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三話 7日前 夜

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もう夏も終わりかけ、涼しさを見せ始める夜。尾張は田中に呼び出されて近所の公園まで出ていた。高校男子が二人、サイズの合わないブランコに揺られながら話をしている。しばらくの間、無言を突き通していた田中だったが、なにか意を決したような顔で口を開いた。


「なあ尾張、おれたち学年別のクラス対抗リレーにでるじゃねーか」


「ああ、そうだな」


夜の公園はとても静かで、ブランコのきしむ音だけが二人の会話を乗せて響いている。


「やっぱり、対抗って言うくらいだから勝ち負けがでるよな」


「……そうだろうな」


「でさ、おれは死にたくないけど、だったら勝て!なんて不確定な根性論もごめんなわけ。安心が欲しいんだよ」


話す田中の額には汗が浮かんでいる。


「なあ尾張、おれと一緒に祟りを解決しようぜ」


それまで一定な感覚を保ってキイキイと不快な音を立てていたブランコが、尾張の砂利を蹴る音と共に止まる。


「解決って……、すごいなお前」


実際にはまだ解決したわけではないので、すごいこと考えるなお前、くらいのニュアンスを持たせて尾張は言った。


「で、なにか今までにわかったことってあるの?」


尋ねられ、途端に自慢気な顔を見せる田中。尾張は若干の期待とともに、確かな苛立ちを胸に感じた。(なんなのこいつ、マジうぜえ顔してるんだけど)だが、なんとか口にするのを抑えることができ、心底自分を褒めたいとおもった。


「なんにも」


「なんなのこいつ、マジうぜえ顔してるんだけど」


声に出てしまった。


「すまん、今のは聞き間違いだ。気にしないでくれ。」


さらっと流す尾張も尾張だが、


「ん?おう」


と、気付かない田中も田中だ。


「で、明日からなんだけど、さっそく旧新聞部の部室であった資料室に行こうと思う。やっぱり、あの伝説の部長が調べた資料ってのはバカにできないと思うんだよな」


「でも田中、あの部長も副部長も噂では学校に出てこなくなったんだろ?少し危なくないか?」


「大丈夫だって。あの人らがこなくなったのも、事故の拡散が目的だったところがあるからな。今回の目的は広めることじゃなくて調べることだけだ。さすがの校長連中も祟りゃしないさ」


なんて罰当たりな事言いやがる、と思うがやはり一度は飲み込む尾張。


「わかった。じゃあ、明日の昼休みからか?」


「いや、六時に学校に来てくれ。資料調べたいって、先生にも話を通してるから鍵は心配しなくても大丈夫だ」


「おまえ……」


いまいち乗れない尾張は、がっくりと、静かな公園に確かに音を響かせた。





翌朝五時、早くに目を覚ました尾張は眠たい頭で、なぜ自分がこんなに早く起きたのかを考えていた。


「ああ、そうだ。学校に行かなきゃ」


昨日の夜の約束を思い出し、いそいそとベッドから這い出す。普段は六時半やら七時に起きている彼なので、体は妙にだるくて重いが、それでもなんとかテーブルまで歩き椅子に座る。


お腹は空いていないのだが、いつものようにトーストを手に取り、これまたいつものようにトランス脂肪酸を塗りたくる。サクサクと歯切れの良い音を聞いて、ようやく頭も覚めて来た。


今日はなにを調べようか。トーストをそしゃくしながら段取りを立ててみようとする。まずは、どんな事をしてしまったら死んだり大怪我するのか調べてみるか。やはり、この問題が非常に大きな比重を閉めている気がする。最悪の場合、もし解決できなくても、負けた時に死なない手立てだけ立てておけば命だけは助かる。これは大きなポイントだろう。


次はなんだろう。一週間しかないからな。正確にはあと六日か。ちょっとアグレッシブに攻める必要もあるだろう。死なないてだてと並行して、原因を断ち切る方法も調べなくては。


そこまで考えて、尾張の出した結論は


原因をはっきりさせる


というものだった。この数年で急に始まった祟り。実際に起きているという事は、その引き金があり、それをどうにかする事で解決を導き出せれのかもしれない。


ふと時計を見やるとすでに五時半を指していた。急いで制服に着替えて家を出た。

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