6.恋の歌〈1〉
「あら、ディアラ王。今日は王子とご一緒ですか。では、どんな曲がいいでしょうか?」
“珠玉”ステアリア・アウィンはほほ笑みを浮かべる。白緑のスカートを床にすべらし、“舞台”にあがる。
「ステアリア殿。今日は王子のために愛の歌を。」
「かしこまりました。」
貴方は何をしているかしら
私は貴方を思いつつ
青い布地を縫い合わす
貴方は何を思うかしら
私が仕立てた祭り着を見て
赤い花を渡してくれるかしら
こんな気持ちはどこから来るの
私の目が追うのは
どうしていつも貴方なのかしら
どうして苦しいのかしら
貴方と話しているだけで
他には何もいらないと思うのに
君は何をしているのだろう
私は君を思いつつ
青い布地を探してる
君は何を思うだろう
私が探した祭り着を見て
赤い頬を染めてくれるだろうか
こんな気持ちはどこから来るのか
私の目が追うのは
どうしていつも君なのだろう
どうして苦しいのだろう
君と話しているだけで
天にも昇る心地がするのに
『水祭りの言い伝え』サリア地方の言い伝え歌
愛しています
といいたくて
君をひたすらに追いかけた
君の隣に
居続けたくて
君をひたすらに追いかけた
君が誰を好きだと聞いて
心が千切れそうになった
静かに気持ちを閉じ込めた
愛しています
といいたくて
君をひたすらに追いかけた
君の隣に
居続けたくて
君をひたすらに追いかけた
僕は気持ちに蓋をして
それでも君を好きでいて
苦しくても耐えていた
君が幸せそうに笑うから
それで満足しようとしてた
それでも苦しくなるばかり
愛しています
と伝えてみて
君はありがとうと笑った
君の隣に居続けたいけど
笑顔がとても綺麗だったから
僕は静かにあきらめた
初恋なんてそんなもんだと
大人たちに慰められて
夜に静かに泣いてみた
月にそっと見守られ
僕は何かを閉じ込めた
愛と憧れと幻とを
愛しています
といいたくて
君をひたすら追いかけた
君の隣に
居続けたくて
君をひたすら追いかけた
僕は一つ大人になった
できることも増えてった
君とのことが輝いているよ
『ステアリアの恋歌』
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