った。

エリーは兄の絶叫に意識が飛びそうになるが、必死で耐えた。


「ちょ、ちょっと早すぎないか!?」


「バリアル!エリーが何かやったの!?」


バリアルから話を聞いた両親は、不審げにしていた。

だが、


「まぁあぁ~。ぱぁあぁ~」


「「か、可愛い!」」


簡単に陥落させることができた。


「エリー。パパ格好いいって言ってごらん」


エリーの父親が期待のこもった瞳をエリーに向ける。

エリーとしては、父親(公爵)に媚を売っておいて損は無いと思うので、


「ぱぁあぁ、きゃっきょいぇ~」


全力でやってやった。

父親は涙を流しながらうんうんと頷いている。


そんな父親に、母親が肘打ちを繰り出した。

肘打ちは父親の横腹に決まり、父親は悶絶しながらうずくまる。


「い、良いじゃないか。娘にこんなことを言って貰えるのはこういうときだけだって、他の公爵たちも言っておったのだ」


父親が額から汗を流しながら言い訳をする。

それを、母親は冷たい目で見つめていた。


「それに、エリーは国王様のお気に入り。私になつかせておくのは大切だ」


父親は表情を真剣なモノにして言う。

 ーーさすがは公爵。侮れないわね。


エリーは父親が、とんだ狸であったと驚く。

そして、父親の観察にいそしんだ。


こんな言葉の分からない赤子の時だからこそ、父親のガードが緩くなるのだろうとエリーは考えたのだ。

だからこそ、これからの父親の行動に惑わされないようにしようと、心に誓う。




それから少し時間が経ち、エリーは歩けるようになった。


「きゃあぁぁ!!エリーが歩いてるわぁ!可愛い!」


「エリー!おいで!」


歩けるようになったエリーに、家族は大はしゃぎ。

因みに現在のエリーの家族は、父、母、兄の3人だ。

父の側室や使用人などは沢山いるが、それはまた別の機会に。


「エリーがもう少し歩けるようになったら、屋敷内で散歩させても良いかもしれないわね」


「散歩!それはいい!我が家の素晴らしさを教えてやろう!」


散歩。

その言葉には、エリーも心が躍った。


貴族の屋敷を探索するのに心が躍らないわけがないだろう。

エリーは散歩に期待を膨らませながら、今日は早く眠ることにした。


「あら?エリーちゃんは、もうおねむかしら?」


「ははは。慣れない動きをしたんだ。疲れたんだろう」


「エリー。おやすみ」


お休みの挨拶をして、部屋から出て行く家族たち。

エリーは家族を見送って、まどろみに意識を手放、


すわけがなかった!

 ーー闇の組織を作るには、家族にバレずに外出よ!歩けるようになったわけだし、今すぐ行くわ!


まだまだ夜は終わらない。

いや、夜はこれからといった方が正しいかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