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33モフ目

海ネタはまだまだ引っ張ります。

「さて。まずは食べるものだな」

 海の家の定番、焼きトウモロコシ、かき氷。ラーメンにカレーライス。全部遠ざかっていた味だ。

「あああぁぁぁぁきたぁああああ!」

 わざとかき氷を一気食いして、アイスクリーム頭痛を楽しむ。こんなのも再現してるの

な。もちろん僕だけじゃなく、うちの子たちで食事ができるのには買い与えている。

 ん?あっちにできている人垣はイベントか?

「あひゃああああああ」

 ああ。あの残念な運営の公開処刑か。うん。ポイントがもらえるならのぞいていこうかな。


「あひょはぁぁぁぁぁん」

「はい、電撃責めでした。次の処刑演目は……」

 なかなか派手にやってるな。新しい世界が開けるかもしれない。いずれはモフナー、いや、美穂とあんなことするかんけ……いやいや。やめよう。下手にそばによると苦しめるかもしれない。たとえ治療が後退したとしても、嫌いになれないんだけどな。そんな状態の体を意識してないからかもしれないけど。

 で、ドリーさんや。横で鼻息を荒くするのをやめなさい。瞳うるませたって何もしないから。

 ………放置プレイという意味で逆効果かもしれないけど。

「あ、毛皮丸君」

「お、田吾作さん、ヒサゴさん」

 久しぶりに見たな。従魔はしっかり増えてるな。田吾作さんが牛、ダチョウ。ヒサゴさんがトカゲとヘビか。もともとの従魔もクラスチェンジしているようで。


ベルジャン オス

テイム済み

農耕馬。速度は他の馬にかなわないが、力は一歩抜きんでる。気性はおとなし目。


エミュー メス

テイム済み

中型の飛べない鳥。その分、脚力はすごい。騎乗用にできなくもないが、乗り心地的にお勧めしない。


 ダチョウじゃなくてエミューだったか。


ヘルハウンド オス

テイム済み

冥界の猟犬。炎を操る力を持っているが、まだ弱い。逃げ出した死者を追いかける先兵。逃げ出したプログラマーも追いかけてほしい。睡眠時間が…睡眠時間ががががが。


 なむ。


ツノトカゲ オス

テイム済み

頭部に硬いこぶ状の角が生えてきた。角はあまり成長しない。


ブッシュスネーク オス

テイム済み

背の低い茂みを縄張りに持つヘビ。その顎は良く開き、小型のウサギくらいは丸呑みする。


 トトが危ない!?じゃなくて。みんな三段階目っぽいなー。いいなー。見事に脳筋パーティーだけど。

「見てこの子達。この鱗のすべすべがたまらなくて。じゅるり」

 ヒサゴさん、もふもふからすべすべてかてかに転向ですか。

「田吾作さんは順調に農家への道を進んでるみたいで」

「えへへ、いいでしょ。」

「で、毛皮丸君。時間があるなら手伝ってくれない?討伐クエストなんだけど、水中対応のメンバーがうちらにはいなくて。その点毛皮丸君は水中対応の従魔がいて、従魔の数自体も多いし」

 そう。一斉に従魔を召喚したプレイヤー達を見ると、僕ほど従魔を集めている奴はほとんどいなかった。拾い拠点があるかどうかの違いかな。

「まあいいけど。狙いは何?」

「タコ。それもばかでかいやつね」

 触手プレイな未来しか思い浮かびません。

「パーティーからレギオン組んだプレイヤーだけで別に用意された戦闘用フィールドに送られるんだって。で、その様子は海の家の集中区画で放映される」

 触手プレイが公開されるんですね、わかります。

「まあ、いいよ。いこうか」

「うん。案内するね」

 移動中、競泳水着に包まれたお尻を然り堪能させてもらいました。



「あ、毛皮丸君。視線ちゃんと気が付いてるからね」

 すいませんっしたー!



 討伐クエストはいくつかあるけど、その中でもタコはあまり人気がないようだ。逆に人魚の群れと戦うものは男性プレイヤーが群がっている。女性の視線は厳しいけどな。

 従魔として僕も欲しいけど。どっかでテイムできないものだろうか。

 と、ヒサゴさんが受付を済ませたみたいだ。視界がぶれて、ごつごつした岩場の海岸に立っていた。うちのモフモフたちは、うん。全員いるな。

「ワタツミ、先行して海中で待機」

「きゅい」

 ワタツミが海中に入ってすぐ、50mほど先の海面が泡立つ。

「くるよ」

 海面を割って出てきたのは巨大なタコの足。それが、ひー、ふー、みー、よー、……十本以上あるぞ!?

