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バグズ・ノート  作者: 御山 良歩
第二章 エレメル村
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二十五話 神々との対談 テイク2

 俺は白炎が消えても数分間同じ体勢でじっとしたまま祈り続けた。

 皆の遺体ももう残っていない。白炎がきれいに燃やしていったのだから。

 安らかに逝けただろうか、成仏できたのだろうか、疑問は次々に思い浮かぶが全て断ち切る。

 皆は、成仏できたんだ。そう自分に言い聞かせることにした。

 こぼれ出た涙をぬぐい、俺は振り返ることなくその場を去った。


 もう、ここに来ることはないだろうと心の奥で確信しながら。

 



          *




 広場の隅、村の中心を若干外れた場所へと向かう。

 そこにいるのは金色の髪がきらめく少女―――レイラ。

 意識はまだ戻っていない、かなりショッキングな体験を目の当たりにしたのだ。それもしょうがないだろう。

 いつもの子供らしい寝顔に心のしこりも若干和らいでいく。ああ、これはやはり変わらないいつもの光景だ。

 ゆっくりと近づいていき、その金色に煌めく髪に触れようと手を伸ばし―――弾かれた。


『・・・・・・えっ?』


 唖然とする俺の手の前に立ちふさがるのは金色に輝く光の盾であった。

 突如目の前に発生(・・)した光の盾。そうとしか言えない、何もない場所からいきなり出現したのだから。

 光の盾はレイラを囲むようにどんどん展開されていく。

 形はカイトシールド。中心には、翼の刻印が入っており、大きさはそれほど大きくはない。


 そう、大きくないが、量がかなりおかしかった。


 光の盾は壁のようにどんどん展開されていき、まるで天から光の滝が流れているようにも見える。

 これはレイラの付けている指輪―――絶盾《次元の拒絶(イージス)》の固有能力の一つであることはわかる。というかそれしか原因に心当たりがない。

 だが、原因は分かっても何故こんなことになっているかがわからない。

 今確認してみたが、イージスにはこんな能力はなかったはずだ。俺が知らないだけなのか?

 いや、そんなはずは・・・でも、盾っていうからにはこの光の盾もイージスでしか考えられないし・・・でも、イージスなら所有者である俺を拒絶するわけがないし・・・。

 そこで、俺はピンときた。


 これ・・・まさか俺を敵対認定している?


 そう俺が思いついた瞬間、光の盾は―――なだれ込んできた。

 

『うおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!??』


 全身の力をフル活用し、踏ん張るが全く意味をなさない。

 あくまで光の盾はこちらを押し出そうとしているわけではない。なだれこんできているだけ。

 そのため、いくらこちらの力が強大であっても、うまく力が入れられない。

 岩は押せるだろうが、砂を押し上げることが不可能。それと同じだ。

 空へ飛ぶのも無理、上空も現在地上と同じような感じになっている。

 盾をかき分けていこうにも、次から次へと増えていくためキリがない。

 破壊も無理。握りつぶそうとしたら、手の方が軋んできた。この盾、どんだけ硬いんだよ。

 スキルも、下手したらレイラごと殺しそうなので禁止。神器も論外。

 

 ・・・・・・俺、もしかして詰んだ?


 その瞬間、俺の意識は光の盾の濁流に飲み込まれていった。


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・


 ・・・


 ・ 

 




          *




「・・・ど・・・お~い・・・きろ」


「これ・・・どう・・・」


「まった・・・さっさと・・・きろ~!」


 ・・・頭がぼんやりとする。

 そういえば、俺なんか頑張って助けたのに、いきなりイージスがわけわかんない暴走始めたんだっけ・・・。

 せっかく頑張って戦ったのに勝ったていうのに、この結末とは・・・泣けてくる。

 

「こい・・・全然起きな・・・」


「ふうむ、いいかげ・・・めんどう・・・」


 ・・・なんか、だれかの話し声が聞こえる気がする。

 たぶん、気のせいだろうな。

 ・・・それにしても俺は、あれに巻き込まれて死んだのだろうか?

