その1: 予感
はじめまして。
初投稿ですので甘口、辛口の助言がありましたらよろしくおねがいします。
1. 予感
「おめでとう。」
まわりからたくさんの祝福を受けて笑顔の陽子がウェディングドレスを着て輝いている。
今日は3年間同じバイトで汗をながした陽子の結婚式だ。
「いいなぁ、すごく綺麗。」
呆然と見つめる私こと、中島 さら。はまぶしいくらいの陽子の笑顔に吸い込まれまいと
必死に立っていた。
陽子とはバイト先で知り合って公私ともに仲の良い友達だ。
このバイトを初めてもう4年になる。
21歳になった私は学校とバイトの日々にあけくれていまだ彼氏すらいない。
しかし、陽子は3つ年上の彼氏と遠距離恋愛を丸3年続けてとうとうゴールインした。
他人事のようには思えないこのうれしさ!!
感無量だ。
「さら!!」
陽子の声でこれまでの陽子との思い出にふけっていた私の脳は現実に戻ってきた。
「陽子!おめでとう!!!」
私は陽子と抱き合うと心から祝福の言葉を言った。
式も披露宴も最高にすばらしく残すは二次会のみ。
私は一足先に会場へと向かうためざわめく街中を歩いていた。
「あれっ?確かこのへんでいいんだよね?」
しまった・・・・。
方向音痴の私には始めていく場所は到着するのに困難がことが今になってわかってしまった。
「うぅー。どうしよう。」
式の後とあって、フォーマルなドレスのままの私には街の様子とは一味違った雰囲気を出してしまっている。
だからなのか、道を尋ねるのに声をかけずらく思ってしまう。
「どうしたの?」
振り向くと1人の男性が私の後ろに立っていた。
といっても、背が高いようで私が振り返ったときには彼の首から下しか見えなかった。
「どうわぁ!!」
驚いて素っ頓狂な声を出してしまった自分に顔を真っ赤にしてつい2・3歩引いてしまった。
なんにせよ私の慎重は155センチしかなく誰が立っていようとも首から下しか見えないのはいつものことなんだけどね。
「ゴメンごめん!背がちっこいんだね。俺が壁に見えた?そんなに引かなくても・・。」
そういって声の主は笑いをこらえながら少しかがんで私の目線に合わせてくれた。
・・・笑われた。
コンプレックスだった身長のことをズバッ!と言われ少しムッとして彼を睨みつけた。
「そんなに怒らないで?気に障ったなら誤るから。」
と顔の前で両手を合わせている。
「別に。なんとも思ってませんから。何かようですか?」
少しイライラしながら、でもその仕草が妙にかわいくって目を逸らせずに尋ねた。
「なんだか、困っているみたいだったから。それに、そんな格好で街のなかウロウロしてたら誰だって気になるよ。」
そうだった。私は迷子だったんだ。自分の事を棚に上げて何かよう?なんて聞いた自分が恥ずかしかった。
「実はココにいきたいんだけど・・・」
とあわてて会場の地図の入った紙を見せる。
「あぁ、ここか、もう少しあっちだよ。あの角を左に曲がれば茶色い建物が見えるから。」
「ありがとう。」
私はお礼を言うとクルッと向きを替え歩き出した。のですが・・・
ついてくる。
さっきの人が後ろからついてきている。
もしかして、つけられてる?!
私は少し急ぎ足でさっき言われた角を左に曲がった。
(もうこないでしょ。たまたま方向が一緒だったんだろう。)
そう自分に言い聞かせるとふうぅー。と一呼吸おいてまた歩き出した。
「あれだ・・・。」
その建物は街中から少し離れていて周りは何もなく沸いて出たように見えた。
一歩後ろにさがればまだ街のざわめきが聞こえてくるこの距離からはまるで別世界に見えた。
「ねぇ。」
突然後ろからまた声が聞こえた。
振り向くとさっきの人だ。
(ヤバイ!やっぱり私を追いかけてきたんだ。)
背筋がゾクッとなった。
私は何か言おうと口を開きかけている彼を無視して猛ダッシュで走り出した。
ドキドキします。
これからも頑張ります。