「タコじゃなくね!?」

「細かいことはいいから攻撃!」

「はいはい」

 あ、今の攻撃手段は陰陽符と玉鋼の鉈だ。それ以上は装備制限がかかっていて持ち込めなかった。

 とりあえず水中のタコなら雷が効くだろう。

 符を重ねて飛ばせばタコ足が迎撃に来る。

「……しびれはするみたいだけど、一本ずつだと効率悪いなぁ」

「ファイアーボール!」

 ヒサゴさんの魔法が飛ぶ。が、あえなくはじかれる。

「淡雪、ブレス!」

「きゅっ」

 淡雪のブレスは足を二本巻き込む。お、効いてるか!?

 その間にワタツミがウォーターカッターで攻撃するも、あまり効いてる感じはしない。

 僕もその他の属性を一通り試してみるも。

「水、火、土はダメ。風、雷が多少有効。光の淡雪のブレスはそれなりに有効。闇は使えるのがいない、と」

 むう、手数が足りない。

「脳筋メンバーで攻め手が足りない。ワタツミも属性相性の問題で攻めあぐねてる。あのタコって上陸しないの?」

「するにはするけど……」

「けど?」

「来たら来たで大きいからそれもまた攻めにくいか、なああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 あ、足が一本迂回してきてた。ヒサゴさんをからめとって連れ去る。

「ナ、ナンテコッター」

 ここにきてっ触手プレイだと!?

「毛皮丸君、どことなく棒読み……?」

「気にするな!」

 ただのオトコノコの欲望だ。

 そういや、【空間】を攻撃に使ったことはなかったな。やってみるか。

「スペースカッター!」

 狙いはヒサゴさんを捕まえてる触手。一度では切れない。二回、三回。

 五回目でようやく切断に成功。

「ワタツミ、ヒサゴさんを回収。プラムは帰ってきたヒサゴさんに手当」

 しかしこれMPの消費が激しいな。

「今のは?」

「【空間】属性の攻撃魔法」

「【空間】って。掲示板に出てた覚えがないけど。足全部いけそう?」

「ムリ。あと一本いけるかどうか。入手元はギルドの依頼。条件は依頼の数」

 五回でMP半分持って行かれた。どうすっかな。

「くるよ!」

 帰ってきたヒサゴさんが海を指さす。

 水柱がたち、中からタコの頭が……イカの耳!?小さいけど確かに耳がある!


オクトイッド 雌雄同体

アクティブ ボス

イカなのかタコなのかよくわからない進化をした個体。だが、食べるとタコ。吐く墨はピンク色で質のいい塗料になる。


 ようやく本体が姿を現したことで【識別】が通ったが、これは……。

「食材と素材きたぞコレ!総員、確保じゃあああぁぁぁぁぁ!」

 上陸してきたからには手が届く。

「ガンガン行こうぜ!」

 淡雪がブレスを吐き、トトが回し蹴りを決め、馬コンビが体当たり。ワタツミは海に残った足に噛みつき、プラムは飛び回っては簡易手当をかける。マイスナは弩を放ち、ってあの弩どこから出てきた?僕は買ってないぞ。


ウッドボウガン 品質:ちょい悪


端材をリサイクルして作られたボウガン。そのため木材の質があまりよくなく品質に現れるが、環境には優しい。


 いつまでたっても僕が装備を用意しないから、自分で作ってたんですね。ごめんよマイスナ。

 レピオスとハーディアの姿が見えんな。あれ?タコの鰓のあたりにちらちらと細長いものが。……もしや、体内から食い破ろうと?噛み千切ることのできないヘビの分際でどうしようってんだ。もしやハーディアもか?

 アドネーは……あ、つぶされないように避難中ですか。うん。それでいいから無理しないで。ドリーは伏せてないで戦えやゴラァ!

「危ない!」

 タコが足を振り回してこっちを薙ぎ払いに来る。横にいたヒサゴさんが、丁度技を放ち終わったところで硬直して動けなかったからそれを飛びついて押し倒す。

 いや、伏せさせる。

 決して柔らかかったとかふにゅっとしただとか半球状の弾力のある物の感触に意識をとられただとか思わず見つめあっただとかいい匂いがしただとか。そんなことはない。

 水着で海水で湿った、そして動き回ってかいた汗だとかそんなものでいろいろ刺激されただとかない。


ぞくっ


 なんだ、急に寒気が。

「二人ともラブコメしてないで早く戦線に復帰して!」

「ごめん!」

 何だったんだあの寒気は。攻撃も来ないし。張り手も飛んでこないし。

 まあ、とにかく攻撃だ。

 符を三重に重ねてありったけ飛ばす。

 タコの本体が硬直する。

「やったか!?」

「フラグ建てない!麻痺しただけよ」

「畳みかけるわよ!」

 うし。MP絞りつくしますか。


先生「さて、今日のカウンセリングをはじめまひっ」

美穂「悟君に女の影……?」

先生「女性怖い女性怖い」


忘れられていると思いますが、主人公の本名は 飯田 悟 です。

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