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怪奇討伐部Ⅳ-Star Handolle-  作者: グラニュー糖*
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悪魔、アメリカに降臨する

ムジナくんはかわいい!ムジナくんはかわいい!(半壊)


ここから3話、頭を空っぽにして楽しんでってくださーい

第十三話 ムジナの秘策




「あー、お兄ちゃん帰ってこないじゃーん!!」


 書斎で一人、いらなくなった書類を折り紙のように折って遊んでいる男が一人……って自己分析しちゃうほど暇なんだよねぇ……!!


「バルディさんもいつの間にかいなくなってるしー……はぁーあ」


 そう言ってオレは頬杖とため息をつきながら、紙飛行機にした書類を飛ばす。

 外にも遊びに行けないなんて暇の極みだ。こうなったら書類全部を紙飛行機にしてやろうか。


「そうだ、人間界なら安全だよね?」


 オレはバッと立ち、お姉ちゃんがいないことを確認した。とりあえず氷像でも作ってカモフラージュしとこう。


「えぇーっと、召喚の魔導書どこ置いたっけなー」


 今、ヘラの家に置いてあるものの他に自分で作った召喚の魔導書が存在している。シフを召喚したものよりグレードアップしたものだ。


「あ、これだ!……どのページだっけ」


 ブツブツ言いながらめくっていると、お目当てのページにたどり着いた。そこにはいかにも召喚術ですというような魔方陣が書かれている。いわゆるゲートだ。


「ふふーん、これをちょーっと弄って……っと!できた!」


 オレは魔方陣をページから引っ張り出す仕草をし、そのまま手を床に向けて振り下ろした。


「よーし、突入!」


 オレは水辺で飛び込みをするように息を止め、目を瞑って魔方陣に飛び込んだ……!


「あ、薬忘れた……ま、いっか」


 振り返った時にはもう魔界は彼方にあった。


 __________


「ん?」

「どうした?黒池」

「い、いや……何もないです」

「そう?それならいいが……」


 あの飛行機の騒ぎから数日が経ち、僕たちは無事にエジプトに到着していた。

 さすがに暑いのか、師匠はマントを僕の鞄に突っ込んでいた。


「師匠、そのグレーの着物、暑くないんですか?帽子も黒ですし……というか全体的に黒いですし……」

「暑いに決まってる。それよりほら、来たぞ。エジプト警察の車」


 師匠の指差す先を見ると、確かに車が一台走ってきた。そして目の前で停車する。


「コンニチハ、黒池サン」

「わわっ?!こ、こんにちは!」


 車の窓を開けて片言の日本語で挨拶したのはワイルドな男の人だった。かっこいい、一目でそう思った。


「ソチラノ人ハ?」

「リストだ。本名は難しいと思うからそっちで呼んでくれて構わない」

「デハ、黒池サン、リストサン、ドウゾオ乗リクダサイ」


 彼の言葉に甘え、僕たちは車の扉を開けた。周りの人が怪訝な顔をしているが、僕は別に何も悪いことはしていない。


「へぇ、広いな」


 師匠はキョロキョロ見渡している。


「来客用デスカラ」


 その言葉に彼は笑いながら答えた。

 ……日本語が上手だ。


「そういえば日本の車を見かけますね」

「コノ国ニハ、多イデスカラネ」

「……わりと……もぐもぐ……栄えてるんだな……もぐもぐ」

「師匠ってば……」


 僕はまた何かを食べている師匠を見て呆れていた。

 それをエジプトの彼は笑い飛ばした。


「ハハハ。リストサンハ、ヨク食ベルト聞キマシタカラ。大丈夫デス。……到着シマシタヨ」


 車を停車させ、彼は僕たちをホテルに案内した。師匠は降りるやいなや「暑い!」と騒いでいる。


「我慢してください、師匠。最近どんどんキャラ崩壊してきてますよ」

「しょうがないだろ、緊張の糸が切れたんだから」

「緊張の糸、ですか……」

「……そんないかにも残念そうな顔をしないでくれよ」


 そう言いながらホテルに足を踏み入れる師匠。そんな彼を僕は少し寂しそうな顔で追いかけた。


 __________


「あいててて……ここどこだ?」


 しばらくの空間の狭間の旅を終え、オレはどこかの緑溢れる公園らしきところに墜落した。

 キョロキョロと見渡し、周辺に魔力が無いことを確かめる。そして頭の中の考えは今、確信へと変わった……!!


