違和感の始まり
「どうしてすぐに話せないの?」
こんな言葉を何回投げかけられただろうか。
私は幼少期から言いたい言葉があっても直ぐに話すことができなかった。小学校の低学年頃までは何の問題もなく生活できていたので両親も特に気にする事はなかった。
しかし、ある日の国語の授業で教科書の内容を1人ずつ音読していく機会があった。自分の番が回ってきて、いざ読もうと思った時に突然口元に違和感を覚えた。読めない漢字があるわけでもなく、たった15文字程度の何ら大した事ない文だった。
けれど何故か読めない。まるで喉が閉じているような感覚に陥ってしまい教室は冷暖房の音しか聞こえない。私は周りの友達や先生からの視線を感じて赤面してしまった。
「〇〇ページの4段落目よ。」
先生は私がどこを読めば良いのか分からないもんだと思っていたのか、私が読む場所を教えてくれた。
「読めません。」
しかし、私は唐突にこう答えた。
周りの友達がざわつき始めて先生が仕方ないなという表情をしながら次の生徒へ頼んだ。私は終始顔を赤面させて俯いていた。
「キーンコーンカーンコーン♪」
授業が終わり仲のいい友達が近づいてきた。
「体調でも悪いの?」
そう言って背中をさすってくれた。しかし、私はいたって健康で困惑していた。先生にも心配されて保健室に連れていかれた。
熱を測ってみても平熱で身体のだるさなども感じられない。先生が念の為と言ってお母さんに連絡を取り早退する事になった。
「大丈夫?病院行く?」
お母さんはそう言って車を運転していた。
「別に大丈夫。」
私はこう答えて家に帰宅した。