1部 世界がうちらを待っている♪3
よろしくお願いします。
3話 覚醒
サラ・イザークの意識は今、魂の深層に留まっている。
封印中のギフト・スキル・加護・魔法が魂を通じて身体中に浸透し始めている。
サラは意識の中で女神ニケと対話する。
『サラ、分かりますか?聞こえますか?』
「初めまして、女神ニケ様でしょうか?」
ニケはサラの意識に金色の光の集りで登場した。
『聡い子ですね、あなたは今死の淵から舞い戻る為、私が与えてあなたの成長に合わせて解放しようと留めた恩恵が一度に体に流れています。
暫く体が馴れるまで無茶してはいけませんよ。』
「父様や母様は・ゼアスは大丈夫ですか?」
ニケはサラの無意識下での戦闘シーンを脳内データーから投射する。
「これ・私?」
『そうですよ、戦乙女サラです。
貴女はこれからいろいろな処に赴いて貴女とペアを組む者とあなた達の力で越えて行かなければなりません。』
「達?ですか?」
『転生神トリビュートが加護の者と貴女は出会うでしょう。
そしてその者と貴女は旅立ち、あなた方の力で前に立ち塞がる様々な難題を二人の力で乗り越えるのです。」
「何故そのような方と出会って旅するのでしょう?」
『トリビュートが三角くじ・・・いえ、運命ですね、うん!そう!!運命ですよ♪』
「今なんとかくじって・・・?」
『さぁ!サラ!!もう目覚めて両親を安心させてあげなさい。』
ニケは去り、サラの意識はトプンと深層の底に沈みバッと意識が頭に戻る。
ゆっくり目を開けて、側にいるエカテリーナに目を移す。
「かあさま?」
「サラ、あぁっ!気がついた、よかった、よかったぁ!」泣きながらサラにおい被さるエカテリーナ。
フォンテッドも駆け付ける。
皆無事な事に安堵するサラ。
フォンテッドは帝都に帰還後、事のあらましを小隊長達に纏めさせて副大臣にあげさせる。
合わせてシャルロット皇帝陛下に報告をしに行く。
「御家族が無事で何よりです。
何よりです!
サラちゃんは・・・無事ですよね?
今日はサラチャンキテナインデスカ?
ナニシニキタンデスカ?」
皇帝がおこわれになりました。
「申し訳ございません、サラは皇帝陛下にご挨拶に参上しようとしていたのですが、何分あの様な事があり心身共に衰弱しておりますゆえ、平にご容赦を。」
ウソだ、おおウソだ!面倒クサカッタ。
「まぁそうでしたのね、可哀想なサラちゃん。
分かりました、私が参りましょう!」
またまた慌てて皆に止められるシャルロット。
フォンテッドは捕らえた者を尋問するのでと伝えると、直ぐ様処刑しなさいと喚くシャルロット。
最早是非もなし、そそくさとその場を後にした。
幸にも、捕らえた者以外に此方の国に侵入した者はいないようだ。
捕らえた者はオーデュロー王国に報告書と共に引き渡す事になった。
後日オーデュロー王国より第1王子と使者が訪れた。
「この度ディライア帝国には多大な御迷惑を御掛けしまて、誠に申し訳無く思います。」
シャルロットは
「此方では危うく大切な者を失うところでした。
2度とこの様な事が無い様に御願い致します。
その者が無き者になっていたら、戦争も厭わない所でしたから。」
オーデュロー王国使者一行は皆顔を青くする。
平に謝り、シャルロットとサラに謝罪の意を込めてオーデュロー王国側に怪我や心、美肌効果等癒しの効果がある温泉に招待した。
「サラちゃんと温泉、・・・。
オーデュロー王国の謝意はしかと受け止めました!
共に平和な国作りを進めて参りましょう、
何か困った事がありましたらどうぞ頼ってくださいね。」
御機嫌なシャルロットは使者を歓待した。
なにやら顔を赤らめ、温泉温泉と連呼していた。
後日、オーデュロー王国領地都市ザハインより少し離れた温泉地ユモト街。
今回、ディライア帝国皇帝を招くと言うことで村へのてこ入れが行われた。
急ピッチな温泉地の増改築と整備が行われて、温泉村から温泉街へと変貌を遂げた。
両国の厳重な警備の中、キャッキャウフフな声をあげるシャルロットとサラ。
シャルロットは至福の時を迎えていた。
パシャパシャ!
「キャー!お湯がかかりましたぁ。」
「ウフフッ!これでお肌綺麗になるわよお!」
「マンリィ様、お湯が目に入りますぅ。」
「どれどれ?サラちゃん目を見せて?」
シャルロットはサラに顔を近付けて目を見るフリをする。
(サラちゃん、可愛い♪)
顔を赤くするシャルロット。
「マンリィ様?お顔赤いですよ、もう出られます?」
サラに勘違いされたシャルロットは、しかし御満悦であった。
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