五十一話 霊仙
アゲハが俺の言葉に反応し、【虚栄】と【殺念】を展開する。
俺も、ギロチンサイズとカマイタチを取り出し構える。
ラムールの姿をした何かは、首を傾げたままだ。
まだ惚けたふりをするつもりか。
「・・・何か勘違いをしていませんか?私はラム―――」
『黙れ。もうわかってるんだよ』
こいつはラムールではない。百年の月日を経て変わったこともあるかもしれないが、唯一こいつがラムールではないということはわかる。
こいつがラムールなら矛盾していることがあるのだ。
『本物と名乗るなら答えろ。何故俺がムーであるとわかった?』
「それは、レイラから聞いて・・・」
『嘘だな。レイラはラムールの場所を知らないと言った。ということは、お前がレイラから知ったと言うならばラムールが失踪する前と言うことになる。だが俺がレイラと会った時、レイラは俺がムーであるとしばらく理解できなかった。フラウだってそうだ。俺を未知の魔物か何かと勘違いしていた。つまり、レイラから知ることはありえないんだよ』
そこまで言い切ると、何かは降参と呟いて手を上げた。
潔いことはいいことだ。
『諦めたか、よし死ね』
「ちょ、ちょっとお待ちを!それだけは勘弁お願いします!」
『そうだな。まず俺を謀ろうとした理由を問いたださなければいけなかった。アゲハ、自白剤の調合はどうだ?』
「くすくす・・・安全性を考慮して効果ギリギリのを作るのならば十分ほど、副作用を考えないと言うならば十二秒いただければできますわ」
そういって、アゲハは小さな小瓶を取り出し指先から一滴の雫を垂らした。
雫は黄色と緑色と紫色と赤色が入り混じったような、絵の具をぐちゃぐちゃに混ぜたような妙に粘度の高い液体だ。詳細な成分などはさっぱりわからないが、これが体に良くは無いと言うことはよくわかる。
だが自白剤としてだけ見れば上等だ。
『よし、飲め』
「無理ですよ!謝罪ならいくらでもします!お詫びもいたします!ですから、この体を傷つけることはご勘弁を、魔神様!」
その一言で、俺は止まった。
今こいつはなんと言った?
『おい、なんで俺が魔神だと知っている』
「そ、それは私が仙人だからです。神ならばご存知でございましょう、仙人が神界に滞在できることを。そこで知ったのです」
『・・・なんの仙人だ?』
「れ、霊仙でございます。本来なら私は実体は無く靄のような形態をとっているのですが・・・止むを得なくこの体に入っているのです」
必死に弁解する霊仙だが、話につながりが全く見えない。
何故世界最高峰の人類たる仙人が、このような場所でラムールの体に入っているんだ?
しかも、こいつは自分を霊仙と名乗った。つまり霊術を極めていると言うことになる。これは珍しい。
普通極めるのは属性だ。そのため、火や水や雷など(仙人の中では)大して珍しくない。
だが、それ以外のものは極めようとするものは少ない。それ以外は、極める過程で大して変化が見られないからだ。
人間成果が見えなければどんなものでも頑張れない。
それを乗り切ったこいつは、かなりの人間と言えるだろう。
『霊仙なんて珍しい奴がなんでこんなところに・・・って、ここも結構な辺境だったか』
「は、はい、ここは霊脈の通り道。それに、人も魔物もここを寄り付くことはなく、また寄りつかないように幻術も張ってありますので」
『ふむ・・・それじゃあその体に元々入っていた魂はどこにいったんだ?』
「それは・・・」
『懐かしい気配を感じますね』
聞き覚えのある声が霊仙の背後から響き―――蒼炎の龍が飛び出した。
蒼い炎で構成された龍は声帯無き喉を強引に震わせ雄たけびを上げ、俺に食らいつこうとする。
しかし、龍は俺にたどり着く前に紫色の氷で覆われ砕け散った。
アゲハが能力を使ったのだ。
