あなたはどんなタイプ?
森の中に柳の木が並んでいる。垂れ下がる細枝に白い花が咲いていた。
木の下には小さなタヌキくんと、頭に王冠のようなものを乗せた白いおサルさんがいる。
彼らは魔法の鏡を使って情報を見ていた。
「子狸くん、こないだ『16personalities』という性格診断のサイトを見たんだよ。アンケートに答えると、どんなタイプの性格なのかが出るんだ」
「んとね。白猿さん。僕もそれ、きいたことあるの。やった人の感想だと、けっこう当たってるみたいなの」
「こういうのって、自分を見つめ直す場合の参考になるかもな。子狸くんもやってみたら?」
「んとね。僕、そーいうのは気にしたくないからやめとくの」
「まぁ、無理に奨めることもないか。今回はタイプのことを話そうと思う」
「血液型とか? 僕、あれは性格とは関係ないと思うの」
「いや、タイプといってもそっちじゃなくて、パソコンのキーボードを打つ方な」
「タイピングのこと? 僕は指が短いから、両手の人差し指だけで打っているの。キーボードを見ながらじゃないと打てないの」
「アホリアSSも似たような感じだな。複数の指を使ってはいるが、一本指と同じことを近い指で打っているみたいだ」
「画面を見ながら手元を見ないで打てる人はすごいの」
「アホリアSSは昔FMタウンズというパソコンを使っていたときは、しゃべる早さで日本語が打てていたらしい。特殊なキーボードを使って両手の全部の指で打ってたみたいだ。でも英字がまじると手元をみないとダメだったって」
「今のキーボードだと、手元を見ないと打てないみたいだね。キーボードのアルファベットの並びって、ABC順じゃないから覚えにくいの」
「キーボードは普通はQWERTY配列だな。キーボードの英字は左上からQWERTYの順番に並んでいる。昔、タイプライターという装置があったんだ。紙に文字を打ち込む機械で、英文が打ちやすくしたのがQWERTY配列らしい」
「んとね。タイプライターって、キーボードを打つとスタンプみたいな棒が動いて、紙にアルファベットが書かれる装置だよね」
「そうそう。棒の先に活字の英字が彫られてて、用紙の上のインクリボンを叩くんだ。キーを叩くとアルファベットの小文字で刻印されるぜ」
「んとね。英語では基本的に小文字を使うの。大文字は文の最初とか強調するところで使うの。それで、タイプライターで大文字で打ちたいときはどうするの?」
「パソコンと同じだぜ。英字キーの左右にシフトキーがあるんだ。シフトキーを押すと活字の装置が下がって、棒の先の大文字で刻印される。シフトキーを押した状態で固定するキーもあるぜ」
「んとね。パソコンのキャップスロックっていう機能と同じなの」
「ついでに言うと、英字のキーの一番下の長細いキーを押すと、紙が一文字分ずれる。ようするにスペースキーだな」
「ってことは、改行するエンターキーもあるの?」
「おいらが見た機器では、改行するときはレバーを引いてたな。用紙が一段上がって、左端に刻印すべき場所がくる」
「パソコンのキーボードって、タイプライターが元になっているんだね。あれ? 今、サーチエンジンでタイプライターの画像をだしたの。キーの一番上の段が数字なの」
「今でもそうだろう。パソコンと違ってF1とかのファンクションキーはないから、一番上が数字だぜ」
「んとね。数字が左から2,3,4とならんでて、「1」のキーが見当たらないの」
「ああそれか。Lの小文字で代用していたらしいぜ」
「んとね。僕、さっきも言ったけど英語では小文字が基本なの。日本人がアルファベットを使う場合、大文字を使い過ぎてるかも」
「そういうこともあるよな。日本人が書いた大文字ばかり英単語を欧米の人が見ると、『なんで叫んでいるんだ?』と感じることもあるとか。日本語を全部太字のゴシック体で書いたり、全部の言葉に感嘆符!をつけているように見えてるかも。もちろん固有名詞とか文頭の文字は、大文字にしないと読みづらいみたいだけどね」