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7、パーツカスタマイズについて



 無事大学進学を果たし、俺は二人目の恋人ロボットを手に入れた。

 今度は最初のと違って、もうちょっと大人なヤツ。どうやら見た目や身体的なことだけじゃなくて、精神年齢的なことも注文できるらしい。

 俺が大人の女性が良いと言い張ったこともあり、精神年齢を俺よりも上にしてもらった。

「大人しいよりは元気な方が良いけど、子どもみたいにキャーキャーうるさくないのが良い。できれば、一緒にキャンプにいったり、海で泳いだり、スキーとテニスとかスポーツできるような活発さも欲しい。

 いつも微笑んでるような優しさは欲しいけど、間違った時はメって叱ってくれたらちょっと嬉しいかも。まあ、そういうのは包容力っていうか、大人の女性なら兼ね備えてるのかも知れないけど、やっぱりある程度大人として自立していて、なおかつ、俺の好みに合わせてくれるような女性が好みだ」

 店員のロボットと親父が固まって、というか、呆れた顔をしている。

「お前……なんだその、理想の高さ」

「ある程度大人として自立していて、なおかつ、お客様の好みに合わせたタイプですね」

 店員ロボットは冷静に切り返しながら、データを探している。

「それですと、嫁ロボット並みの年齢になってしまうのですが」

 つまり、俺より10歳くらい年上ってことらしい。

「顔は若くできるんだろ?」

「はい、可能です」

 顔さえ若きゃ、中身が大人ならなおさら良い気もするが。

 とはいえ、提示された顔写真は、最初の恋人ロボットを選んだ時よりはずっと年上のものばかりだった。ほんのちょっとの肌の質感でこんなに変わるもんかと感心する。しかしなあ、俺と連れだって歩くんだったら、もうちょっと若く見える方が良いか?

「もうちょっと若い顔のないの?」

「ございます」

 なーんてやりとりをして、俺より5歳くらい上に見える顔を選んだ。

 顔の好みで言うと、最初の恋人ロボットと似てなくもないタイプではあるが、髪の毛は背中まであるのにした。

「へえ、なるほどねえ」

 親父がなんか含みのある頷き方してるのが怖い。なるほどねってどういう意味だよ。

「ボディはこちらのタイプはいかがですか」

 と店員に提示されたのは、ごく普通の、いや、若干貧乳のタイプだった。背は俺より少し小さいくらいか。

「背はもうちょっと小さい方が良い」

 前の恋人ロボットの良いところは、身長差がバッチリだったんだ。あのくらい小さいと並んで歩いた時に恋人っぽい。体つきも俺が細いのもあるから、細い方がバランスが良いと思うんだよな。でも、

「おっぱい、もうちょっと大きいのが良いんですけど」

 いくつかサンプルを出されたが、身長に合わせると貧乳だし、背が小さくておっぱいが大きいのは、微妙にぽっちゃりしすぎているし、なんかしっくりこない。

「お前結構こだわるなあ。じゃあ、高くなるけどパーツカスタマイズするか」

 ということで、細部にわたり俺の好みの恋人ロボットを作ってもらうことになった。


 細部にわたり好みを取り入れられる、パーツカスタマイズははっきり言ってすごい世界だった。本来嫁ロボットを買う時にそういったカスタマイズをするらしい。人間には良いところばかりじゃなくて、少しくらい気に食わない部分があるという前提で、恋人ロボットはできている。

 たとえば、身長と肩幅とウェストがバッチリでも尻が妙にでかかったりとか、精神年齢AIと顔とボディがセットになってるやつは安くて、頭がでかかったり美人じゃなかったり、逆に美人でもAIがバカだったり(それはそれで可愛いらしい)まあ、そういうのもある。

 けれど、俺は前の恋人ロボットの時に、あんまり精神年齢AIが育ってないのは、ロボット感が見えて嫌だったのもあるし、顔とボディに対してはバストサイズ以外はかなり良かったから、それより品質を落としたくない。だからつい贅沢を言ってしまうわけだ。


 ということで、親父がパーツカスタマイズを提案してくれた。

 顔と精神年齢AIは決めたから、あとはボディカスタマイズなんだけど、まずは基礎になるボディを決める。

 俺の場合は身長が一番重要だから、前の恋人ロボットより3センチくらい高さがあって、細身のボディを選んだ。

 そうすると必然的にバストサイズが小さい。

 それでバストを少し大きくしてもらうことに。

「Cカップでよろしいですか?」

「Cってどのくらい?」

 俺が聞くと、店員ロボットはカップのサイズのお椀をずらりと並べてくれた。ひとつひとつ手に取ってみる。固いが、サイズはわかる。手にしっくりなじむのはCカップだけど、もっとこう両手で揉みしだいて指の間から洩れるような質量が欲しいよな。うん、男のロマン。

「Fカップが良いなあ」

「お前、正直すぎだろ」

 隣で親父が呆れた声を出しているが、きっと羨ましいに違いない。ていうか、モモさんもFカップくらいあった気がするけどなあ。

 俺の選んだボディにFカップをくっつけてくれたのを見たら、なんか変だった。やっぱりバランスが悪いか。ここはEカップに落とすかな。

「じゃ、Eカップで」

「かしこまりマシタ。他の部分はいかがしますか?」

「他の部分?」

 そこからが本当の細部カスタマイズの始まりだった。


 なにしろ、どんな部分だって好みの部品に替えられるんだ。

 ということで、俺は手を少し変えてもらうことにした。基本形ボディについている手はかなり小さい手だったのだ。それを少しだけ大きくして指を長くすることにした。シラウオのような指ってこういうのだよな。うん、バッチリ。

 ついでに爪も変えることにした。ロボットだから爪は伸びない。だから、下手に短いのを選ぶと、女らしくない感じがするらしい。ということで、形の良い少し縦長のを選んだ。

 ちなみに足の爪もカスタマイズ。あほかw


 それから肌の色も選べるらしい。少し白いとか、浅黒いとか、そういう単純なところから、痣やほくろも付けられる。

「所有物の証しとして、ほくろを付けるやつは多いぞ」

 と親父が教えてくれた。

 なんか、ヤラしいなあ。

 想像したらエッチい気分になったので、せっかくだからものすごいエッチいのを付けようと思い立った。そうだなあ、尻とか内股とかにほくろ? 生々しいか・・・

 と考えてから、脇腹にハート型の白い痣を付けることにした。

「意外と小心者だな」

 と親父に言われたが、俺にはこれが精一杯だ!


 他にも、こんなところも!? と思うようなところをたくさん俺好みに作ることができたが、読者に知られると恥ずかしいから割愛。どこをどんなにしたかは、想像してくれ。



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