アゲハは目を細め、蒼炎の龍が現れた場所に狙いをつけるが・・・犯人はそこではなかった。
腕を後ろへと回し、背後から迫り来る燃え盛る炎の剣を掴み取る。
炎の剣をつかんだまま、振り返る。
そこにいたのは・・・
『久しいなラムール。相変わらず変わってないようで安心したよ』
「それはどうも」
背後からの完璧な奇襲を予測されたことで不貞腐れたのか、不満げな顔をしたラムールであった。
姿は霊仙のものとほとんど変わりは無い。まあ、体の持ち主なのだからそうなのだろうが。
だが、決定的なことは違っていた。
俺に襲い掛かったラムールは、足がぼんやりと透けていた。まるで幽霊のように
「何がいいたいかはわかっています。とりあえず、今は奥で「何をやっている馬鹿弟子があああ!!」
ラムールが何かを言いかけたところで、霊仙がラムールの側頭部に飛び膝蹴りをぶちかました。
くるくると慣性の法則に従い、ラムールは岩壁に衝突し、粉塵が巻き上がる。
「一度ならともかく二度まで・・・この方をどなたと心得ている!?申し訳ございません魔神様、不肖の馬鹿弟子がとんでもない失礼を!!!」
先ほどまでの穏やかな姿勢はどこへ行ったのか、烈火という言葉が似合うぐらい怒り肩を震わせ、器用に空中で土下座をする霊仙。
それに対し、俺は・・・
『・・・と、とりあえず落ち着ける場所で話を聞こう、な?』
そう返すしか出来なかった。
完全に、場の空気を掻き消されたな。中々やりおるこの霊仙。
少しだけ、心の中で霊仙の評価をあげた。
*
念願・・・というほどではないが、目的のラムールには会えた。
だが、普通に見てもわかるとおり無事と言うわけでもなさそうだ。
俺の目の前には、二人のラムールが座っていた。
必死に笑顔を作ろうとして唇の端が引きつっているラムールと不機嫌そうに笑顔のラムールを睨む青白い鎖で拘束されたラムール。
・・・なんか自分で言ってて混乱しそうだな。
「ど、どどうぞ。碌なものは出せませんが、おおおお茶でも」
苦笑いを通り越して歪としかいえない笑顔まで達した表情をしている霊仙は、腕を震わせながら紅茶を俺とアゲハの前に出す。
何故ここまで怖がられているのだろうか?
悪いことは何もやっていないはずなのに、罪悪感が半端ない。
だが、そんなことを聞くわけにもいかないので心の中で押しとどめ、紅茶に口をつける。
唇などはないため優雅に飲むことはできないので、少しだけ大きく口を開き紅茶をそこに流し込む。
口の中に入った瞬間広がる、豊かな風味。そして、鼻を突き抜けるような爽快感。
ミントか何かの類なのだろう、少し癖が強いが中々旨い。
アゲハがこちらを向き、笑顔で告げる。
「主様、これ毒ですよ。麻痺毒と神経毒の混合毒ですわ」
「え、嘘。ちょちょっとしし失礼します!」
大慌てで霊仙は俺の紅茶を奪い取り、口に流し込む。
そして咽るように口から紅茶を吹き出して、急いでどこかへ駆けこんでいった。
バタンと扉が閉まる音がした後、おぼろろろろろろとリバースしている音と鼻につく酸っぱい臭いが漂ってくる。
・・・そこまでやばい毒だったのか。
「すいませんねムー。あの馬鹿師匠はたまにうっかりしちゃうんですよ」
『うっかりで殺されたかけた方としてはたまったもんじゃないがな』
「どうせ毒なんて効かないでしょうに」
「げほ・・・申し訳・・・ござ・・いません・・魔神さ・・・ま・・・」
いつのまにか帰ってきたのか、地べたを這いつくばって涙ながら謝罪した霊仙はそのまま事切れたようにバタンと頭を倒した。
・・・まだ話し合いすら始まっていないのにこれとは・・・先が思いやられるにもほどがある。
アゲハに目配りをするが、無言で首を振った。解毒は無理か。
ラムールのほうを見ると、目を閉じて体を細かく揺すっている。
ああそうだった。ラムールは霊仙によって拘束中だったか。
