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宏美さん

宏美さんというのはヒデ兄の彼女である。二人は高校一年生のときに出会い、まるで運命の人(二人はそう思っている)のように惹かれあっていた。性格は優しくさばさばした感じなので家に遊びに来たときはよく話をした。そして二人が付き合って一年後に母が死んでしまった。

家で一人泣いていた僕の傍に寄り添ってくれたのがヒデ兄と宏美さんだった。母のことを思い出し宏美さんの腕の中で泣いていた僕にヒデ兄が『おい』と小さい声を出したが、僕がそれよりも小さい声で何度も母を呼んでいたのが聞こえたらしく、今度はため息を小さくもらし宏美さんと並んで僕の頭を少し乱暴に撫でた。僕はそのとき心の底から救われた気がした、姉さんがいたらきっとこんな感じなのだろうと思った。

それから宏美さんは僕にちょくちょく会いに来てくれた、父親は僕がまだ小さかった頃に離婚していて、新しい家族が出来たみたいで嬉しかった。

四年たった今でも時々僕の家に来ては食事を作ってくれたり、掃除をしてくれたりする。宏美さんにしてみても弟ができたみたいで世話をしたいらしい、しかし17歳となれば家族に見られたくないものも増えてくるので最近では掃除は自分でするようにしている。

そんな母親がわりみたいな宏美さんが僕に用があるって何だろう、いつもは新しいバイトや何処の野菜が安くて美味しいだとかを教えてくれるのだが今日は違うみたいだ。

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