表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺は使い魔で毒使い(らしい)  作者: 檸檬紅茶
第一章
4/30

種族説明と属性判明

 

 セラフィーの目が、少しどんよりとなる。

 なになに? そんな深刻なことなの?

 

 「この世界にはおおまかに4種の人種があります。」

 「ほぅ」

 

 ここから召喚理由に繋がるとは思わなかったのだが少々質問しすぎて疲れてしまった、聞き手に回ろう。

 

 「まず私達人間、8種の魔法のうち、1つ適性を与えられます。 能力も……平均的、平凡で、見た目は……変わったことはないですね、残り3種族の見た目は人間にちょこちょこっと付け足した感じです。」

 

 RPGなんかでも人間は、平均的でバランスが良い、悪く言ってしまえば、突出した部分がない。

 よくある設定だね。

この世界じゃ、設定じゃなくて能力なんだろうけど。

 

 「次に土と風の魔法に秀でたエルフ。 エルフは風土を扱え、更にもう一つ何かしらの属性の適性があるのが特徴です。 ですが、3つ目の属性より土風を極めたい、と考える人が多いようですね。 土の賢者と風の賢者がエルフであるのも要因かもしれませんね。 あと、見た目は耳がとんがっているのが特徴です」

 

 エルフがいるとは、さすがは異世界。

 耳がとんがっているのはイメージ道理、魔法に関しては、風を操るイメージが強いが土も扱えるのね。

 

そんでもって土風と比べれば非力だがもう一つ何かしら使えると。

 風土+αの魔法が使える時点でかなりのアドバンテージだね。

 

 最低でも人間の魔法使い2人分は属性を扱える、と。

 

ふむふむ、と頭を上下すると、それを確認したセラフィーは再び、口を動かす。

 

 「そして、魔法が使えない代わりに身体能力の高い獣人、彼らは動物と人間が合わさったような見た目が特徴です。 耳や尻尾、翼などが生えてるのが基本ですね。能力も体の特徴に似た動物に近いものが大抵です。 クマさんに似ていれば力持ちですし犬に似ていれば鼻が良かったりします」

 

 おぉ、獣人……なんと素敵な響き、今の説明だと見た目は人よりなのかな?

 まぁ、どうであれモフりたい、特に猫型、最初は反抗しているんだけどモフリの快楽に落ちていく感じ、いいと思う!!

 

 ネコ型獣人をモフっている様子を脳内再生していたら、むへぇ~と顔が緩んでしまった。

 その顔を見てか、それとも獣人に知り合いでもいるのか定かではないが、セラフィー微笑している。


 「この3種族は比較的仲がいいんです、助け合いながら、生活しています」

 

 よく創作物でみる種族がこうもたくさん。

 しかし、4種族と先ほど言ったはずだが3種族しか出ていない。

 ここで仲がいいのは3種族、と区切るということは残り1種族は……

 

 「そして……光、闇魔法を扱い、更に下級の魔物を従えることもできる魔人、見た目は角が生えており強力なものは蝙蝠のような羽根が生えています。 魔力も強大で魔力量だけなら4種族中最大です。 魔人と3種族は現在対立しています。正確には睨み合ってる状態が長い間続いています。 ちなみに光、闇の賢者はもともと魔人でしたが対立した今は、人間に移りました」

 

 対立……ねぇ……確かに魔人って悪役で書かれたりすることが多いかも。

 魔王! みたいな。

 でも、魔人ブ○とか、最終的に仲間なったしね、一概に言えないかも。

 

 それにしても魔人……なんとなく闇だけ使えるイメージなんだけども光もいけるのか。

 光と闇って強力な属性であることが多いからこの2つが合わさると最強に見えてしまう。

 更に魔物使い……強い(確信)

 

 それにしても、だ。

 

