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あらすじ5

 ■「東堂からの課題」 第78話〜第79話



 ユーキは朱葵に腕を絡ませ、手を繋いで東堂の前に現れる。

「そういうことです」

 ユーキはそれだけ言って、帰っていく。

 朱葵にはその行動の意味が分からず、また東堂も、同じように思っていた。

 その夜、東堂は再び「フルムーン」を訪れる。


 ユーキは東堂に、マネージャーなら朱葵を守ってほしい、と言う。反対され続けるよりも、東堂を味方につけようと、ユーキは考えたのだ。

 東堂はユーキの威圧感に負け、2人の関係を知っておくことを約束する。

「2人が真剣に付き合っているのは分かりました。だけど、僕が守るかどうかはまた別の話です。そこでひとつ、僕に試させてください」

 そう言って東堂はユーキに、ある映画の台本を手渡す。それは朱葵の初主演映画の台本で、朱葵は、今のドラマの撮影が終わったあと、すぐに京都に向かわなければならないのだという。

「期間はだいたい3か月、もっとかかるかもしれない。舞台は京都。その間、朱葵は京都のホテルに泊まります。あなたは朱葵を、見送ることができますか?」

 ユーキは東堂が帰ったあとも、しばらくその場から動くことができなかった。

 


 ■「別れのデート」 第80話〜第82話



「これからあたしとデートしない?」

 朱葵が京都に行く前の最後のオフに、ユーキはお客から貰ったポルシェに乗って、朱葵を迎えに行く。

 不安定なユーキの運転にかなりの不安を抱えながらも、朱葵はユーキに行き先を任せ、高速道路に乗る。


 ユーキが車を停めたのは、静岡の、ある海だった。

 海辺でユーキは立ち止まり、この世で一番綺麗な夜明けを見たのがこの海だったのだと明かす。

「最後に、あたしの一番大切な景色を、朱葵くんに知っておいて欲しかったの」

 そして2人は、夕陽の落ちる姿をじっと待つ。


 しかし、ユーキが朱葵をからかっているうちに、夕陽は沈んでしまった。

「もう、朱葵くんが照れてるから、陽が沈んだところ、見れなかったじゃない」

 そんなユーキに朱葵は、ある提案をする。

「ユーキさん。明日、一緒に夜明けの瞬間をここで見よう!!」

 思いがけず2人は、近くの旅館に泊まることになる。



 ■「過去」 第83話〜第84話



 温泉に入り、食事を済ませ、2人が部屋に戻ると布団が並んで敷いてあった。

 ユーキは朱葵のマッサージをしながら、話し始める。それは、会えなくなる前に言っておかなければならないと、ユーキが決めていたことだった。

「ユーキは、あたしの姉、『吉倉結姫よしくらゆうき』から、取った名前なの」


「あたしがこの世界に入ったのは、ある人を見つけたいからなの。『ユーキ』っていう名前を聞いたら現れるんじゃないかって、思ってる。だから、あたしは姉の名前を名乗ってるの」

 だけど朱葵には「ユーキ」のままで呼んで欲しい、と、ユーキは伝える。

 朱葵は、ユーキに本当の名前を問う。

 ユーキは微笑み、「吉倉光姫よしくらみき」と名乗るのだった。


 交代で、朱葵がユーキのマッサージを始めた。

 ユーキが年下扱いするのに朱葵はかっとなり、ユーキを押し倒す。

「俺は、ユーキさんよりも若いけど、男だよ」

 真剣な目つき。ユーキは朱葵に、朱葵のほうが嫌がる、と告げる。

 嫌なわけない、と言い返す朱葵に、ユーキは衝撃的な言葉を口にするのだった。

「じゃあ、樹に抱かれたことがあるって、言っても?」



 ■「愛する自信」 第85話〜第87話



 樹との過去を話すユーキ。朱葵は、ついユーキの手を振り払ってしまう。

「ごめん、今は・・・・・・。まだ、自分の中でもちゃんと理解できてないんだ」

 ユーキはひとり、露天風呂へと向かう。

「・・・・・・俺、聞きたくなかったよ」

「・・・・・・ごめんね。でも、いつか言わなければいけないと思ってた。だけど、信じて。朱葵くんと結ばれる日が来るのを、あたしは、ずっと楽しみにしてた」

 

 露天には誰もいなくて、ユーキはひとり、そこに浸かっていた。

 すると、竹の柵で仕切られた向こうから、誰かが入ってくる音がした。

「ユーキさん?」

 それは朱葵だった。

 朱葵は、今の自分では樹と比べてしまうから、自分に自信が持てるまで待っていてほしい、とユーキに告げる。

 ユーキはそれを受け入れ、その夜、2人は手を繋いで眠った。




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