 もしかして、ここは天国だろうか?魔神でも天国っていけるのかな?


「こいつでいけば起きるか?」


「そうさね。こいつも一応神だから、一発ぐらいなら死なんさ」


「まあ、そうだな。スキルで強化しなければいけるだろうな」


 ・・・あ、あれ、なんか不吉な会話が聞こえる。

 それに、背筋に嫌な汗と悪寒が・・・これは、なんだろうか。命の危機?

 

「よっしゃ、じゃあいくぞ」


「さっさと、起こしてくれさね」


 まぶたに突き刺さるように光が現れる。

 薄目を開けて確認すると、そこにあるのは・・・


―――目前に迫る五指の槍。


「のわああああああああああああああ!!!」


 持ち前の反射神経と俊敏性と動体視力を総動員して、腕の筋肉の力を全力で振り絞って槍の穂先をとる。

 真剣白刃取りならぬ、真槍白刃取り。

 しかし、槍は一向に止まる気配無い。魔神の腕力をも上回る槍の直進は、減速をしながらも顔面に差し迫る。

 そこで俺は完全に掴み取ることを断念し、掴み取った手を傾け、右に逸らすことにした。

 結果は成功。

 槍は顔の横を通り抜けていき、地面に更にめり込みながら突き進んでいく。


 ・・・え、なにこれ?

 迎えに来るのは天使じゃなくて、槍ですか?

 やっぱり、魔神が天国に来たから?差別反対!

 

「おお、起きたみたいだな」


「やっぱり、これが一番さね。・・・ところで、結構本気出していたんじゃないのかい」


「どれくらいの力か、気になったんだよ」


 犯人と思わしき人物の声が聞こえてくる。

 未遂とは言え、殺人(虫?)した手前で、随分とのんきなことだ。

 怒気を全身から滲ませながら、飛び上がって構えるとそこにいたのは、艶やかな衣装を纏った少女と、眼帯をつけた軽い雰囲気の男であった。


 少女は、黒髪黒眼、そしてその身に纏う衣装はこの世界にはないであろう、―――着物であった。

 切れ長のツリ目は真紅の唇はその顔を際立て、太陽のように円を描く簪で結い上げられた髪とその服装は、どこか幼いながらも花魁のように色気を醸し出している。

 一方、青年は少女とはまるで違う。

 身につけている装飾品は眼帯だけ、ボサボサの白い髪に服装も普通の白いシャツに黒のジーパンと、街の駅にでもいけばスレ違いそうな雰囲気だ。白い髪を除いて。


 しかし、その威圧感は凄まじい。


 ほとんど自然体で二人共立っているが、まるで隙がない。

 冷や汗が背筋をつーと流れていく。

 この二人は、自分よりも強い。ネロなんか、塵に等しいぐらい比べ物にならない。

 

「・・・さてと、それじゃあ名前は・・・なんだっけ?」


「ムーじゃなかったかい?それくらい、《眼》でも使えばわかるじゃないかい?」


「俺の《眼》は辞書替わりじゃないんだよ。・・・後、別にそんなに構えなくてもお前に危害を加えるつもりはない。むしろ、お前さんの方からそれ(・・)を収めてくれんと、話し合いすらできんのだが・・・」


 そう男は苦笑いをしながら指を指してくるが、俺は武器など持っていない。


『・・・何も、武器は出していないしスキルも発動していないはずだが』


「違う違う、そのだだ流れの魔力だ。そんな威嚇するように出されては、背筋がゾクゾクして気持ち悪くて仕方がない」


 そう言われて確認してみるが、魔力はそこまで漏れていない。

 せいぜい、意識しなければ通常認識できない、無意識に漏れてしまう程度の量だ。

 

