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俺は使い魔で毒使い(らしい)  作者: 檸檬紅茶
第一章
9/30

ネコミミと仲良くなりました

次話の だんじょん! の内容が召喚してから1ヶ月経過って飛ばしすぎたかなぁ?

と思って、追加しました。

 

 召喚されてから2週間が経った。

 それなりに体の動かし方が分かって来た。

 

 この、ジャマダハルという武器は、兎に角、動きまわる。

 攻撃は受けずに避ける! 軽さを活かそう! みたいな感じ。

 あと、突きが基本だけれども、斬ることも活用していっていいらしい。

 

 今日、エトムートさんから言い渡された、今回の訓練内容は

 

 「近くにいる魔物を手当たり次第倒してきてください。 殺すことに慣れましょう」

 

 わぁお、なんだかクレイジーな発言っぽいけれども、確かに大切かも知れない。

 

 現在、俺を含め、20人ほどの騎士達は、屋敷から2kmほど離れたところにいる。

 ここあたりから、魔物が見られるようになる。

 

 「セラフィーさんが言っていましたが、今から3週間程したら、王都へ行くらしいですよ? 無の賢者へ会いに。 その時、僅かながら戦力が減ってしまいますからね。 念のため、今のうちに魔物を潰しておきましょう」

 

 あら……俺聞いてないよ? セラフィーさん? 俺仲間はずれ……?

 

 「あ……内緒にって言われてたんでした……」

 

 エトムートさんはしまった……といった顔をしている。

 

 「なぜ内緒なんですか?」

 

 やっぱり仲間はずれ? 毒だから? 俺の魔法が地味だからなの!?

 

 「あの……サプライズ? よく分かりませんが、驚かそうとしていたみたいですよ」

 「へぇ……」

 

 何だ、可愛い理由じゃないか! それなら良いよ、うん。

 

 「王都についた時のリアクションが楽しみです、と言ってましたね……あの、エイトさん……ここで、僕が言ってしまったのは内緒で……」

 

 エトムートさんは、本当に申し訳無さそうな顔をしている。

 

 「良いですよ」

 

 そこで、驚かないなんて無粋なことはしない、驚かせようとしているなら、驚いてみせよう。

 聞いた状態で行っても、ここは異世界だから驚きがいっぱいで、驚けそうだし。


 「有難うございます。 では……話を戻しますが、先程も言ったように、魔物を倒してきましょう、二人一組……エイトさんは、ディアーヌ、でいいですかね」

 「……はい」

 

 ディアーヌとは、毎日、訓練の相手をしてもらっている。

 ディアーヌは、初日に負けたことを気にしているのか、素っ気ない感じで、俺に話してくる。

 

 「よろしくね」

 「……うん」

 

 こんな感じだ。

 訓練では、初日以外ディアーヌの全勝で、勝つたび、『……やった』と尻尾と耳を振るのだが、それ以外では、感情を抑えている。

 

 「何かあったら、僕はここにいますので、戻ってきてください。 では、皆さん、頑張ってください!」

 「「「「「はい!」」」」

 

 ここにいる、騎士たちが、一斉に元気のいい返事をすると、即座に、いろいろな方向へ散っていく。

 

 「俺達も行こうか」

 「……」

 

 ディアーヌ静かに首をこくんと揺らすだけ。

 そこまで嫌われてるの……俺……やっぱり、下着見たから!?

 

 エトムートさんが待機している場所から東に進んでいく。

 

 「キュゥキュゥ……」

 

 そこには、肉食ネズミ、正式名称はガリガリア、だったかな? その群れが、いた。


 小型犬くらいの大きさ。

 噛み削ることが至福で、色々ガリガリしてしまう。

 農作物を噛みに村とかにも来て、そのついでに、村人も噛み噛みするから、大変って、本に書いていた気がする。

 大変と言っても、大して強くない、武装したなら、子供でも倒せる、とも、書いていた。

 目の前に居るように、群れだと少々厄介だけれども、そこまで苦戦はしないだろう。

 

 「……ガリガリア……ネズミ……!」

 

 目をキランと輝かせるディアーヌ。

 猫はやはり、ネズミを襲いたくなっちゃうのか。

 

 「……行く……!」

 「あ! ちょ!」

 

 宣言とすると同時に、ガリガリアの群れへ特攻。

 しょうがなく俺もそれに合わせる。

 