『結局俺がやることになるのか』
「すいませんね。解毒薬は多分馬鹿師匠の右手の方にある箪笥の一番の段にしまってありますので、そいつを飲ませてやってください」
『・・・アゲハ、飲ませてやれ』
「かしこまりました、主様」
笑顔で了承したアゲハはラムールに言われた場所を探って小瓶を取り出し、霊仙に飲ませる。
「それで、彼女は眷属か何かですか?」
『まあそんなところだ。二番目に作った眷属で、名はアゲハ。全部で六人いるぞ』
「それはまた大家族なことで・・・レイラ達は?」
『元気でやってるさ。皆お前のことを心配してたぞ?』
「顔を見せに行けるならいきたいんですがね・・・残念なことに、私が外を出歩けば砂漠が増えてしまいますからね。皇国の北部は既に砂漠と化しているようですが」
『穴倉に篭っていても、外の状況は分かるのか?』
「それについては、私が解説いたします!」
解毒薬で復活したのか、生き生きとした表情で霊仙が立ち上がっていた。
なんか妙にハイテンションになっているような気がするのは俺の気のせいだろうか?
まあ、先ほどのように妙にびくびくして接されるよりかはましだが。
「まず、魔神様が聞きたかったことは、この私霊仙が何故馬鹿弟子の体に憑いていて、本来の魂が抜けだしているかですよね?」
『ああ、そうだ』
「その説明には少々時間がかかりますがご了承を。まず、馬鹿弟子は普通の人間ではありません!」
『・・・特別な存在だと?魂のまま生きている時点で、そうだとは思っているが・・・』
「そう、馬鹿弟子の種族はただの人間ではなく精霊人!それもレア中のレアの、焔の精霊人なのです!」
霊仙が自信満々に言い切ったことは、俺はとても驚いた。
精霊は基本属性(火水土風光闇)しか存在しない、ならば精霊人も同じであろう。(エレメル村の精霊人は進化が特殊なので例外)
だが、霊仙が言ったことが本当ならばラムールは突然変異となる。
もしくは・・・
『ハイブリットか?』
「はい!火と風の精霊人の高等混血種、それが焔の精霊人―――ラムールなのです!」
『これまた・・・ただでさえ個体数が少ない精霊人同士のハイブリットとは恐れ入った。宝くじの特賞を三回当てることよりもレアだぞ』
「私も自分がそうだと知ったのは最近ですがね・・・親なんて顔も覚えていないもので」
「そんな重そうな設定は私は知りません!とにかく総合すると、馬鹿弟子は風と火とそれらを合わせた蒼焔を扱うことが出来るのです!」
そういえば、ラムールの操る炎の色はいつも赤ではなく蒼であった。
ごく初歩的な科学の現象、火に酸素を送り込むと完全燃焼し色は蒼く、そして赤より高温になる。
まだ人間で子供だった頃は、なんで蒼いほうが温度が高いか理解できなかったものだ。
蒼は水とか氷とか、とにかく冷たいイメージだったからな。
まあ、それは置いておいて・・・これでラムールの異常性が理解できた。
最初から普通の人間じゃなかったんだな。
「あはは、あはははははは、あははははははははははははははははっ!!!」
ところで先ほどから霊仙の様子がおかしい。
これはもうテンションが高いとかそういうレベルじゃない。
だって、目とか虚ろなのに笑顔でずっと回り続けてるし。
あ、泡吹いて倒れた。
ついでにラムールを縛っていた縄も切れた。
「申し訳ございません主様・・・ちょっと実験台に」
全く申し訳なさそうにしていないアゲハが、ポケットから小瓶を取り出した。
とにかく気持ち悪い色をした、あの副作用を考えていないほうの自白剤だ。
・・・毒でやられている人間に追加で毒を盛るとは外道の極み。親の顔が見たいものだ。
まあ俺なんだけど。
何故アゲハはこんなにも外道に育ってしまったのだろうか・・・ベルゼだな、そうしておこう。
「一応私の体なので、下手に弄くらないでほしいんですがね・・・」
