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ぼくの詩集

飢え

作者: 桜井あんじ

ああ なにかがほしい

ああ なにか が ひつよう ぼくには

でも なにが わからない


ああ なにか が おなかから でてくる

のどが うえっ て なる

ああ くるしいのです

なにかが 巣食っている ぼくのなかに

いたいのです みぞおちのあたりが


なにか が たりないのか

それとも

なにか が よぶんなのか

それすらよく わからない


ああ 書きたい 書きたい

ことばを かきたい

しかし ことばは 出てこず

指先ひらひら あそぶだけ


ああ うごきたい うごきたい

しかし ぼくの足は その一歩をふみ出さず

ずっと 足ぶみ


ああ ゆきたい ゆきたい

どこかへ 行きたい

しかしいったい どこへ むかえば良いのか

ぼくは とほうに暮れ 

ただ きょろきょろと 見回すばかり


ああ どこに行けば

ああ 誰といれば

ああ 何をすれば


正しいことをしている感じ

それが ほしいのです

世間の常識 過去のデータ

植えつけられた先入観 学んできたこと 

義理 義務 情 執着

そういったものが みんな 吹き飛んで

ただ 真っ直ぐな道が 目の前の荒野に続いている

そんな光景がみたいのです

捨てきれずにいるものたち ぜんぶ 脱ぎ捨てて 

真っ裸で

とても 清々しい気分に なりたいのです

思いきり 走りたいのです

欠けているものも

余分なものも

何ひとつ 無いみたいに

あの 空にかかる 月のように


さみしくない

かなしくない

もう 痛くない

そんなふうに とても なりたくて

たまらないのです

ぼくは

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