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25モフ目

 おはようございます。流れ弾(鎌)でイベントリタイアとか。死に戻りでパツダに帰ってきて膝から崩れ落ちました。

 掲示板によれば、イベント攻略は失敗したらしい。それにともない、一部食料品と木工製品が値上がりをしたとか。ポーションなどの道具類も値上がりしているらしい。

 そんな中、絶賛デスペナ中の僕は、

「新味か……」

 補給するポーションの物色をしている。

「炭酸ゴーヤ味、ドリアンソースがけくさや味、真夏の漢の汗味、ファーストキスははっさく味、何ではっさく?濃縮海洋深層水味、新食感青汁ゼリーエイの煮凝り風、シュールストレミングとキビヤック混ざりました、偶然の結果かよ、タバスコはワタツミ用にある程度買っておくか。濃縮カプサイシンってすでに味じゃないな。淡雪のリアクションに期待するか」

「にいちゃんにいちゃん、出来立ての新味興味ないか?」

 店の奥からポーション瓶を抱えて出ていた店員が声をかけてくる。NPCかな?

「何味だ?」

「塩素超添加当社比500%増プール水幼女エキス入りとお巡りさんの拳銃味この銃口おいひぃのぉぉ、だ」

「5本ずつくれ」

 店内で同じように買い物をしていたプレイヤー達がざわりとどよめく。ちなみに奴らが手に取っているのはフルーツ味や炭酸系フレイバーのポーションだ。

 軟弱者目が。

「まいど」

 しかし幼女エキスなんぞどこで入手したのか。ぜひともその経路を知りたいものだ。

「あれ?毛皮丸も補給?」

「モフナーか」

「うん。昨日のイベントでやられちゃったから」

「人数が少なすぎるよな」

「ほんとだよ。それでね、聞いて?戦闘中に妙にディスられてる気がして、とっさに鎌を全力投球しちゃったの」

 飛んできた鎌?はははは、まさか。モフナーとは違う戦場だったぞ。だったよね?

「そうしたら急に【空間】を取得して、鎌が裂け目に飲み込まれるみたいに消えたの」

 あうとー!

「気が付いたら死に戻りしてて、鎌も手元にあったんだけどね。何がどうなったんだと思う?」

「ハハハハハ、ナンダロウネ」

 これPKじゃね?

 後日運営に問い合わせた回答は、意図的に攻撃をしたわけではないのでPKにはあたりません、だった。


「これからどうするの?」

「そうだなぁ。デスペナあるし、のんびりするかなぁ」

「それじゃあ、いっしょにいろいろ見て回らない?」

「それもいいかなぁ」

 けど、レベルアップもしたいしなぁ。

 僕の視線の先にはポーション屋の外で待っていた淡雪、シンシナティ、マイスナ、プラム。

「淡雪。マイスナとプラムのせてレベル上げしてこない?」

「きゅっ」

 淡雪がマイスナを咥え放り投げる。そのまま背中でキャッ……チできずに、マイスナは顔から地面に張り付く。軽いおかげかダメージはないようだ。

「……プラム。マイスナ持ち上げれる?」

「ぴぃ」

 少々不安定ながらもプラムはマイスナを抱えて浮かび上がり、淡雪の背中に着地する。

「淡雪。くれぐれも、くれぐれも!二人をおとすなよ?」

「きゅっ」

「それじゃ、行って来い」

「きゅきゅっ」

 どことなくぎこちなく飛び上がる淡雪。

 うん。飛んでる姿はきれいなんだけどねぇ。

「それじゃあ、行くか」

「うん」

「どこか目当てはあるのか?」

「最近プレイヤーがチーズケーキのお店を出したんだって」

「へー」

 悪くない。甘いものはそれなりに好きだ。

「まずはそこか?」

「うん。いこっ」


「これは、すごいな」

 モフナーに連れていかれた路地裏では、女性プレイヤーがかなりの行列を作っていた。

「あ、田吾作ちゃんとヒサゴちゃんが買ってる」

 人気商品なのか田吾作さんが買ったのがちょうど最後の一個のようで、ヒサゴさんが愕然としている。

「うちのバタースフレがー」

 結局別のチーズケーキを買ったようだけど、見なかったことにしておこう。

 ≪おめでとうございます。従魔:プラム がレベルアップしました。任意のステータスに2ポイント割り振ってください。≫

 おっと、きたな。


ピクシー:プラム Lv:2 up


 HP:13 up

 MP:11 up



 STR: 5 

 VIT: 5 

 DEX: 7 up 

 AGI: 5 

 INT: 5 

 MIN: 5


 これでよし。

「どうかした?」

「レベルアップが来ただけ。モフナーは何を狙ってるの?」

「ベイクドの新味に挑戦しようかな。残っていれば、だけど」

 そうこうしているうちに僕らの順番が回ってくる。

「ベイクドのみかんとライチで」

 ふむ。2ホール限定なんだな。まあ、1ホールが手のひら大だからお手頃ではあるか。

「レアの生クリームとプレーンを」

 うん。嗜好品だけになかなか高かったけど、プレイヤーメイドだから味はいいだろう。この程度じゃ懐も痛まないし。

 ≪おめでとうございます。従魔:マイスナ がレベルアップしました。任意のステータスに2ポイント割り振ってください。≫

 ふむ。順調だな。


フェルトパペット:マイスナ Lv:7 up


 HP:32 up

 MP:10 up



 STR: 9 

 VIT: 7

 DEX:11

 AGI: 7 up

 INT: 3

 MIN: 3


 ≪おめでとうございます。従魔:プラム がレベルアップしました。任意のステータスに2ポイント割り振ってください。≫


ピクシー:プラム Lv:3 up


 HP:15 up

 MP:14 up



 STR: 5 

 VIT: 5 

 DEX: 7 

 AGI: 5 

 INT: 6 up

 MIN: 6 up


 STRとVITが増やせなかった。まあ、非力なイメージ通りといったところかな。

「うおっと!」

「大丈夫?」

「ああ、うん」

 段差も何もないところでこけてしまった。チーズケーキ?死守するさ!

 でも、なにか、妙に体が動かしづらいような?

「もう、気を付けてね。広場に行ってケーキ食べよ?」

「そうだな。じゃ、行こうk……」

 世   界が 白       く 染 ま        る。


お読みいただきありがとうございます。

感想でもありましたが、毛皮丸の死因はこのような形になっています。

ポーション屋はNPCショップです。

活動報告にて補足説明を書きました。説明しきれていない点は今後の話で説明していきたいと思います。

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