3、性風俗について
男だけの世界になって、性犯罪が減った。
とはいえ、全くなくなったわけではないらしい。恋愛はしたくなくても性欲はあるからな。そりゃ仕方がない。
まあ、普通は恋人ロボットを手に入れればソッチ方面は解消される。
風俗だってある。
ソレ専用の店に行って、お金を払って一時楽しむやつだ。昔からあるだろうが、今はロボットが相手をしてくれる。恋人ロボットだけじゃなくて、たまには新鮮な雰囲気を楽しみたい時とかに行くやつもいるから、まあ、普通じゃないか?
ソレ専用の店のロボットは、恋人ロボットよりも劣る。可愛く笑って一緒にデートする必要はないから、そういった機能はついていない。ただヤるだけのロボットだ。
でも、触った感じや声なんかは人間と変わらない。ちょっとばかし語彙が少ないけど、そんなに気にならないし。
って、俺も行ったことあるよ。
恋人ロボットを買う前に、親父が(俺を風俗に)連れてきてくれたんだ。
男ばかりの世界だからか、性風俗はそこかしこにある。(そして、値段も大したことない。)しかもかなりあけっぴろげだ。中学生くらいになりゃ、興味津々にならないほうがおかしい。エロ~い看板に、エロ~い呼び込みのお姉さん。これは、期待しちゃうよなあ。
ということで、俺もヤる気満々で臨んだ。
ロボットの人工知能はすごい。まず、相手の人間への観察能力が半端ない。
「お客さん、こういうとこ、ハジメテ?」
可愛い声で聞いて来るけど、そうか、俺ってば初めて感丸出しなんだな、とか思うわけよ。まあ、慣れてない感じだろうから、わかるんだろうけど。
そんで、色々リードしてくれてさ、相手がロボットってわかってても、人間みたいにできてるし、おっぱいとか見た途端に俺の鼻息が荒くなったのがわかったみたいで
「んもう、エッチ。そんなにジロジロみないでください♡」
とかって演技入るんだよ。
だけど、俺の鼻息が荒くなったりするのを絶対見逃さないでさ、俺が好きなこととか気持ちいいことを繰り返してくれるんだよ。
おっぱいを強調するように腕を回したり、おっぱいを押し付けてきたりしたら、そりゃ大喜びさ。おっぱい星人ここに極まれり。おっぱい最高!
おっぱいだけじゃないぞ。ナニをしにきてるんだからな。風俗ロボットは男を盛り上げる方法を知り尽くしている。
人工知能ってこうやって使うのか!?
エッロー!
なるほど。風俗ロボットはその技術で男を喜ばせ、男が喜ぶことで、さらにソッチ方面のAIが育つってことだ。
「はうーん、きもちいい~ん」
みたいな喘ぎ声を聞いて俺も気持ちよくなる。俺も! 俺も気持ちいいっす!
相手がプロのロボットということもあって、俺はかなり盛り上がった。初体験の相手が生身の人間だったら、こんなに伸び伸びできない気もしなくはない。しかしロボットだと思うと、気がねはいらないし、何かやらかしても恥ずかしくないしな。
だけど最後に
「だいじょうぶよ、鼻血出すヒト、多いですから、恥ずかしくナイわ」
って言われながら、鼻の下をティッシュで拭かれたときは恥ずかしかった。
うわ~、俺なに興奮して鼻血出しちゃってんだよ! 恥ずかしい~!
という、俺の初体験の話はまあ置いといてだな。
なんだっけ? あ、そうそう。
だから、あんまり性犯罪に走るやつはいないんだけど、金がない(働くことをしない)から恋人ロボットを買ったり借りたりできないヤツがいるんだ。
そういうヤツはどうなるかって言うと、収容所に入れられる。働かないからそういうことになるんだ。自業自得だ。
とはいえまあ、考え方によるかな。今の世の中バカみたいに人権を守る方向に叫ばれてるから、そんな犯罪者にも人権はある。
収容所に入れられると、犯罪者だから外出はできないが、衣食住を面倒見てもらえて、しかも恋人ロボットもあてがわれる。性犯罪者向けに、そいつの性嗜好に合ったロボットだ。
例えば、痛めつけたりするのが好きなタイプの犯罪者だったらそれを喜ぶようなロボットとかな。ロボットだから死ぬことはないからピッタリだ。
ただ、できはあまりよくない。巷に出回っているような恋人ロボットどころか、性風俗用よりもさらに劣る。まあ、ロボットがもらえるだけ良いダロ。
という話しを、島田から聞いた。
アイツどうしてそんなことに詳しいんだ。・・・怪しい。