「・・・おいおい、まさか自覚してないのか?」


「これは重症さね」


「そんなレベルじゃねえよ・・・気づいていないみたいだから教えてやるが、現在お前が周囲に撒き散らしている魔力は、人間が半日でも浴びれば魔物化するレベルだぞ」


『・・・・・・はっ?』


「人間よりも容量が少ない獣や植物ならば、せいぜい持って一時間くらいか?霊樹なら頑張りゃ三週間はいけるだろうが・・・」


「忌まわしき魔力食いでも、逃げ出すレベルさね」


「確かにあいつら厄介だけど、これだけの量は流石にご馳走を通り越して拷問に近いもんな」


 淡々と話す男女二人。

 魔力食いとかよくわからないことを言っているが、要は俺の魔力が漏れすぎているということらしいが、どうにも実感がない。

 俺はまだ魔力操作の初心者どころか、序の序にすら到達していない未熟者だ。

 だが、技術はなくても感覚だけは鋭敏だ。比べたことはないが、高位の魔術師と同じくらいの魔力感知能力をもっていると自負している。

 そんな俺が、自身のまき散らす魔力量を測り間違えるはずがない。

 

「まったく・・・自覚くらいしろよ。そんなのだから感動の再会っぽい場面で台無しになるんだよ」


 そんな俺を見て男は、呆れ顔でクイッとその親指を自らの後ろへと向ける。

 そこにいるのは―――地面に倒れ伏すレイラであった。


『レイラっ――――――――』


「おっとストップだ」


 駆け寄ろうとした俺を、男が槍で遮る。

 その槍には見覚えがあった。先ほど俺を串刺しにしようとした槍だ。

 先程の分の怒りを合わせた怒気を滲ませながら睨みつけるも、男の態度や姿勢が変わることはなかった。


 ・・・こいつ、明らかにこの手の殺気に慣れているな。それに、幾度もの血に濡れた修羅場を通り抜けた感じがする。

 普通の人間じゃない、そう俺は確信し、構えをとる。

 そんな俺を見て、困惑半分呆れ半分で男はため息をついた。


「そんな目で睨むなよ・・・」


『それなら、今すぐその槍をどけろ・・・!』


「だから言ってるだろ?そんな魔力ダダ漏れの状態で近づけば、また【激流の飛盾】にやられるぞ」


『【激流の飛盾】・・・?なんだそれは?』


「お前さんが気絶させられた原因さね。所持者の危機に反応したイージスが限定的にスキルを開放したってところさ」


「毒にしかならないレベルの超高濃度魔力だもんな・・・そりゃ、あれだけ近づかれればイージス反応するだろうさ・・・・・・それより、あのスキルがこんなところに使われるとは思わなかったが・・・」


「・・・・・・コキュートスが逃げる時によく使ってたからさね」


 何故か遠い目であさっての方向を見る二人。

 その背中は、どこか悲壮感を漂わせていた。

 ・・・全くもってわけがわからない・・・いきなり狙われて、理解できないことを話し出して・・・こいつらは一体なんなんだ・・・?

 

 ・・・とにかく、こいつらの説明では俺の魔力が異常なほど漏れ出ているために、その魔力に危険を感じたイージスが所持者を守るために限定的にスキルを発動したらしい。

 相変わらず俺には実感はないが。

 