『・・・そういえば、ラムール。精霊人ってことはわかったが、なんで自分の体から抜け出してるんだ?』
「それはちゃんと説明しますが・・・とりあえず、先に馬鹿師匠を元に戻してくれるとありがたいんですが。これがいないと話にならないんで」
ラムールは、面倒くさそうに霊仙を指差した。
・・・最初から自分で解毒すればよかった。
~~十分後~~
「げほ・・・だずがりまじだ、まじんざま・・・」
霊仙の解毒が完了した。
どうやってやったか?そりゃあれだ・・・体内にこう毒を食う蟲を入れてグチャグチャっと。
やめよう、これ以上詳しく解説すると吐き気がする。自分でやっといてなんだけど。
「大丈夫ですか師匠。口直しに眠り姫でもどうですか?」
「神様・・・弟子が、毒でやられていた師匠に向かってよりにもよって猛毒を勧めてくるんですがどうすればいいんでしょうか・・・」
『ラムール・・・苛めるのはやめてやれ』
これまたアゲハの自白剤にひけをとらないぐらい毒々しい色のリンゴをラムールから奪い取り、口に放り込む。
・・・不味い。食感がネチャネチャしたガムみたいで、味が薄い。それに変なにおいがする。
先ほどの毒茶を飲んで美味と感じたため舌が狂ったかとも思ったけど、この猛毒を不味いと感じられるなら大丈夫そうだ。
「さ、話を戻しましょう。ムーも知っているとおり、私は皇国と王国を襲撃しました。王国は騎士団団長の眼を掻い潜るのが面倒でしたが成功しました。しかし、皇国は三人ほど灰にしたところで神罰騎士団団長に返り討ちにあってしまいました。世界最強は伊達じゃありませんでしたね」
『あれにぶつかっていまだ生きてるお前も大概だな』
一応あれは【楽園の蛇】の中でも最高傑作に部類されるものだと思うんだが・・・
「いくら燃やしても無傷で迫ってくるなんて卑怯ですよ・・・撤退をしようとしたところ、うっかり腹を裂かれてしまいましてね。命からがらこの辺りまで逃げ出したんですよ。最後の力を振り絞りましたからね。まあ、振り絞りすぎてスピードが出すぎてここまで吹き飛ばされたと言ってもいいんですが」
「そこで馬鹿みたいなスピードを出して力尽きかけて、火口に墜落して私に出合ったという訳です」
『結構ぎりぎりな道とおってんな・・・』
「ええ、実に幸運でした。ですが、神罰騎士団団長の武器の効果なのか魂が肉体から剥離しかかっていたようです」
「後に聞くと、あの都の主は魂改造の第一人者と聞きましたので、おそらく馬鹿弟子の魂を取り込もうと思ったのでしょう。まあ、寸前で逃げられてしまったみたいですが・・・。ですが、肉体は魂なくしては生きていけません。逆もまた然り・・・ですが、馬鹿弟子は違いました。馬鹿弟子は幸運なことに精霊人であったので、肉体の部分から記憶と精霊の部分を抽出して擬似的に魂を精霊化させたんです。そして肉体は私が魂を変質させて入り、修復したんですが・・・」
霊仙は、はあとため息をついた。
「この通り、魂が精霊で器が人間・・・中身に器が合わなくなってしまったんですよ。そのため、なんとか肉体の格を底上げするために私が入り内側から改造しているのです。先ほどの毒物も、馬鹿弟子の肉体改造のために使っていたものなのです」
『複雑な事情があったもんだな』
「ええ、本当に厄介なことです。まあ魂だけってのも便利ですよ?空気中の魔力集めて食べれば生きられますし、浮遊魔力に干渉して遠見もできますから」
「それ以上にデメリットがあるから、私がこうして肉体強化をしているんでしょうが!幸いにも仙人としての素質があるからこうして鍛えてやっているというのに!」
幸い、幸運にと、まるで幸運のデパートだな。
それだけあったのなら、貸してほしいぐらいだ。
口論がヒートアップしてきたところで、右手を前に突き出した。
