二話 虫になった日
最初はちょっと短いです。
(知らない天井・・・すらないな)
そこは、建物の中ではなかった。
木々が青々としげる森の中、そんな場所に俺はいた。
(あれ・・・なんで俺こんなところにいるんだ?)
確か昨日は・・・仕事で疲れてて・・・家の前まで行って、玄関に入り、・・・そこで寝たんだ。
ボロっちいアパートであったが、中はそれなりのものであったし。
突然通告もなくアパートが解体されたということもないだろう。
てか、解体されて一晩でこんなに木が生えることもないだろう。
そんなことを考えていると、近くに生き物の気配がする。
(かなりでかい音だな。・・・熊か?)
そう思い、熊ならどうしようかとビクビクしながら、周りを見渡すと・・・緑色の芋虫がいた。
全長一メートルぐらいの芋虫が十匹ぐらい。
(ヒッ!)
飛び上がろうと思ったが体が動かない。悲鳴もあげられない。
特に束縛されている感じもないし、体を動かない方向に無理やり向けようとしている感じだ。
不思議に思い、自分の体を見ようにも何故か首が曲がらない。
どうにか見えないか、そう思ったらちょうどいいところに大きな水たまり――いや池かな――がある。
池を覗き込むと、そこに写っていたものは・・・
(おいおい・・・嘘だろ・・・)
そこに映っていたのは、洗面所でよく見る、見慣れた無精ひげの生えた冴えないおっさんの顔―――ではなく。
一・五メートル位の全長、ややふっくらしていて縦に長い体、黒色の体に赤い斑点模様がついている。
つまり俺は―――
(虫になっちまたのか・・・!?)
感想などございましたら、遠慮なくどうぞ
訂正
・水たまりを池に変更。
・主人公の体を詳しく描写。