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12、雑誌の効果のほどについて




 さて、由香里に雑誌と漫画を読ませた次の日。

 つないでいる由香里の手が、いつもより少しあったかくて、しかも手汗をかいていた。なんていうか、ちょっとねっとりと手を絡ませてくる感じだ。

 うほっ、これはもしや!?

 雑誌に書いてあった「エッチしようよ」のサインか!?

 こんなにバッチリ効き目(?)が出るとは思わなんだ。これは嬉しいぞ。

「どうした、由香里? 甘えん坊か?」

 耳元で囁くと、外だというのにしなだれかかってくる由香里。時々道でいちゃいちゃと歩くカップルがいるが、これか! こういう感じか!

 由香里の家の前まで送ったところで、由香里は手をつないだまま

「ねえ、うち寄っていかない? あの、今日クッキー作ったから」

 と、誘われた。

 やった! 初めてのおうちデート!

 これを待っていたんだよ~。そうだよ、一人暮らしの女子大生設定で、何がいいってこれだろう~?

「クッキー? 良いね」

「うん♡」

 誘い方も自然だ。ロボットとは思えないほどの気の利き方。ということでさっそく由香里の部屋へ行った。

 実はここは、恋人ロボット用の部屋だ。右も左も恋人ロボットたちが住んでいる。どんな感じなのか興味あったんだよね。

 部屋に入ると、普通のアパートと同じような感じではあったが、やはり台所はシンプル。居間はなく、すぐに寝室となっていた。そりゃそっか。ロボットがテレビ見たりくつろいだりする必要ないもんな。かなり大昔にあったという1kの造りだ。

 寝台の脇には、ロボットのメンテナンスに必要な感じの機械類がきれいに置かれているが、一応お客(人間、彼氏)が来ても大丈夫なように、それなりにカモフラージュというかあんまりメカメカしくはなかった。

 由香里のベッドに二人で腰をかけ、由香里が作った(どうやって作ったかは考えない。ロボットだから、場合によっては腹で加熱なんてこともありうるからな)クッキーを、由香里がつまんで俺の口もとに持ってくる。

「はい、ケイ君、あーん」

「あーん」

 サクサクサクサク

「うん、美味い」

「ほんと? よかったあ」

 おおー、ロボット感なし! 普通の女の子ってきっとこんな感じだと思えるほどに自然だ。やっぱり漫画読ませて正解だった。ということは、この後、エロく豹変するのか!? 期待が高まるぜえええええ!


 ふたつめのクッキーを口に入れてもらうとき、由香里の指も一緒に食んだ。ペロっと舐めると、由香里が、あっ、という顔をしてすぐに指を引っ込めた。うん、いい感じだ。

 みっつめのクッキーは、半分のところでうまく唇を使ってとどめて「ゆかり」と囁く。くわえたまま囁くのは難しそうだが、意外と大丈夫だった。

 由香里はすぐに察して、半分出ているクッキーに口を寄せた。由香里がそっと口を開けてクッキーの向こう側を唇で挟む。うわ、エロいっ! 目と目を合わせたままお互いちょっとずつ食べていき、そして由香里の唇に到達すると、俺は一気にエロいチューへともっていった。

 よっしゃ!

 すげえエッチい空気が流れている、今こそ押し倒す時だ! 時は満ちた! ふはははは!

 わけのわからない指示が俺の脳内を駆け巡った瞬間、すぐに由香里をベッドに押し倒した。

「あ」

 クッキーが少しこぼれたが、熱いチューの最中だ。俺が全部舐めてやるぜえ。って、俺なんかキャラが変わっとる。

 こっから先は風俗で得た知識でもって、どんどん進めていく。

 対する由香里はまったく初めてのことなのもあって、されるがままだ。いいぞ、初々しい~ほほ~う!

 彼女の服を脱がせて驚いた。

 風俗ロボットと全然違う。風俗ロボットだってそりゃ、ほとんど人間のような肌の質感だけど、細かいところはいまひとつなんだ。でもヤることはできるし、十分に気持ちよく楽しめるが、恋人ロボットはヤることもひとつの目的でもあるためか、見たこともないようなひだとか、色合いをしていた。一番感動したのはおっぱいだ。

 ああ、やっぱりおっぱいを大きめにしておいて正解だった!

 風俗ロボットだっておっぱいは大きい。だけど、作り物っぽさがあるが、由香里はちがう。いい具合に柔らかい。仰向けにしていると、おっぱいが胸いっぱいに広がって、なんていうか、胸の上に風船を乗せたのとは違う垂れ方というか、ふっくらしている。もう、ここに顔うずめていいっすか!

 一気に顔をうずめると、すりすりポフポフ。うわお、きっもちいい~! しかも、乳首の色が風俗ロボットと明らかに違う。きれいすぎるぜ! モモさん(母親ロボット)のおっぱいを思い出せないが、きっと彼女もこんなだったろう。そう、俺は赤ん坊の時こうしておっぱいにすりすりしてそして、これを飲んでいたんだ。ということで、いただきまーす。

「あんっ」

 ・・・ん?

 今までのいい流れを、遮ったもの。

 それは、由香里のあえぎ声。

 字面だけで見りゃ、ここで「あんっ」は正解だろ。

 そうだ。だけど、俺はいきなり萎えた。だってあえぎ声って、もっと可愛い声だろ? 風俗のロボットは色っぽい声であえぐけど、そこまでは要求しないよ。でもよ、今の「あんっ」はねえだろ!

「由香里……声、もうちょっと高くできねえの?」

「え?」

「犬の吠え声えみたいなのじゃなくて、もっと猫っぽいっていうか、高い声であえげ」

「あ、そうなの? 高さまでわからなくて、ごめんね」

 そりゃそうか。

 雑誌や漫画であえぐとか「あん」って書いてあっても、何も知らないロボットが声の高さまで知ってるはずねえよな。しかし、だからってこんな大型犬みたいな声、普通出すか!?

 まあ、仕方がない。

 それからは由香里も高い声であえぐようにしてくれたが、あえぎ声はもうちょっと教えなきゃならん。俺がやってみせることもできないし、どうしたもんか。

 そんなことを考えながら、とりあえずヤることはヤった。

 ま、初めてだし。こんなもんだろ。




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