『どうやったら、その魔力を抑えることはできる?というか、お前らは誰なんだ?』


「おお!そういえば自己紹介を忘れていたな!」


 さも忘れていたというように笑う男。

 ・・・なんか最初の雰囲気からかけ離れすぎて、頭痛くなってきたよ・・・。

 それでも、とりあえずこいつらは俺に危害を加えるという考えは無いみたいだ。

 俺は安堵のため息をつき、


「俺の名前は、オーディンっつんだ。ちなみにこっちの派手な奴はアマテラス。どっちも主神をやってる」


 その言葉に絶句した。




          *




「お~い、目は覚めたか?」


『・・・ああ、すまな―――すみません。まさか目の前にいる人が神様・・・それもあの有名なオーディン様とアマテラス様とは知らなくて・・・』


「別に敬語なんて使わなくていいさ。力もお前さんと対して変わらないんだからね」


「そうそう、正直言って絡め手でも使わないと勝てるかどうかってぐらいだしな。アハハハハハハッッ!!」


 まさかの言葉に、思わず硬直してしまった。

 いやいや、でも俺は悪くないと思うよ?まさか、自分の目の前に主神が二人もいるなんて、誰も予想できないだろ。

 もし出来たとしたら、とんでもない妄想野郎か重度の中二病患者に違いない。どっちも一緒か。

 ちなみに、本当にあの主神、オーディンとアマテラスなのかという疑問はない。この威圧感で、俺よりも格が高いは既にわかっている。本人たちは、遠慮しているがな。


『まあ、オーディンさんとアマテラスさんがそう言―――』


「「敬語」」


『・・・オーディンとアマテラスがそう言うならそうするよ』


 本当は、タメ口なんて恐れ多すぎるんだけど、今はそれよりも目の前の二人の目の方が怖い。

 これが本当の眼力ってやつか。流石主神なだけはある、眼に力なんてあるわけないだろと笑っていた自分を殴り飛ばしたい。


『それで、俺には魔力を抑えることなんてできないんだが・・・どうすればいいんだ』


「そうだな・・・一時的に封印か?」


「まあ、それしかないさね」


「っよし、それじゃあいくぞ」


 オーディンは、右手を俺の胸のところに描かれている赤い円に合わせる。

 すると、赤い円は再び鈍く光り始めた。

 

「・・・やっぱりこれだな。ムー、お前まだ【過剰燃焼(オーバーヒート)】使ってるな?」


『ああ、使ったはいいが解除の仕方がわからないからな』


「おそらく、それが原因だな。通常の魔力生成は自分の器にあった量を生成し、許容上限が上がらない限り生成量が増えることはない。だが、お前の発動している【過剰燃焼(オーバーヒート)】は、生命力を燃焼し魔力を急激に発生させて、器から溢れ出る余剰魔力を強化に使うスキルだ。魔力が溢れ出るほど常に燃焼し続けるから体内魔力を使いスキルをいくつ発動させても、魔力が枯渇することはない。つまり、魔力を無限に使える上に身体強化、スキル強化もできるいうことだ」


 ・・・ホワイ?

 何のそのチートスキル。無敵すぎるだろう。

 そんな俺の心情を読み取ったのか、オーディンは苦笑しながら説明を続ける。


「確かに無敵にも聞こえるかもしれんが、このスキルには決定的な欠点があるんだよ。まあ、なんとなくわかってるかもしれないが、このスキルには膨大な量の生命力が必要なんだよ。龍種でも、常時連続発動はきついはずだ。そこで、今回のイレギュラーはお前だ」


「上位の魔蟲種は龍種と同じ・・・いやそれ以上の生命力を持つさね。昔出てきた奴は、胸に風穴空いても数秒後には生き返っていたさ」


『まるで、吸血鬼みたいな再生能力だな』


「あいつらの再生はどちらかと言うと生命力じゃないがな・・・まあ、それは今度説明するとして、その生命力が半端ない魔蟲種が神・・・それも主神にまで上り詰めたお前はほぼ無限に等しい生命力を保持しているのに等しい」


「多分首を切り落としても、弱点である頭をすり潰しても、砂ぐらいの肉片になったとしても再生するだろうさね。もっとも、その鎧みたいな体を傷つけられそうなやつなんて心当たりはないさねが」


『・・・冗談だよな?』

 

「冗談に聞こえたか?」


 オーディンとアマテラスの目は本気だ。嘘をついている気配は、微塵もない。

 つまり、今言ったことはすべて事実ということだ。

 さらに付け加えると、今の俺は【過剰燃焼(オーバーヒート)】を自分で解くことができない。

 結果―――魔力の拡散が止まらない=レイラに近づけない。


『・・・おおおいいいいいいいいい!どうにかならんのかこれ!?せめて、スキルだけでも強制的に止めるとか!』


「無理に決まってるだろ。俺に出来るのは、魔力が拡散しないように封印をっと・・・できたできた!これで止ま―――」


「てないさ。せいぜい一割、どんなショボイ封印をしたんだい?」


「おいおいおいおいおいおいおい!!!今俺に出来る最上級の概念封印だぞ!?なんで、これっぽっちしか消えてないんだよ?こうなったら―――重ね掛け三重封印!お次に、悪食髑髏の刻印!更に、聖鎖封印!更に―――――」