 「ここからどうして俺の召喚理由に繋がるの?」

 「まぁまぁ、もう少しで繋がりますから」


 両方の手のひらを俺に向けながら苦笑いするセラフィー。

 繋がるだなんて……セラフィーのエッチ! じゃないな、すいません、すいません、いや、ほんとごめん。

 

 心のなかで謝罪の言葉を連呼していることなんか知る由もないセラフィーは話を進める。

 

 「最近になって魔人の動きが怪しくなってきたんです、かなり強い光が魔人領地で観られたり、人間、エルフ、獣人、の領地の魔物の数が増え、活動も活発になってきたんですよ。 魔人は魔物を操れますのでそういう指示を出しているのでは? と考えられているんです。」

 「んー……?」

 

 結局召喚理由が分からない。

 魔人がやばいのは分かったけど、なに、俺、魔人キラーなんてスキルでも持ってるの?

 俺が唸っているとまだ続きがあったようで説明が入る。

 

 「そこで! 各賢者の教え子で一番優秀な教え子に使い魔を与え、魔人に対抗しよう! と国王が考えそれを実行したのです!」

 「それなら賢者たちが戦ったほうが速いんじゃないの?」

 

 いくら、魔法の適性をもらうと言っても、賢者のほうが戦いに慣れていそう。 

 

 そもそも人間の使い魔なんか普通はありえないらしいし、動物とかが基本なのだろうから頭もあんま良くないと思われる。

 

 「賢者は無属性の賢者クテュールさんを除いて高齢でとても戦場を駆けまわるほど体力がないのです。 ならば優秀な子に使い魔を、という考えらしいです」


 賢者にしか使い魔召喚魔法の具体は教えられていないので賢者以外の人には召喚すらできませんしね、とセラフィーは付け加える。

 

 ご老体には戦場はキツイってことか、まぁ、当然といえば当然だね。

 でも、仙人的なお爺ちゃんとか、居たら面白そうだけどなぁ。

 

 「つまり使い魔は賢者の代わりの戦力、ということになると思うんだが、使い魔はそんなに強いの?」


 「はい、技術面はどうであれ元の能力が高いためそれなりに戦えるらしいです」


 へぇ……俺も、強いのか……これは、チートフラグきたぁぁぁぁぁぁぁ!

 この流れ……感じる、俺の異世界ハーレムライフが始まるのが!!

 

 帰れないと言われたんだ切り替えは大切、うん。

 実際、この世界も面白そうだし、猫耳少女を追いかけて、この世界にしかない甘いものに舌鼓を打つのも良いかもしれない。

 俺の強さに惚れた可愛い子がたくさん……ぐへへぇ。 

 

 「え……」


 猫獣人をモフる妄想とは全く違う汚い欲望全開の妄想をして先程よりも歪んだ顔になってしまった、おかげでドン引きされてしまった。

 ごまかさなくては。


 「ごほん! しょ、召喚理由は分かったけど、俺の使い魔としてんの能力って?」


 俺のハーレムライフに関わるからね、能力は。

 

 「8属性の魔法の何かしらが使えます、それを判断する水晶が屋敷の奥にあるんですよ、水晶、使いに行きませんか?私、エイトさんが何属性なのか気になります!」

 「そんな便利なものがあるのか、じゃあ、試しに行こう!」

 

 という訳で、水晶のある奥の部屋へ向かう。

 道中多くの魔法使いらしき人物がこちらに目を向けていた。


 「あれが……セラフィーさんの使い魔……」

 「本当に人間だったとは……」

 「セラフィー様!美しいいいいいいい! ああああああ! ハァハァハァ」

 

 ……おい、最後。


 「あはは……」

 

 本人引いてんじゃないか、気にしたら負けの部類、気にしたら駄目だ……

 

しかし、この屋敷は広い。

湖とは反対の方に屋敷が広がっていたのだろう。

 

床の絨毯や天井、壁、いたるところが青一色。

水の賢者の屋敷であるからこの色なのだろう。

柱はピカピカとしたもので、随分と研磨したんだな、と思わせる。

 

 「随分と広いんだねぇ」。

 「はい、この屋敷は土の賢者ベネディクさんの教え子さん達に協力して建てたんですよ、骨組みや壁、柱の切り出しなどで、建築自体は大工さんでしたけどね」


 ほぉ~土賢者の教え子達が素材を切り出したからその分時間が短縮され効率よく作業でき、大きな屋敷も建てられたのか。

 土賢者はエルフだったっけか?