『それぐらいにしておいてくれ。話が進まない』
「す、すいません・・・どこまで進みましたっけ?」
「いえ、特にもう話すことはないんですが」
『じゃあ俺からちょっと聞きたいことがあるんだが。ラムール、あの蒼炎の剣について聞きたい』
「・・・ああ、あれですか。なにかありましたか?」
『いやな、あれはただ単に炎で作ったと言うわけじゃないんだろ?』
そう、あの蒼炎の剣には炎でありながら、実体があった。質量が存在していた。
炎には重さなど無い。ましてや形をもつなどもっとありえない。
だが、ラムールの蒼炎の剣を俺は掴み取ることが出来た。矛盾しているのだ。
「そんな大したことじゃありませんよ。炎を圧縮して、その周囲に結界を纏わせているんです。対象を指定しないで結界を張るのは至難の業ですが、炎で事前に形を作っておけば簡単ですからね」
『ふむ・・・応用が利きそうな技術だ』
今度俺も時間があったらやってみよう。
難点は俺が結界を張ることが苦手ということぐらいか。
炎は黒炎をいつも操っているので慣れたものだが、結界は自らの身を守る技術だ。
傷つくことも、死にかけることもないこの体では、そういった技術は育たない。
『俺も今度やってみることにするよ。それでは邪魔したな』
「は、はい。あ、それと魔神様。私からも一つ疑問があるのですがよろしいでしょうか?」
霊仙が遠慮ぎみに手を上げて言う。
『なにかあったか?』
「はい。・・・私が霊仙、つまり霊術を極めた人間であることはご存知ですよね?極める過程で身に着けた技術の一つに相手の魂の状態を見ることが出来る【霊視】というスキルがあるのですが、魔神様の魂は実に不可解と言うかなんと言うか・・・無理をしておられるようにも見えます。もしや、その体は本来のものではないのでは?」
俺の中で、霊仙の警戒レベルが最大まで上昇した。
ここまで見抜かれるとは思いもよらなかった。
そう俺は元人間の蟲だ。そして、その体で神にまで成り上がった魔神だ。
流石、神に非ずとも人類最高峰まで上り詰めた仙人だ。俺も甘く見すぎていたな。
『・・・いや、これは仮の器ではなく本来の器だ』
「・・・そうでございますか。ならばこれ以上は問いません。ですが、一つ覚えていただけると光栄です。・・・魔神様、あなた様の魂は非常に不安定で揺らいでおられます。魂と肉体は一致することで、本来の実力を発揮することが出来ます。しかし、器よりも大きすぎても小さすぎても、肉体は本来の実力を発揮することは出来ません。どうか、器の鍛錬だけでなく、自らの内側にも目を向けてくださいませ。さもなくば・・・」
―――魔神様は後悔することになるでしょう。
表情は苦笑いのまま、眼も態度も雰囲気も何も変わっていない。
だが、その言葉に篭められたものは嘘偽り無く本物であった。
『・・・心の隅に留めておこう。忠告ありがとう、霊仙よ』
それだけ告げると、霊仙は一転して笑顔へと変わった。
「お役に立てたなら光栄です。―――いきますよ馬鹿弟子。魔神様がいらっしゃたから中断していたけれど今日のノルマは終わっていないですから」
「わかってますよ馬鹿師匠。ムー、レイラ達に私は元気ですと言っておいてください。それと・・・ありがとうございました」
一瞬だけ笑顔を見せて、ラムールは奥へと消えていった。
いつも無表情なラムールが見せた笑顔・・・中々レアな光景だ。
こちらも、忘れないでおこう。
『さあ、城へと帰るぞアゲハ』
「承知しました、主様」
霊仙とラムールの場所から飛び立とうとした、その時―――
≪■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!!!!!≫
―――世界が悲鳴を上げた。
訂正
・そもなくば→さもなくば
・やむおえなく→止むを得なく
・進めて→勧めて




