表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/172

26 新しい年

 クリスマスの次の日の朝は、夜の華やかさを失っていて、寂しい。

 風も冷たさを増して、容赦なく体を冷やしていく。

 ユーキは、そんな朝の六本木の街を、少しだけ歩いた。

 いつもは店を出てすぐにピカピカ通りでタクシーを拾うのだが、その朝は、街の寂しさに吸い込まれるように、ユーキは歩き出した。

 ドレスの上に、ラビットファーのコートを着て、朱葵からもらったアンバランスなマフラーを、巻いて。


 ――どうすることが正しかったんだろう。


 この先のことなんて分からない。

 だから、今の自分の気持ちだけを大切にしていればよかったのか。それとも、これから待ち受ける現実を予想して、自分の気持ちに嘘をついて、突き放せばよかったのか。

 

 この先のことなんて分からない。

 だけど、分かっていた。世界の差は、2人にとって、逃げ切れない障害になる、と。


 ユーキは、自分が選んだ道を、何度も自分自身に問いかけた。

 けれど、もう、戻れない。

 選んだ道を、戻すことはできない。



 ユーキは、アンバランスなマフラーを外して握り締めると、タクシーに乗り込んだ。



 *  *  *



 12月31日。「フルムーン」では、キャバ嬢たちのカウントダウンパーティーが開かれていた。

「3・2・1・ハッピーニューイヤー!!」

 賑やかに新年が始まり、フロアは一層華やかになった。

「ユーキさんっ。今年もよろしくお願いします」

 キャバ嬢たちは、まずユーキに挨拶をする。

「今年もよろしくね」

 ユーキも挨拶を返す。

「ユーキさん。このあと、みんなで神社にお参りに行きませんか?」

 と、ひとりが言って、周りがそれに乗り出す。

 カウントダウンパーティーのあと、みんなで初詣に行くのは毎年恒例になっている。

「そうね。行きましょう」

「やった!! じゃあ決まり!!」

 そしてそれは、ユーキの参加あってのことだった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