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怪奇討伐部Ⅳ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
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悪魔、教会で暮らす

ムジナくんはかわいい!


あ、今回は教会ルートなんですが、実は友達にどっちか選んでもらったものなんですよね〜

孤児院ルートはエグいものになる予定だったので、教会ルートになって良かったです

第十四話 死神と教会




「Alex...What should I do?」

「Hmm...The church?」


 やはり聞きなれない言葉が飛び交っている。

 ここはアメリカのどこかの駅だ。

 先程渡されたスマートフォンが勝手に訳してくれているが、変わるのが早すぎて読めていない。


「You are always saying that!」


 またそういうこと言って……。と書いている。なんかまずそうなところだけちゃんと読めたんだけど……見なければ良かった。というか『また』とはどういうことだろうか。


「……あ、あの……」

「ごめんね、ムジナくん。アレックスはいつも教会に連れ込もうとするのよ……。熱狂的な信者でね……」


 ちら、とアレックスさんを見る澪さん。

 アレックスさんはポケットからスマートフォンを取り出し、文字を打ち始めた。


「だ、大丈夫。澪さんがいてくれたら止めてくれるんでしょ?」

「えぇ。ムジナくんまでもが信者になっちゃったら私、困っちゃうもの」


 にこっと笑う。澪さんに背中を押され、オレたちは到着した電車に乗り込んだ。


「Mio...Sorry.」


 しばらく乗っていると、アレックスさんが申し訳なさそうに手を後頭部に回して謝ってきた。


「……うん」


 それに澪さんは、ふふ、と笑って首を縦に振った。


 ____やっぱり人間は興味深いなぁ。


 ……オレは自然と顔が綻んでいた。



 数十分間の電車の旅も終わり、オレたちは改札を出て三人、向かい合って話を始めた。


「……しばらく考えたんだけど、やっぱりムジナくんは教会に行った方がいいわ」

「教会……?」

「そうよ。教会、知らない?」

「聞いたことない」

「そっか……ちょっと貸して」


 澪さんはスマートフォンを受け取り、ぱぱっと検索した。そこに書かれていたのは『教会 とは アメリカ』という言葉だった。

 検索結果で出てきた画像を見てオレは目を大きく見開いた。


「……綺麗」

「でしょ?今からそういうところに行くのよ」

「うん」


 オレは二人のあとを追い、アメリカの町を歩んだ。

 大きな木があったり、車がビュンビュン通ったり、あっちには絶対にいないだろう鳥がいたり……。

 人間界は優しい人や面白いものがいっぱいだ。オレは本当に運がいい。……だが、本当にどうやって帰ろうか。



「……ここが教会?」


 大きなお屋敷が目の前にある。クノリティアのお屋敷よりは小さいが、ボロボロではなかった。むしろ他の家より新しく見える。


「そうよ。……シスター、いますか?」


 澪さんがドンドンと扉をグーで叩く。

 しばらく経つと、髪の毛だけでなく全身を黒に限りなく近い紺の布で隠した女の人が出てきた。この人がシスター……。


「どなた?……あら、アレックスじゃない。……その子たちは?」


 シスターは澪さんとオレを交互に見て言った。

 この人も日本語喋るんだ……。というか扉を叩いたのは澪さんなのにどうして知らなかったんだろう?


