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バグズ・ノート  作者: 御山 良歩
第一章 大森林
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四話 伝説の生物と死体




(なんか無いかな・・・)


 十分くらいは歩いただろうか。

 時折、先ほど食べた『痺れ蜜柑』(仮)は見つかるものの、他の果物は全くと言っていいほど見つからない。

 ・・・毒花は、花畑か!って言うほど見つけたが。

 いちおう食ってみた。【絶対捕食】があるから大丈夫だろう。


『 能力(スキル)【猛毒耐性】を、獲得しました 』

 

 どうやら毒は毒でも猛毒みたいだ。

 効果は、『痺れ蜜柑』の毒バージョンの強化版ね。

 もう毒なんて怖くないぜ!

 もともと効かないんだけどさ。


 それにしても、あまりにも果物が少ない。

 『痺れ蜜柑』と『ドクレシア』(毒花)は、実際に腐ってるほどあるのに。

 まさか・・・誰かが収穫してるとか?

 いや、こんな森の中にわざわざ来るわけねえだろ。

 巨虫(ビックキャタピラー)と草と『痺れ蜜柑』と『ドクレシア』しか今んとこないし。

 それだとしたら・・・人形の魔物か?

 まさか、ゴブリンとかいたりしてな。

 ・・・なわけねえか。

 

  

 

          *

 

 

 

 そんなことを考えていた時期が僕にもありました。

 

「キャッキャッキャッキャッ!!」


 来ましたよ。

 彼です、あの伝説の雑魚キャラ、『緑鬼小僧(ゴブリン)』ですよ!

 

 それにしても、わかりやすい姿だ。


 一メートルくらいの身長。


 緑色の皮膚。


 醜くゆがんだ顔。


 頭の悪そうな鳴き声。


 まさに、『緑鬼小僧(ゴブリン)』。

 これで『緑鬼小僧(ゴブリン)』じゃなかったら詐欺だよ、詐欺。

 新手の『緑鬼小僧(ゴブリン)』詐欺だね。

 別に騙されても誰も困らないと思うけど。

 

「キャキャッキャッキャ!!」


 ・・・なんかうるさい。

 興奮してるのか?一体何がある―――ってどわ!!??

 三匹の『緑鬼小僧(ゴブリン)』が囲んでいたのは、俺の同類―――『巨虫ビックキャタピラー』の死体だった。

 『緑鬼小僧(ゴブリン)』はそれを囲んで、美味しそうに食っている。

 

 

 

 ・・・・・・まさか俺、『緑鬼小僧ゴブリン』以下・・・?

 

 

 

          *

 

 

 

 俺は逃げ出した!

 捕まったら殺される。百%の確率で。 

 そして、おいしくいただかれてしまう。

 

 そんなことは、俺が認めない。


 なんか『緑鬼小僧ゴブリン』に食われるのは嫌だ。

 だって最弱キャラだし。雑魚キャラだし。まあ俺はそのキャラよりも弱いけど。

 

 頑張って走っていたら(どちらかというと這う)、小道に出た。

 ・・・獣道か?

 と思ったら、人の死体が落ちていた。

 うん、人が通ってるってことはわかったよ。死んでるけど。

 死後三日くらいだろうか、ちょっとゾンビなことになってる。グロイ。

 傍らには、折れた剣の先っぽらしきものと、無残に破られたカバンが落ちている。

 カバンの中を探ってみる。


・なんか、書かれている鉄製カード


・割れたガラスの瓶


・デロッ、とした液体


 そして最後の二つに・・・『痺れ蜜柑』と『ドクレシア』。

 死因判明。毒死です。

 

 もしかして、持ち物がやたら荒らされてる割に死体が綺麗なのは、毒で苦しんで暴れたから?

 ・・・毒があるかどうかぐらい見た目で気づけよ。

 

 とりあえず、鉄製のカードは使えそうなので放置。

 剣は・・・食ってみるか。いちおう食べられるって能力(スキル)には書いてあったし。

 

 バキバキ、グシャグシャ、ポリポリ。


 感想、少し硬い味なしせんべい。


 うーん、今のところ味のあるものは『痺れ蜜柑』しかない。

 ちなみに、『ドクレシア』は、こんにゃく。もちろん食感だけね。

 好奇心で死体の方も、腐っていないところをひとかじり。


 ・・・まずっ。


 なんだろう、この味。

 腐ってるからか?このひたすらマズイってことしか伝わらない味は。

 いやでも、生きているのを食うのもアレだしな。

 ・・・今度から、人を食うのはやめよう。


 もう少し何か無いかなと思って探すと、折れた剣の柄が見つかった。

 味はないが、とりあえず口直しに。


『 能力(スキル)【鋼糸生成】を、獲得しました 』


 そんなアナウンスが、頭に響いた。

 いつも思うがどうゆう原理なんだ。この声。

 

 とりあえず、ステータスを見てみる。


―――――――――――――――――――――――――


《種族》  巨虫(ビックキャタピラー)・異常種



能力(スキル)》  【絶対捕食】 【同属吸収】 【麻痺耐性】 【粘糸生成】 

【猛毒耐性】 【鋼糸生成】


《称号》  【輪廻異常者】 【不釣り合いな魂】 【罪を背負う者】 【屍喰い】


《加護》  無し


《祝福》  無し


―――――――――――――――――――――――――


【鋼糸生成】:鋼を多量摂取したことで、体が性質を理解、体の鉄分を使用し鋼糸を作れるようになったよ。【粘糸生成】の鋼糸版だよ。ちぎれにくくて細いよ。


 ふむふむ、【鋼糸生成】とは、【粘糸生成】の鋼糸版みたいだ。

 なんかに使えるかな―――って称号!?

 【屍喰い】って確かに食ったけど!

 せ、説明にはなんて!?


【屍喰い】:初の肉がし・に・く♪美味しかった?

     付属能力:味覚音痴にな~れ♪


 美味くなかったよ!まずかったよ!

 あと何この付属能力!?いらねえよ!な~れ♪じゃねえよ!

 あと誰だよこれ書いてる奴!今すぐ出て来いこんにゃろぉぉぉぉお!

 

 まあ結局出てこなかった。

 

 夜になったので、そのへんで見つけた洞窟に入る。ついでに死体の持ち物も。

 何か役に立つといいな・・・。

 

 

 



ん~今後の展開どうしよう。


訂正

・死体から屍に変更しました。

・ゴブリンの身長を、『五歳児くらい』から『一メートルくらい』に変更。変わりすぎ?いやいやそんなことはありませんよ。


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