 オーディンの手が白く光るたびに胸の赤い円に謎の幾何学模様が施されるが、正直何か変わった感覚はない。

 そんなことより、次々に増えていく模様が怖くて仕方がない。蛇が絡みついた林檎とか、骸骨の王冠とか、とてもではないが体にいいものとは思えない。

 封印の名前もいろいろと物騒なことばっかり呟いてるし、増えていく刻印ももう円を超えているが一向にオーディンの封印の手が止まることはない。


『まだ駄目なのか?そろそろ、怖くなってきたんだが・・・』


「―――次元の狭間へ投下!・・・つ、疲れた・・・もう封印なんて使いたくない・・・」


「それでも、まだ全体の八割ぐらいしか消えてないさ」


「ちっくしょおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!馬鹿にしてんのかてめえ!!!!どんだけ封印したと思ってんだバカヤロォォォォォォォ!!!」


『俺に怒りを向けるんじゃねえ!』

 

 若干虚ろな目になりながら肩を揺さぶってくるオーディン。その姿にはもはや、最初の主神としての威厳など欠片も残っていなかった。

 しばらくの間、オーディンは俺を揺さぶり続けていたが、無駄を悟ったのか肩を落としてしゃがみこんだ。


「これ以上俺に封印なんてマイナーなレパートリーはないぞ・・・」

 

「ふむ・・・【能力付与】【成長】【吸引】・・・これでも持ってみな」


 項垂れるオーディンをよそ目に、アマテラスは何かを投げよこしてきた。

 キラキラと光るそれは・・・先程まで俺が握りしめていたばかりのダイヤモンド?であった。

 ただ一つ違う点は、その塊の中心に光の球体が浮かんでいることだ。


『これは・・・?』


「お前さんが生み出した魔結晶さね。【能力付与】を使って【成長】と【吸引】を刻んでおいたから、それで魔力は抑えられるはずさ。注意する点は、吸引限界を無くすために【成長】を刻んだから永遠に成長し続けることぐらいさ、だからそんなふうに持ってるとどんどん大きくなって・・・」


 そうアマテラスが説明する間にも、魔結晶はどんどん大きくなり、もう頭ぐらいのサイズになっている。

 こころなしか、質量も重くなっている気が・・・。

 というか、俺はあまり重く感じないんだが、足が鋭いせいでどんどん地面にめり込んでいく。


『地面に沈む!』


「そりゃ成長すれば重くもなるさ。地面にでも突き立てておきな。後、体の一部分でも触れていれば吸引は動くから、その尻尾でも刺しておきな」


「・・・おいアマテラス、こんな便利なもんがあるならなんで最初につかわねえんだよ・・・!」


「そんなことしたら急激に巨大化して、私たちが魔結晶に押しつぶされるさ」


「圧縮でもかけりゃいいだろ!?こんなところで出し惜しみなんかしてんじゃねえよ!」


「はっ!最近働いていないお前のために仕事をあたえてやったのさ。少しは感謝でもしたらどうだい?」


「ざけてんじゃねえぞコラッ!!大体お前はな―――」


 そして始まる口論。

 こいつら本当に、神様だよな?あまりにも程度が低い気がするんだが・・・まるで子供だ。


「「ムー!お前はどっちの味方なんだ(のさ)!!??」」


 ほら、こうやって無茶な質問をしてくるところとか。

 俺は呆れながらも、仲裁に入ることにした。これ以上、無駄に時間を使いたくはないからな。

 はあ・・・本当に、これからどうすればいいんだろうな・・・俺。


 そんな疑問を頭の片隅に残しながら、俺は神話大戦へと飛び込んで行った。

 

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