幼女降臨
拙い作品ですが、ご容赦ください。
いつまでもいつまでも、追ってくる追手に俺は閉口した。もうかれこれ、三十キロくらいは走ってるんだぞ。ガソリンが、あとちょっとで底を尽きそうだ。アクセルはもうこれ以上踏み込めないっていうくらい踏み込んでる。でも、バックミラーを見ると黒いワゴン車はぴったり俺の後ろについてきていやがる。
さっきは逃げるのに夢中で、どんなヤツが乗ってるか、確認しなかったけど、ちょっと気になるから確認してみよう。俺は首を後ろに向けて、追っての顔を確認した。
何!? 金髪!? それにすごい美人だ。楊貴妃と、小野小町と、クレオパトラを足して2で割ったくらい美人だ。あれ? でも、これだと、世界三大美女より、美人ってことにならないか。だって、このままだと、後ろの女1.5三大美女じゃん? 無論、この理論は、楊貴妃と、小野小町と、クレオパトラが同じくらい美人であると仮定している。もちろんこの三人の美人の美人度はすべて同じでなくとも、今の計算で出した美人度では、今俺を追ってるやつの方が美人であることはある。したがって、世界三大美女がすべて、同じような美人度である必要性は皆無である。しかし、ここは話を簡単にしたいじゃないか?いちいちでは、まず、楊貴妃の美人度をx、小野小町の美人度をy、クレオパトラの美人度をzとして・・・・・・なんてことをしなくてもいいだろう。このあと、不等式をごちゃごちゃこねくりまわして頑張って、美人度について考えても時間の無駄だろう? あっ、やべー自分でも何言ってのかわかんなくなってきたわ。今言ったことは忘れてくれ。ちなみに、世界三大美女に小野小町を入れてるのは日本だけね。アイアムジャパニーズ。
さてと、状況を整理しよう。俺は、今、東京を一挙に消滅させる威力をもつ、反物質爆弾の入った黒いアタッシュケースを運んでいる。そのアタッシュケースを狙ってるのが、後ろの美人の所属するSCRAPという組織。俺はそのSCRAPから、この東京を守るために必死になって逃げてる。
――ガタガタ・・・・・・
どうする? これをボンベ博士のもとにまで運ばないと東京はこの反物質爆弾で廃墟になっちまう
――ガタガタ・・・・・・
さっきから、後ろの方で音がする。なんじゃいな? この車の中での生命体は俺だけなはずなんだけど。
後ろのことも気になるんだけど、どっちかって言うと、今俺は前の方がきになるかなぁ。だって、もう道がないんだもん。前には見渡すばかりの青い海が広がっております。速度メーターも時速300キロ超えてるしなぁ。このままブレーキかけても海にドボンじゃん。なんか、バックミラーみたらもう後ろの追手ついてきてないしさぁ。まあ、後ろの追手の方が賢かったんだろうなぁ。もう道が後、100メートル内のに時速300キロ出す人はそりゃあいませんよね・・・・・・
でぇぇえぇぇぇもぉぉぉぉぉぉ!! この車はボンベ博士が作ってくれた特別製の車なんですよぉぉお!! だから、こうやって、ブレーキとアクせルを全開まで踏みながら、ハンドルを両手で思いっきり、引くとぉぉぉぉおぉぉぉぉ!!
潜水艦になるんですよ。翼が生えて飛ぶかと思いました? 外れです。予算の問題が大きくて、なぜか潜水艦になっちゃったんですよ。まぁ、とりあえずこの車は潜ります。これで、追ってからは逃げられることでしょう。良かった良かった。東京の寿命がまた、俺のおかげで伸びましたね。
さてと、タバコでも吸うか。あ、その前に自動運転ボタンをオンにしとこ~。こうすればもう安心だわ。あとは、自動で、アジトまで連れてってくれる。ふう。いい仕事したなぁ。
俺はタバコの煙をふーーーと吐いた。一服一服。仕事終わりの至福のときだなぁ。なんか昭和くせぇけどまあいいか。
「コホ、コホ、コホ、煙いよぉ、おじさん」
はっ、と後ろを振り返るとなんとそこにはかわいい幼女がいらっしゃいました。