「やった……やったぞ!成功だ!」


 頭に緑の葉っぱを乗せながら、オレは両手を上げて喜んだ。

 まさか成功するとは思わなかった。やっぱり改造して正解だった。


「でもここどこなんだよー」


 オレは服に付いた枯れ葉を払い落としてその公園を歩き出した。ここだけじゃどこの国かわからない。

 気まぐれでヘラから借りた人間界についての本を読み、たくさんの国があることは覚えたが、公園なんて一回しか読んでない。無理、詰んだ。


「ん?なんだ、人がいるぞ」


 開けた場所では数人の人間たちがダンスを踊っていた。見ている人は少ないが、その技術は素人のオレでもすごいものだと感じた。


「Which is good?」

「え?」


 突然話しかけられ、振り向くとサングラスをかけた男の人が笑顔で立っていた。

 う、うぃっちいずぐっど?


「Haha!tourist?」

「あ、あわわ……」


 なんだ、何いってるんだ?つ、つありすと?意味わかんないんだけど……!!


「Stop,Alex.あの……ごめんね、怖かった?」

「な、何?何言って……」


 さっきまで話していた男の人の肩を持ち、代わりに女の人が出てきた。彼女は彼を「Alex」と呼んでいた。……じゃあこの人は?


「君は日本人かな?」

「……違うよ」

「うーん、ハーフ?でも髪の毛黒いし……」


 女の人は頭を抱える。

 とりあえず本題に入らなくては。


「ここはどこの国?」

「あれ?友達と来たんじゃないの?それとも修学旅行のしおりを見ずに来ちゃったのかな?……まぁ、ここはね、アメリカよ」

「アメリカ……?」


 アメリカ。ヘラがよく言っていた国の内の一つだ。かなりすごい国だと聞いている。少し怖いが、施設やらが充実していて、ランダム召喚にしてはかなりアタリの国だ。


「アメリカには、明るい人が多いの。アレックスみたいにね。そういえば君の名前は?」

「ムジナ」

「そう。ムジナくんね。でもごめんね、私は日本人だし、ホームステイしてる身なの。だからムジナくんを泊めることはできないわ」


 彼女はオレの頭をポンポンとし、ポケットから四角い物を出した。そしてそれをオレに向ける。


「?」

「これはキャラメルよ。ムジナくんにあげるわ」

「キャラメル……?」


 オレはキャラメルを手に取り、まじまじと見つめた。白い紙に包まれ、薄く中の色が見えている。


「食べてごらん」

「……はむ……んー!」

「ふふ、甘いでしょ?」


 女の人は長い黒髪を耳にかけ、クスクスと笑った。

 確かに甘い。甘くて美味しい。食べたことない味だ。

 みんなに食べさせてやりたい。でもここは人間界。どうやって戻ろうか……。


「……う、うぅ……」

「ど、どうしたの?虫歯だったかな?」

「みんなに……会いたいよぉ……」


 オレの言葉に彼女は口を結んでしまった。

 誰も話さなくなってしまった公園の一角では、陽気なダンスミュージックのみが流れていた……。

どうも、グラニュー糖*です!

現在、「怪奇討伐部完結直前・pixivと同じところまで進める祭り」を開催しております!

こっちでは表紙を載せられないことが本当に残念ですが、楽しんでいただけると幸いです。

本当はイラストを見て読むほうが良いんですけどね!


なお、pixivからそのままドンしてるのでルビやら何やかんやがpixivのコマンドのままになっている場合があります。それを見つけた際はお手数ですがお知らせしていただくととても嬉しいです。もちろんコメントなどもお待ちしております!


ではでは〜

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