逃げた先には
キルト視点です
「お父さーーー
ーん」
突然目の前の景色がガラッと変わった。
さっきまでは自分が住んでいた町だったのに、景色が一瞬にして変わった。
いや町の色々な所が壊されていて、とても住んでいた町とは言えないが、それでも自分はその町にいた
だが突然目の前が変わり全く違う所になった。
さっきいた場所と違いすごく綺麗な町並みだ、前に住んでいた町は至る所に高い建物があったが今目の前にある町は高い建物こそ無いが、自然豊かで平和だという事が分かる。そしてもう一つ大きく違う部分がある、それは人間とは違い獣人がいるという所だ。
目の前にはたくさんの獣人がこっちを見ていた色々な獣人がいる
ウサギの獣人や猫の獣人や熊の獣人
その他色々な獣人が色々な服を着て歩いていた。お母さんは服を払い、その場を立ち上がった。
そして一人の熊の獣人こっちを見て、
「そんなボロボロな格好で一体どうしたんだ?」
と不思議な者を見るような目で僕達を見ていた。すると母さんが
「転移魔法でここに逃げてきたんです、それよりミミルトさんって知りませんか?」
「あんたミミルトの知り合いかい?」
「はい 内の旦那の師匠の人です、以前にも1度会った時があります」
「そうなのか。あんたの旦那は人間だよな?ミミルトの弟子で人間って言えばあのクラークって言う子かい?」
「はい、そうです」
母さんは悲しそうにしながらそう返事を返した。
それを察して 熊の獣人は何も聞かず
ミミルトっ言う人の家が何処にあるのかを教えてくれた
僕と母さんは色々な獣人に見られながら、そのミミルトっいう人の家まで歩いて行った。周りを見回しても僕と同じような人間が一人もいない。不思議な町だ。
ふいに今までの事を思い出した
父さん達が黒い何かに囲まれて一緒に来られなかったと言う事を
そして
「ねぇお母さん お父さんってどうなったの?」
「、、、、」
すると母さんは泣きそうな顔になりながら、顔を伏せて黙っていた。
「死んじゃったの?」
母さんは震えながら小さな声で
「たぶんね、、、」
と静かに答えた。
僕はその言葉聞いて涙が溢れてきた。さっきまで父さんと相手が戦っているのが分かったいた
でもどんな戦いだったかは、見ていても速すぎて全然わからなかった。
でも守ってくれていたのは分かる。ただただ音と衝撃が色々な所から響いていた。
でも途中で相手の人がこっちを向いたときに、父さんが1人を倒したのが分かった。
それからもっと音や衝撃が速くなった。
それで母さんがあと15秒って言ってから、父さんが黒い何かに囲まれていった。
「で、でも父さんだったら生きてるよね?」
すると母さんは涙目のままの笑顔で
「そうだったらいいわね」
まるでもう信じていないかのように答えた。
でも僕は父さんが生きているを信じておこうと思いぐっと涙をこらえた。
まだ父さんは生きているはずなんだから、涙はその時にとって置こう。きっとまた会えるんだから。
「ここがそうね」
僕と母さんは木で出来ている家の前に来た。家の表札には可愛くミミルト と書いてある。
「よし」と呟くように母さんが気合い入れた。
「すいません」
と言いながらドアにノックをした。
すると中から
「はーい、誰かしら?」
かわいい白猫の女の子の獣人が出て来た。
身長は僕より少し高いぐらいで、目は黄色の可愛い子猫の獣人だった。服装はもう昼なのに関わらずパジャマ姿だった。
僕はそのミミルトと言うひとの子供かな~思っていたら、母さんが
「お久しぶりです ミミルトさん」
「え?」
「えーと誰だ.....あっ、確かクラの奥さんのメルさんだね?」
「はい そうです」
「でっ そこにいるのが クラと貴方の子供の前に言っていたキルト君だね。ここまで成長したのねー、やっぱり子供の成長は早いわね。ん、そう言えばクラは何処にいるの?」
ミミルトさんは僕達の周りを見回しながらそういった。
すると母さんは目を伏せてから、泣きそうな表情でミミルトさんを見て、
「その事でここに来ました」
するとミミルトさんはその事を察したのか真面目な顔をして、
「分かった とりあえず中に入って」
するとミミルトさんは僕達を家の中に入れてくれた。
僕は本当にこの人が父さんの師匠だと言うことを信じられずにびっくりしていた。でも母さんとミミルトさんの話を聞くに本当に父さんの師匠なんだろう。
家の中は僕達人間達と何ら変わりが無かった、そして家に入って奥の部屋に行って、みんなが座ってからミミルトさんが真剣にな顔で真ん中に置いてある机に体を乗りだして
「で、クラはメルさんに何をしたの?暴力?それは流石にないか。って事は、まさか浮気?あの子の事だからそれだけはしないと思っていたんだけどね。あの子面倒くさがりな性格をしているくせに変に断るのが下手だからね。でも信じてあげて、あの子からアプローチはしていないはずだから」
母さんがポカーンという顔をしてから慌てて
「違います、違います、そう言うのじゃないんですよ」
母さんがそう言うと、ミミルトさんは目をパチクリさせて。
「えっ......と クラとケンカしたんじゃないの?」
「違います 実は、、、」
と言ってから母さんは魔人族達が攻めてきた所から現在の父さんを置いて逃げてきた所まで話をした。
そして母さんと途中に泣きそうになりなりながらも、起こった事を全部話をした。
「.....と言う事です」
ミミルトさんは途中から暗い表情になり、最後まで黙って話を聞いた
「そうことね じゃあクラがそんな状況で(王の時間)を使ったってことは....」
「はい 恐らく...もう...」
母さんがそう言うと、二人とも黙って間にある机を眺めていた。
するとミミルトさんは母さんの方を向き小さな声で
「大変だったね」
そう言いながらミミルトさんは目に涙を溜めている事が分かった、母さんはその言葉を聞いて無言で頷いた。
ミミルトさんは目に溜めている涙を腕で拭いてから
「で、どうするの?もう戻らないんでしょ?住む所が無ければ、ここに住んでもいいけど、ここの町じゃ、人間っていうだけで珍しいし、贔屓してくれるわよ」
とミミルトさんが提案してくれた、すると母さんが
「お邪魔じゃなければ、お願いします」
「いいの いいの 1人じゃ広いぐらいだし」
とミミルトさんは小さい背を大きく広げ、少し明るく言った。
こうして、これからはミミルトさんの家にお世話になることになった