 

 いろいろと考えていると1歩先を行くセラフィーが足を止める。

 

「ここが、水晶のある部屋です。 行きましょう」

「へぇ……」


 大きいなぁ、と見上げていたのだが、扉は一向に開かない、行きましょう、と言った割りにどうしたのだ、とセラフィーに目を向けると両手を扉に当て「ふんっっっ!」と力を込めているが力が足りず足がスルスルと絨毯を滑る様子が見えた。

 

 重そうだもんね、この扉、手伝うか。

 手を扉につけると少しひんやりとしていた。

 セラフィーは恥ずかしそうに「ありがとうございます……」と礼を言ってくれた。

 そりゃ、キリッ! っていうのが声色だけで分かったから、恥ずかしいか。

 

 俺も、体育のサッカーでヘイヘイ! パス! と、俺が決めてみせる! みたいな、声だしておきながら、シュートしようとしたら、目測を誤って、空振った挙句、足の裏がボールの上に乗っかってそのままコケた事があった。

 アレは本当に恥ずかしい。

 

 「せーので合わせるよ」

 「はい!」

 「「せーの!」」

 

 腕に力を込めるとズッズッと絨毯を擦りながら徐々に扉が開いていく。

 ってか、おもすぎるだろこの扉!ここにいるのは水属性の人だけだろうから大して使わないのかもしれないが、いくらなんでも……不便すぎっ……!

 

 やっと人が通れる程の隙間ができたのでセラフィーとともに入り込む。

 幸いなことに絨毯に引っかかって扉は閉まらない。

 

 部屋に目を向けると天井に吊るされていたシャンデリアのような物が爛々と輝いていた、これは自動で明かりがついたのだろうか?いや、気にすることでもないか、今重大なのはシャンデリアの真下に置かれた水晶だ。

 

 両手でやっと抱えられそうな大きさだ、色は透明。

 

 「これをどうするの?」

 「この水晶に手で触れてみてください、触れると水晶に色が現れます、火なら赤、水なら水色、土なら茶色、風は緑、雷は紫、光は黄色、闇は黒、無であれば白が現れます、無属性だった場合何ができるのかをおおまかに示す文字が出てきます」

 「わかった」

 

 言われたように水晶に触れてみると何色とも言えない光現れ、それが段々と色を帯びはっきりとしたものになる。

 

 色は……白! 無属性か! 無属性って自由度高そうだからチート級のもの、くるんじゃないか!?

 

 すると白い光は形を変え字を生み出していく。

 

 んーと?透明をバックに白だとなんて書いてるのか分かりにくいな……ん?お……お!見えた!えーっと……

 

 「ど、毒?」


 正解! とでも言うように光が一瞬強くなったと思ったら、いつの間にか水晶から光は消えていた。


 一部始終を見ていたであろうセラフィーと目を合わせる。


 「ど、毒って……」

 「な、なんかリアクションしづらいですね……で、でも無属性ということは、かなり珍しいですよ!」

 

 そ、そうだよな……無属性だもんな…魔法使い3000分の1だもんな……

 

 と言っても俺の毒についてのイメージは……陰湿、卑劣、地味、外道、悪辣……

 

 そういえば毒ってブスとも読めるんだっけ。

 確か附子ぶすって毒が顔の筋肉を動かしにくくして無表情にすることが由来だったかな……?

 

「ふふ……」


 俺はその附子を食らったように顔が無表情になり思考は30分ほど停止した。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