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怪奇討伐部Ⅳ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
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神のシステム

10時からと言っていたのに一時間くらい遅くなってすいません!

pixivでコピーしようとしたら不具合が発生してしまい、そのままなのでペースはゆっくりになります。ご了承ください。

第三十四話 赦し




「えっ?でも……」


 さっきと真逆のことを言うオレを見て驚くのは無理もない。オレでさえ驚いている。


 ……そうだ、いつも昔の事ばかりと怒られていたオレは、あれから未来の事も考えるようになっていた。だが、それは随分前のことで……。忘れてしまっていたのだろう。


「ちゃんと家に帰って、ヘッジに話を通して、いつでもこっちに来れるように交渉してみなよ。前までそうしようとしてたんだろ?」

「それは……そうだけど……物騒だから先送りになっちゃったんだ」


 物騒、とは『デストロイヤー』のことだろう。あの死神がここまで警戒するとは……。


「じゃあ、レイン。頑張って勝ってくれ」

『……お、おうっ!もちろんだ!……あ、それと呪いは解除しといたから。なぁ、大地の神。ムジナはこっちに戻ってくるらしいから、願いを解除してやれよ』

『えぇ、それならいいわよ。問題ないわ。……本当にいいのね?』


 大地の神は再確認してきた。提示してきたのはあちらなのに。


「そっちが言ってきたんだろ……。気が変わらないうちにさっさとやってくれ。……勝手に進めて、黒池には申し訳ないけどな」


 彼はシチューを作ると張り切っていた。だが、それはどうやら叶わないらしい。……そういやあいつはまだ倒れたままなのか?増援は……?


『黒池って、あの剣の人よね?アメルで戦ってたのよね?』

「知ってるのか」

『あんなにおかしい人は記憶によく残るわ。彼の動向には気をつけることね』

「は?あの正義の塊みたいな黒池に気をつけろ?……あっ、返せよ!」


 またトランシーバーを奪われた。……今度は上原だ。


「失礼、今の発言は名誉毀損に当たりますよ」

『あら、あなたは?』

「申し遅れました。私は黒池の上司、上原といいます」

『そう。上原、あなたのその勇気ある行動は称賛するわ。それにあなたの名前も覚えておいてあげる。でも、神に逆らおうとした第一人者……それがあなただということを知っていることを忘れないで』

「やはり何でもお見通しですか」

『はい。大地の神ですもの』


 何のことなのかはわからないが、上原は命知らずだということがわかった。

 ……今となっては関係の無いことだが。


「……では、環境問題は解決したという認識でよろしいですか?」

『えぇ。……あぁ、あとそちらとこちらの問題は解決したから、これからはこちらに干渉しないでいただきたいの』

「……は?」


 下らないことを考えていると、とんでもない話になっていた。

 ……干渉するな、だって?冗談じゃない。そっちにはまだ人間界に帰ってきてない人間がいるではないか。それこそが人間界と魔界の問題だ。


『昔から神との交渉には、犠牲がつきものだと教えられなかった?……まぁ一介の警察官にはこんなに荷が重い話は釣り合わないわね。……レインさん、あなたが選びなさい』

『な、何でオレなんだよ』

『一番仲が良いからに決まってるじゃない』

『えぇー……』


 こっちに戻ってきたトランシーバーから、レインの嫌そうな声が聞こえる。オレたちだってあんな大雑把なレインに命運を握られるのは嫌だよ。


「……レイン」

『……オレだってお別れは嫌だよ。また会えるからと思って帰したのに、こんなのひどいよ……』

「違う。オレはそう言いたいんじゃない」


 オレは優しく語りかけた。


『じゃ、じゃあ何なんだよ?』

「振り出しに戻っただけ。いろんな奇跡が合わさって、あの旅があっただけなんだ。だから、もう一度奇跡を起こせばいいだけ」

『奇跡なんて起こせるわけない!』

「起こそうとして起きるものじゃない。もうオレは力を失って、死神に対抗できるだけのただの人間になってしまったけど、これから同じことを起こすかもしれない人間がいるかもしれないだろ?」

『……本当?』


 さっきまで気を荒くしていたレインが、尻すぼみの声を出した。……オレの考えていた悪魔像とは全然違う、『レイン』としての声だ。


「本当だ。……な、マリフ?」

「え?!……あ、うん、そんなこともあるんじゃないかなー?!」


 急に振られたマリフは明後日の方向を向いて言った。……自分だけ帰れるテクノロジーがあるから関係ないとでも思っているのだろうか。


『そっか……そうだよな!それに、こっちの問題も解決したらヘッジに頼めばいい!』

「あぁ。その時を待ってるよ」

『……ってことだ、大地の神。条件を飲むよ』

『わかったわ。……マリフさん、カメラを砂漠に向けられるかしら?』


 頷いて合図したのに合わせ、マリフはボタンを押した。すぐさま小さな画面にジャングルと見間違えるほどになっている砂漠が映し出された。

 マリフがもう一つボタンを押すと、トランシーバーの向こうで驚きの声が上がった。

 あのラジコンカー、投影機まで仕込んでいたのか。マリフ、恐ろしい奴め。


『わー、こんなに効果てきめんだったのね』

「見たことなかったのか?」

『神は願いを叶えたあとはお役御免なの。この先どうやっていくのかは願いを叶えた彼ら次第。善に転ぶのか悪に転ぶのかは、そんなの知らないってやつよ』


 ____……ひっでぇシステムだ。


『あ、今、ひどいシステムだとか思ったでしょ』

「何でわかっ……神だからか」

『神だから。……もう茶番はいいよね?木を消すと同時に、ムジナさんを送る。いいわね?』


 その言葉にオレはムジナに視線を向けると、彼は何とも言えない顔をしていた。


「誰か酔い止め持ってない……?」

「大丈夫だって!酔わないように調整してるから!……多分」


 ムジナの横でマリフが陽気に彼の背中をバシバシと叩く。……と、その後ろでイリアが申し訳なさそうに覗いていた。


「ムジナさん行っちゃうの……?」


 家では呼び捨てだったが、事の重大さを知ったのか、さん付けで呼んだ。


「イリア……」

「もう帰って来れないって本当?」

「だ、大丈夫!死神だもん、戻って来れるよ!」

「本当に?」

「ほ、本当だって!もっともっと鍛えて、イリアに会いに行く!それが目標だよ!」


 ムジナは腰に手を当て、胸を張る。

 それを見たイリアは、こらえきれずにその胸に飛び込んだ。

 ……そしてすぐにすすり泣きが聞こえてきた。


「絶対……絶対だよ?お友だちは……ムジナだけなんだから……っ」

「……うん。だから待っててね」

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

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