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俺は使い魔で毒使い(らしい)  作者: 檸檬紅茶
プロローグ
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プロローグ

 

 「……はぁ……」


 盛大なため息が漏れた。

 そのため息の原因といえばデスクの上に重なった数学の課題プリントだ。

 数えたところ10枚ほどでそのプリントのには両面に、これでもかと言わんばかりに数字が並べられており、それを見ただけで憂鬱な気分になる。

 

 「ただでさえ数学苦手なのに……両面十枚とは……」


 木曜日までに出せよ~ と先週の金曜日に数学教師が言っていたのを思い出す。

 しかし、現状は未だに1枚目のプリントの、年、組、番号、名前、の欄に1-A、4番、イズミ 瑛斗エイト、と記入したのみである。


 名前を記入した後はプリントをデスクの脇に追いやり、その代わりにノートパソコンを置き、何時間とネットで猫動画を見て、学校での疲れを癒やしていた。

 

やっぱり、猫って可愛いなぁ……

うちのマンションがペット可だったら、絶対に飼っていた。


 パチャパチャパチャ……

 

 ふと、窓に目を向けてみると雨が降っていた。

 ネットに夢中で今の今まで、雨に気づけなかったらしい。


 雨が降るなんて天気予報では言ってなかったような気もするが、予報というくらいだから確実に言い当てるということもできないのだろう。

 あまり気にすることでもないので窓からパソコンの画面に目を戻してネット閲覧に戻ろうとしたが、

 

 「ふぁぁぁ~~」


 マヌケなあくびとともに、眠気が襲ってきた。

 

涙で目の前のパソコンの画面がぼやけてくる。 

目を擦り、涙を拭きとった後、近くにおいてある時計に目を向けると、23時を示していた。

 

 ネットに夢中になりすぎた。そろそろ寝なくては体に毒。

 

 プリントは…… 早く起きて朝やろう、うん。

 

 こういう日に限ってギリギリな時間に起きてしまうんだけどね。

 

 まぁ、その時には友達にジュースでもおごって、買収でもすればいいか。

 

 あぁ~ 勉強をあまり必要としないファンタジーな世界に行きたい……

 

 と、心の中で叶いもしない願いを呟きながらベッドに寝転がり、口のあたりまで毛布を引っ張る。

 

 ベッドに横になり意識が夢の中へ向かいかけた時、異変が起きた。


 瞼を瞑っていてもわかるほどあたりが明るくなったのだ。

 

 なんだ……パソコン、シャットダウンするの忘れたのかな……?

 

 だとしても明るすぎる。

 ならばなんだ? と目を開いて驚愕する。

 それもそのはずだ。

 俺を中心に、直径2mほどの水色に輝く円があったのだ。

 

 円の中には幾何学模様が描かれている、アニメなんかでよく見る……俗にいう魔法陣のようなものが、横になっている俺を乗せていた。

 

「え? あ? はっ!?」

 

 突然のことに驚き、被っていた毛布を払いのけ起き上がる。

が、魔法陣の光が強くなり、驚きのために覚醒した再び意識がスゥーっと抜けていった。

読んでいただき、ありがとうございます。

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