28モフ目
かなり間をあけてしまいました。すいません。
おはようございます。森の中から、続編です。
森の中を歩いて毛並みが乱れていたトトとドリーは、さんざんブラッシングしたおかげでつやっつやだ。おかげでテイム枠は12まで増えた。
僕もマイスナとプラムに毛づくろいされて、つやっつやだ。
腰砕けにされたけどな。
さて、気を取り直してモンスターを探すんだけれど。
いない。
どれだけ探してもいない。
トトの察知にも引っかからない。
探しながら移動して、とうとう森から出るところまで来てしまった。
「仕方がない。草原で探すか」
「……………ー」
「ぷう」
「どうした?」
トトが前足でたしたし叩いてくる。
「に………ー」
「なんだ?」
向こうから何か砂埃が……。
「に……ろー!」
あれはプレイヤー……の後ろにモンスター!?くそっ、トレインかよ!
「にーげーろー!」
「バカヤロー、こっち来るなー!!」
まあ、今から進路を変えても無駄だろうな。モンスターの視界にこっちが完全に入っていやがる。イノシシか。
「ずあっ!」
こけやがった。くそっ。見捨ててもいいけど、経験値として考えたら惜しい。
「プラム、【幻惑】で時間稼ぎ!」
「ぴぃ」
イノシシの群れを白っぽい靄のような霧のような何かが包み込む。
「早く立ち上がれ!」
「すまない!」
敵はワイルドボアと、ひらぺったく押しつぶされたようなイノシシは、なんだあれ?
ワイドボア オス
アクティブ
狭い場所で獲物を逃がさないよう横に大きくなったイノシシ。短い脚ながら走る速度は速い。
ギャグかよ。
「トトさん、やっておしまい」
「ぷう」
上段回し蹴りが、先頭を走るワイルドボアの顎を下からヒット。
おいおい1mくらい浮いたぞ。
「マイスナは二匹つれて下がっていろ」
ぴっ
レベルを上げたいのに死んでもらっては困るのだよ。
「おいっ!そっちの従魔は!?」
「死に戻っています!」
くっそ。見るからにへばってるから、戦力は僕とトトだけかよ。
「おらっ!」
手近なワイルドボアにアッパーアッパーまたアッパー。動きが鈍くなったとこで頭に浸透波。
「次っ!」
「ぷう」
視線をずらせば折り重なるイノシシの山の頂上に、トトが鎮座していた。
「トトさんマジパネェっす」
「ぷう」
≪おめでとうございます。従魔:トト がレベルアップしました。任意のステータスに2ポイント割り振ってください。≫
アンゴラウサギ:トト Lv:2 up
HP:105 up
MP: 55 up
STR:24
VIT:18
DEX:11
AGI:20
INT:11 up
MIN:11 up
≪おめでとうございます。従魔:マイスナ がレベルアップしました。任意のステータスに2ポイント割り振ってください。≫
フェルトパペット:マイスナ Lv:10 up
HP:40 up
MP:13 up
STR:10
VIT: 7
DEX:11
AGI:10 up
INT: 4
MIN: 4
マイスナもクラスチェンジか。一度ストーンサークルに行かないとな。
≪おめでとうございます。従魔:プラム がレベルアップしました。任意のステータスに2ポイント割り振ってください。≫
ピクシー:プラム Lv:6 up
HP:19 up
MP:32 up
STR: 5
VIT: 5
DEX: 8
AGI: 8 up
INT: 8
MIN: 6
≪おめでとうございます。従魔:アドネー がレベルアップしました。任意のステータスに2ポイント割り振ってください。≫
ヒメグモ:アドネー Lv:3 up
HP: 8 up
MP: 5 up
STR: 3
VIT: 7 up
DEX: 5
AGI: 3
INT: 3
MIN: 3
パーフェクトだ。どっかの執事さんの名前を言いたくなるけどそこは我慢だ。
「あのっ」
「ん?」
「すいませんでした」
「トレインするなら一人で死に戻っとけ。以上」
イノシシは肉しかとれないな。
「街まで一緒に行ってもらえませんか?」
「行くところがあるから無理」
マイスナを戻して、シンシナティを召喚。
久々に思いっきり走ろうか。プラムもアドネーも小さいから平気だろう。
「助けたのに面倒見ないんですか!?」
「やらないとこっちがやられていたから仕方なく相手しただけだ」
「くそっ、掲示板に書いてやるからな!」
すがすがしい捨て台詞を吐いて去っていった。
うん。そうなったら証拠のスクショを張ってやるだけだ。
「ぶるるる?」
「大丈夫だよ、シンシナティ。嫌なことは走って忘れよう。ストーンサークルまでよろしく頼むな」
「ぶひひいぃぃん」
「で、アドネーはご挨拶」
「しゅー」
「!?ぶるるる」
「しゅー」
「ぶるっ?」
「しゅーーーー!」
何を話してるんだろうかね。
「さて、行くか」
おはようございます。一日かけてストーンサークルに到着しました。
さすがにクラスチェンジするプレイヤーが増えているな。それなりにまとまった数の人がいる。
さて、布陣は淡雪、トト、ドリー、マイスナといこう。途切れたすきを見てクラスチェンジだ。
≪従魔:ドリー のクラスチェンジを行ないます。クラスチェンジ先を指定してください≫
突撃ひつじ
うん。一択だ。迷う必要がない。
ではぽちっとな。
紫のエフェクト光に包まれる。一瞬後には一回り大きくなったドリーがいた。角も少し立派になったかな?
