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VEC-359:琥珀の檻と静かなる共犯  作者: 光闇居士-Twilight Master


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第二章:蜘蛛の糸と泥沼(引き返せない境界線)

挿絵(By みてみん)

その狂おしいほどの愛と殺意の果てに待っていたのは、僕のロジックを無惨に打ち砕く、むせ返るような血の匂いに満ちた「残酷で引き返せない朝」だった――。


【しおの】


◆ あらすじ(第6話〜第10話)


出張から予定を早めて帰還した夫によって、君嶋邸の完璧な空間に暴力と支配の臭気が立ち込める。沈黙が支配するディナーテーブルの下、僕の太ももに絡みつく美穂の爪先の熱。それは、僕の構築してきた理性のアルゴリズムを容易く焼き切る、致死量の誘惑だった。 


彼女の濡れた吐息とジャスミンの香水に窒息しながら、僕は監視カメラのログをハッキングし、夫を排除するための「ブラインド・スポット(死角)」をシステム内に作り出していく。親友である翔太が僕と母の間の歪な空気に疑念を抱き始め、日常という薄氷が音を立ててひび割れていく中、僕の狂気はもはや制御不能な臨界点に達していた。


そして、豪雨がすべてを打ち据える深夜。夫の暴力から逃れ、ずぶ濡れで身を震わせる美穂を車内に匿った夜、僕たちはついに決定的な「越線」を果たす。結露で外界から完全に遮断された密室。彼女の肌に刻まれた痛ましい痣に唇を這わせ、その劇薬のような粘膜の奥深くへと堕ちていった時、僕は自らが魂までを売り渡した完全な共犯者となったことを悟った。


だが、その狂おしいほどの愛と殺意の果てに待っていたのは、僕のロジックを無惨に打ち砕く、むせ返るような血の匂いに満ちた「残酷で引き返せない朝」だった――。

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