「澪です。この子はムジナくん」

「……ん」


 オレはペコッと頭を下げた。


「ようこそ、澪さん、ムジナくん。教会というのはどういう方でも受け入れます。どうぞ、上がっていってくださいな」


 シスターに促され、オレは少し躊躇しながら入った。

 オレは死神なのでちょっとピリッとした。が、失神するほどではなかった。


 その後、一時間ほどアレックスさんと澪さんとシスターはオレのことを話すために別室にいた。……肝心のオレはというとただ一人、放置されていた……。


「……そうですか」

「えぇ。大丈夫です、ムジナくんの命は保証します。神に誓って……」


 扉の向こうの声が近づいた。

 恐らく話が終わったのだろう。

 そう思った直後、扉が開いた。

 部屋から出てきた澪さんとアレックスさんは安心した表情をしていた。


「よかったね、ムジナくん。ここで住んでいいのよ」

「えっ?」


 オレは驚きのあまり口を半開きにしていた。

 ……どうやら三人はオレがここにいてはいけない存在とは気づいてないらしい。それはそれで厄介だ。


「どうしたの?やっぱり帰りたい?」

「う、ううん。背に腹は代えられないよ……ってそういうことじゃなくて!……よろしくお願いします」


 オレはシスターに頭を下げた。


 その後、澪さんとアレックスさんに別れを告げ、オレは教会で仮だが住むことにした。……まぁすぐに出ていくだろうけど。


「ムジナくん、これがあなたの修道服よ。……ちょっと大きいかもしれないけど」


 そう言って渡されたのは、死神のローブと同じ黒の服。……まさか修道服なんてものを着る時が来るとは。


「……おっきい」

「ごめんね。あ、あとそのカラコン取っておいてね。赤だと悪魔に間違われるからね」

「……うん……」


 やっぱり悪魔だと信じられないんだなぁ……ていうかカラコンて。どこをどう見たらカラコンに見えるのだろうか。

 ……とりあえずどこかで黒のカラコンを買うか、魔法で黒く見えるように騙そうかな……。


「まずは御奉仕について学びましょう」


 ……ここからのことは覚えていない。

 それより疲労が勝ったため、記憶が飛んだようだ。


 ____死神には無理だろ、こんなの……。


 オレは大きなため息をつきながら、用意された部屋のベッドに身を沈めた。


「んー……むにゃむにゃ……」

「……ムジナくん。ムジナくん!」


 渡されたペンギンのヌイグルミを抱きながら寝ていると、シスターであろう人がオレを揺さぶり起こそうとしてきた。オレはとんでもなく眠いが、仕方なく起きることにした。


「んぅ……なぁに……?」

「朝ですよ」


 シスターの言葉に、オレは寝ぼけ眼で窓の外を見た。


「……まだちょっと暗い!?」

「ほら、行きますよ」

「いーやーだー!?」


 ……こうして、オレはずるずると聖堂に連れていかれた。



 ____そういえば昨日ほぼ寝かけてたから聖堂ってのちゃんと見てないかも。


 連れていかれながらそう思ったオレは、皆が祈っている間、ちら、と周りを見ることにした。


 たくさんの長椅子が並んでおり、前には荘厳な机が置かれていた。

 その上には杯があり、長い前置きのあとその中身を飲み下している。

 上を見ると、ステンドグラスがあり、そこから漏れる光が聖堂を照らしていた。


「……みんな……」


 ……オレは誰にも聞こえないような声で呟いた。



 ____数日が経った。

 魔界はまだ一日しか経っていないだろう。

 オレはかなり慣れた手つきで修道服を着る。


 ____見ているか、ノート!悪魔でも教会に入れるんだ!


 ……と、心の中で呟いた。まぁ誰にも聞こえないんだけど……。


「日曜日か……」


 オレはカレンダーを見、すぐに聖堂に向かった。


「多っ!!」


 聖堂にはたくさんの人がいた。

 オレが驚いていると、シスターがオレより後に入ってきて、早いオレを見てひどく驚いた。


「あらあら、もう来てたの?早いですね」


 シスターはニッコリと笑い、オレを聖堂の脇に案内した。


「今日は信者さんたちがたくさんいらっしゃる日です。だからここで見守りましょうね」

「信者さん……」


 この大勢が信者なのか。

 どう考えても多すぎだろ。


「ん?あれは……」


 新たに入ってくる信者の中に、目立つ金髪が見えた。……あれってまさか。


「イリア!」

「あっ、ちょっ、ムジナくん?!」


 突然走り出したオレにシスターは手を伸ばすが、その手は空を切った。

 その代わり、オレは金髪の少年の腕を掴んだ。


「誰?……ってあなたは……!」

「やっぱり、イリアだ!!」


 知ってる人に会えたことの喜びで、オレはイリアに抱きついた。

 まさかここにイリアがいたなんて……!


「く、苦しいよ、ムジナさぁん……」


 イリアは困った顔で呻いた。

 シスターも周りの人も何があったのかわからないという顔をしている。


「ムジナくん、知り合い?」


 面食らっていたシスターは恐る恐るオレに尋ねてきた。

 オレは力強く頷き、再びイリアに抱きついた。



 お祈りが終わり、皆がゾロゾロ帰っていく中、イリアとオレとシスターは別室にいた。


「ムジナさん、どうしてこっちに来たの?」

「暇でさぁ……」


 ……と言って、ちら、とシスターを見る。

 イリアはオレが死神だと知っているし、さらに見当違いの教会なんてところにいるので話を合わせてくれている。

 確かにオレが死神だと知ったらどうなることか……。


「帰れる?」

「無理かな……多分」

「お兄さんに話は合わせられないの?」

「最近忙しいみたいで、バルディさんとお姉ちゃんしか話してないんだ」

「そっか……」


 うーん、とイリアは考えだした。

 そしてしばらく経ち、口を開いた。


「なら、家においでよ」

「えぇ?!」


 見事にオレとシスターの声が合わさった。

 イリアの家かぁ……面白そうだけど、ベアリムさん、オッケーしてくれるのかな……?


「ホームステイならいけるでしょ?」


 ホームステイと聞いてオレは澪さんのことを思い出した。今、どうしてるかな?


「ホームステイって建前ならいい……のかな?」

「いや質問に質問を返されても」


 と言いつつイリアはスマートフォンを操作しだした。そしてシスターに会釈し、部屋の外に出た。どうやらベアリムさんと電話しているようだ。


「……うん、わかった。うん。うん。……じゃあね、切るよ」


 部屋に戻ってきたイリアの表情は明るく、オレの顔を見て親指を立てた。

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

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