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六日前 朝

学校に着くと、すでに田中が正門の前に立っていた。少し手前で気づいたので手を降ってみると、二本の手が応じた。一瞬、田中が両手を挙げてワサワサしている様子が目に浮かんだが、実際にはもう一人人がいるだけだったようだ。近くまできてそれが杉山だとわかった。


「よっ、尾張」


「おっす、二人とも」


「じゃあさっそく、資料室行くか。いいよな?」


朝の校庭はひんやりしていて、独特のむせかえるような草の匂いがした。どうもこの匂いは昔から好きになれない。露の降りた芝生を踏むと、少し靴が湿った。


玄関から入ると二メートルほどの靴箱がいくつも立ち並び、その中の一つの前まで歩く。尾張のスペースは一番上の段なので、上を向く姿勢が若干辛い。


三人で上履きへ履き替えると、階段を上って二階の資料室へと向かう。


「どうしたの?杉山まで。なんも競技でないだろ?」


ここまでくる途中に疑問に思っていた事を尋ねた。


「こいつがうるさくてさあ」


まるで道端に落ちている生ゴミを見やるような目で、隣を歩く田中を睨んだ。


「まあそういうなよ。大親友である、おれと尾張の命がかかってんだぜ?そこで無償の愛を見せてこその大親友ってもんだろ?」


「……」


なんだろう。おれって生ゴミだったっけ?ああ、そういえば今日は燃えるゴミの日か。こうしちゃおれん、はやく収集車に乗らんとみんなにおいていかれてしまう。


「って、ちゃうわあ!」


あまりに白すぎる目線に、自分の存在を危うく勘違いしそうになりながら、ようやく帰ってきた田中は自分に対してツッコミをいれる。


「で、話を戻すけど、まず何から調べる?」


何もなかったかのような平静を装いたかったのだろうが、田中の耳は真っ赤で額には汗が玉のように浮いていた。


「あれ?どうしたの田中。顔色悪いけど、体調悪い?」


もちろんわかって聞いている杉山は鬼畜の所業で、はっきり言ってゲスである。


完全に意気消沈して言葉を発する事のできなくなった田中の代わりに、尾張が口を開く。


「まず、死ぬ原因を調べたいんだけど」


「ほう」


杉山が、感心するような目つきで尾張を見た。そして、先程朝食を摂りながら考えてきた事を説明した。


「いいじゃないか、それ。おれは賛成だな」


杉山はさっそくの理解を示した。


「まずは、朝のうちに新聞部が過去に調べた事を見ておいて、昼休みからは死んだ生徒と関係の深かった人達に聞き込みして行こうか」


さらに杉山は続ける。


「でも、祟り自体の原因の究明ってのは、ちょっと難しいかも知らんな。なにしろ時間がないからな。そこの顔真っ赤で汗かいてるやつの安心のためなんだろ?だったら、とりあえずまずは死ぬ原因だな」


誰も反論はしなかった。そうこうしているうちに、いつの間にやら資料室の扉の前へとたどり着いた。

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