5.消えたはずの歌
時をつかさどる神々は星の数
空を守る神々は人の数
地の神はいくつになろうか
旅人にも神々は目をむける
あまたの人々と同じように
光をつかさどる神々はすべて
闇をつかさどる神々は少し
風の神々はかぞえられない
あまたの人々は
旅人に目をくれない
だが神々は
すべての者が
旅人ととく
『旅人の歌』アトア砂漠失われたオアシス東南a11の石碑に刻まれていた 誕生年244年作 “ロンゴ”のアリベ作
「奇跡ですね。」
「だね~。」
ライと学者風の青年は目の前にある一枚の紙を、息をひそめながらしみじみと魅入っていた。
「“ロンゴ”のアリベの一作品が欠けることなく存在するということ、そして、それをこの目で見ることができたこと、このような感動は初めてです。と言いたいところですが、最近、架空の存在と言われてきた地の社に半日ほど滞在してましたからね、少し怖いくらいですよ。続けて、奇跡にあってしまいましたから。」
「あ~、確かに~?この写しが~“リツィアの珠玉”~アストラス・サンバー・アウィンのだ~っていうのも~すごい~。でも~、やっぱり~、地の社で~詩を見た後だから~、ちょっとだけ~感動薄くなる~。」
ライと学者風の青年は、のんびりと奇跡を手にしながら夜を過ごす。
「偽物じゃ~ないよね~。」
「ライにはどう見えますか?私にはわかりませんよ。偽物だとしてもなぜ私たちにあの若者が渡したのかが、疑問として残りますよ。」
「ん~?本物~~~ぽい?・・・偽物には~見えない~。あの子はね~、僕か~リヨの~どちらかが~通るのを~待っていたっぽい?」
「・・・・・ライ、それはこれが“珠玉”に伝えられなければならないもの。ということではないのですか?行き先決まりましたね。」
「あ・・・・・あ~~~~!!!しまった~~!」
「リヨンへ行きますよ、ライ。どんなに貴方が嫌だと言っても、引きずってでも連れて行きますから、覚悟きめておいてくださいね。」
光と闇の戦いに
光 敗れし時きたら
闇は光をのみこんで
時とまり
人はくずれゆき
心のみ闇にのこる
光と闇の戦いに
闇 敗れし時きたら
光は闇をのみこんで
命とまり
人は歩きゆき
時のみ光にのこる
光と闇 いつも
海にしずみ
空にうく
中立するは人々と
真実を知る神々なり
「地の社に刻まれた詩2編」創作時期不明 作者不明 ライの写し
読んでいただきありがとうございます。
誤字・脱字・意味間違いなどありましたら、お知らせください。2011/09/03
一か所訂正しました。2011/12/18