突撃ひつじ:ドリー Lv:1
HP:102 up
MP: 31 up
STR:18 up
VIT:18 up
DEX:12 up
AGI:18 up
INT:15 up
MIN:20 up
スキル:クッション 耐寒 睡眠誘導 突進new
さて、次はマイスナだ。
≪従魔:マイスナ のクラスチェンジを行ないます。クラスチェンジ先を指定してください≫
バルサパペット
珪藻土パペット
珪藻土ゴーレム
ストーンパペット
ストーンゴーレム
マッドパペット
マッドゴーレム
多いな、おい。バルサにはゴーレムの選択肢がないし。耐久力も低そうだけど。
ここはあえてぽちっとな。
バルサパペット:マイスナ Lv:1
HP:40
MP:13
STR:10
VIT: 7
DEX:11
AGI:10
INT:10 up
MIN:10 up
スキル;弩new 裁縫 木工new 機織り 造園new 皮革加工new
その大きさは僕とほぼ変わらないくらい。質感は、うんバルサだな。
ステータスが全然増えていないと思ったら、スキルが結構増えていた。
【造園】はこれから浮遊岩の整備をしていくのに有用だろうし、武器スキルが増えたのも大きい。後方支援ができる。さらには【簡易木工】から簡易の字が外れた。うん。期待しよう。
しかしこの系統はどう考えてももふもふにはならないよな。
さて、一度浮遊岩に帰るか。
≪拠点サイズが設定値に達しました。≫
おっと。どうやら浮遊岩が育ち切ったみたいだ。うん。少し見て回ろうか。
拠点だからメンバーを入れ替えなくてもシンシナティに乗れるのがいいな。
「さて、ついてくるのは?」
「きゅっ」
「ぷう」
「めぇ」
すちゃっ
「ぴぃ」
「しゅー」
うん。全員か。
「よし。マイスナは僕と一緒にシンシナティの背中に」
すちゃっ
かわいさがなくなったよな、うん。
「ドリーは自分で走ってもらって、プラムは淡雪の背中に」
「めぇ」
「ぴぃ」
「きゅっ」
「では、出発」
まずは飲み水のためにもワタツミのためにも水源の設置を、ということで、ログハウス裏手の山に行く。
標高は600mほどだろうか。コンベックスはないし、測量なんかでいないから適当だ。まあ、浮いている以上、標高なんてあってないようなものだけど。
水源用の核を山頂から少し下ったログハウス側に設置する。すると、核は地面に吸い込まれるように消えて、やがてそこから水がしみだしてきた。
「これでよし、と。土も砂利もないから味気ないけど、それはそのうちなんとかしよう。さて、浮遊岩、というかもう島だよな。浮遊島をふちに沿って時計回りに回って、湖予定地までいこう」
というわけでやってきました。池というか湖というかの予定地のくぼみ。山から流れる水がどんな経路をたどるかはわからないけど、まだまだここまでは届いていない。
水源の核はまだあるので、とりあえず真ん中あたりに設置してみようか。
設置すれば山と同じように溶けるように消えていく。でも、湧き出る水の量は山より多いか?ずぶぬれにならないうちに退避だ。
湖の深さとしては、水族館のイルカショー用のプールくらいはあるだろうか。もちろん、そこは起伏があるけれど。水がたまりやすい一角は、もう僕の身長ほどには水がたまっている。これならワタツミをよべるな。さっさと拠点待機に設定してしまおう。
≪この従魔は生息域の設定が必要です。……確認しました。待機位置を設定します。≫
おっと。一つ手間がかかったみたいだ。で、それも済んで湖に姿を見せる。
「きゅ~」
「ワタツミ、久しぶり」
「きゅきゅ」
他のみんなは、うん。それぞれあいさつしているな。
「しばらく狭いけど、すぐに水がたまるから少し我慢してくれな」
「きゅ~」
当面はこれで良し、っと。
「マイスナは、浮遊島の全体的な管理を頼むな。そのうち植栽もなんとかしたいし」
すちゃっ
さて、寝る時間まではアドネーのレベル上げをしますか。
お読みいただきありがとうございます




