恋
お待たせしました
個人的にみくりちゃんの名前を気に入ってます♡
翌日、その翌日も、1ヶ月ほど信川さんは学校、屋上にもきてなかった。
「どうしたんだろう…」
ぼそっと呟いた時、真っ白な肌の彼女が車椅子できた。
「理希。ごめんなさい。もう私、ここには来れない。」
「信川さん、それはどういうこと?」
戸惑いつつ僕は尋ねる。
「死ぬってことよ。」
軽く言った彼女に絶望した。
「希望を、信川さんは、いや、みくりさんは捨てるの?」
「えぇ。そうよ。」
「会った時の、あの時のみくりさんじゃ、ない。」
「それは当たり前よ。人は変わるのよ。未来は変わらないけど人は変わって。そりゃ余命なんて告げられれば当たり前でしょう?理希くんだってそうなるわよ。」
突き放すような言い方に僕は反発してしまった。怖かった。会ってたったの2ヶ月。その中でも会えたのは3日。そう、僕は恋したようだ。このみくりさんに。
「余命、何年?」
「5年。」
落ち着いて話した僕に苛立つようにみくりさんは答える。まだ答えてくれるだけマシだ。
「私ね、手術したの。CCUにもあと3年後には入ることになるだろうし、。」
「みくりさん、いや、みくり。僕にその、、お前を、お前の最後をくれ。一緒に過ごそう。みくりのことだけを考えて過ごす。頼むから。」
「誰が私を愛してくれる?こんな惨めな私の体を。傷ついた私の体を。余命も決まってて。不治の病の私を。誰が。誰がよ。」
「まて、みくり。不治の病ってなんだよ。」
「私、病気が治らないの。2度と。絶対に死ななければならないの。それは、理希が大人になって、魚屋つぐのと一緒。」
「それは僕が決めたこと。みくりさんは死ぬことを選んだの?そんなのやめてよ。僕と一緒に…」
「黙っててよっ。私の人生、自分で決められないんだから。」
叫んだ時、げほっ、げほっと彼女は苦しそうに血を吐いていた。
「みくり!」
その途端、みくりはガクンと右側に。車椅子は倒れ、みくりは意識を失い、頭からは血が出ていた。
救急車の音がして気がついたら病院だった。みくりを助けたいあまりに。
「理希。私もう、無理だよ。」
意識が戻ったみくりはそう言った。
きっと明日は波乱になるであろう。
僕は理希。いやぁ、本当にみくりが助かって良かったよ。
恋しちゃったなんて恥ずかしくて誰にも言えないな。
もうみくりは子供を産めないかもしれないって泣いていた。怖い。僕も怖い。
一緒に怖がってみくりのそばにいてあげようと思う。辛くならないように、みくりがいけるところまで、僕は見守っていたい。