 数は、30匹前後。

 

 とんでもない量だが、ディアーヌが楽しそうに刀を振るっております。

 俺が倒したのはたった5匹だけなので、どれだけディアーヌが倒したかが分かる。

 

 「ん? あっちにも、魔物いそうだね」

 

 土煙が舞っている、何か居るのは明白だ。

 

 「……行こう……!」

 

 また、ガリガリアがいると思ったのだろう。

 疾風のように駆け出す。

 

 身体能力の差を考えてほしい……

 俺も遅くはないと思うが、特段速いわけでもない。

 獣人の速さには敵わんね。

 

「……!」


 ん? ディアーヌが止まった。

 と言うか、ガタガタ震えている。

 え? どうした。

 

 すると、ディアーヌ周辺の地面がモコモコと隆起し、亀裂が走る。

 その亀裂の間からは、大きなミミズのような姿をしたウォームという魔物が現れた。

 

 ディアーヌは、なんであんな無防備な姿なんだ?

 頭を抑えて縮こまっている。

 

 「……やばそう」

 

 より足に力を込める。

 

 ディアーヌは、ウォームの群れに囲まれてしまった。

 

 ウォームの攻撃方法は2つだけ。

 地面から体の半分を出して、そのまま敵を捕食。

 もう一つは体をぶつけ、そのまま地面に引きずり込む攻撃。

 

 「……虫……嫌い……!」

 

 どうにか声が聴こえるところまで着いた。

 

 虫が嫌いなのか。

 道理で。

 

 ウォームは口を開けて今にも、頭からディアーヌを頂こうとしていた。

 

 「……うぅ……」

 「うぉぉぉぉ!」

 

 

 ガタガタ震えるディアーヌを、抱きかかえて、なんとか、回避することに成功した。

 

幼女が食われちゃイカン! こんな触手みないな魔物に!

栄養的にも、性的にも!


 「……うぅ……エイト……?」

 

 ディアーヌは俺のローブを涙拭きにしていた。

 ……まぁ……良いけど……

 

 「ちょっと、待っててね」

 「……うん……」

 

 ディアーヌは、少し離れたところにあった、岩の影に隠れた。

 少しだけ頭をのぞかせている。

 

 よし……

 ウォームは3匹。

 3体とも、体の半分を出していた。

 

 たしか、こいつの耐久力は、普通サイズのミミズと変わらない。

 デカイミミズだと思えばいい。

 

 ウォームは三匹同時に、体を後ろに傾け地面に潜るための勢いをつける。

 

 「ふぅ……」

 

 呼吸を整える。

 

 地面へ引っ張り込む攻撃は、避ければカウンターが決まりやすい。

 避ければ、数秒はがら空きの胴体のみが地面上にあるのだから。

 

 ウォームが俺を囲むように3箇所、前、左、右出来るだけ逃げ場を少なくしようとしながら突っ込んできた。

 後方が開いているので、バックステップで回避。

 そのまま、ジャマダハルを横に払う。

 一撃で、3体同時切断に成功。

 

簡単なお仕事。


 「よし……ディアーヌ! もういいよ!」

 

 岩陰に居るディアーヌに報告をする。

 トコトコと俺の元へと歩いてくるディアーヌ。

 

 「……ありがとう……」

 

 ディアーヌは、顔を赤くしている。

 かわいい。

 

 「なんで、虫が嫌いなの?」

 

 取り敢えず、質問。

 

 「……それは……毒蜂にさされて……痛くて……それから……」

 「そっか~」

 「……うん……エイトも……毒使うって聞いたから……すこし、嫌だったけど……でも、もう関係ない……」

 

 あ、それで俺に、あんまいい表情じゃなかったのね。

 

 「……ごめん……エイト……ワタシ避けてた……」

 「まぁ、いいよ、そこまで気にしていないし」

 

 背伸びする子供みたいで、可愛かったしね。

 

 

 その日以降から、ディアーヌは俺に対して丸くなった。

 あと、モフることを求めてくるようになった。

 快楽には抗えませんからねぇ……おっと、思わずゲス顔になってしまった。

 

 モフりの現場をセラフィーに発見されて、セラフィーと一緒に、モフッたり。

 

 何はともあれ、ディアーヌと仲良くなったことは、喜ぶべきことだった。

 

 

 

 

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