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固有スキル【交換】でいらないものを邪魔者に押し付けて成り上がります!  作者: 気まぐれ@ハズリバ2巻1.23発売予定
地方都市メイベル編

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第21話 午睡の草原 

 ここまでで沈黙の谷と毒の庭園のノルマをクリアし、ウォーレンさん達がC級へ昇格するための最後に挑むのは、『午睡の草原』だ。


 メイベルから半日弱かかるところにあるため、今回は2泊できる準備を整えてきた。

 ダンジョンの入り口周辺は過去に多くの冒険者が野営を行ってきたこともあり、きれいに整地されている。

 

 午睡の草原は全10階で、4,7階に転移陣がある。

 早速攻略に挑もう。

 いつも通り僕が【探知】を使い、サレンさんが【罠発見】を使いながら進んでいく。

 

 一番最初に出会ったのは、動かない魔物と、その近くで寝ている3人と、起きてそれらを見ている1人の冒険者、という奇妙で気の抜けた光景だった。


 動かない魔物はアスリーといって、ナイトキャップを被った丸い黄色の物体だ。

 いつも寝ていて、寝ている状態のときに近付いた者も強制的に睡眠状態にさせられる。

 近づかなければ無害なので、無視して通り過ぎるか弱点の地魔法で攻撃すればすぐに倒せる。


 なぜ冒険者が魔物と一緒に寝ているかというと、【睡眠耐性】のスキルを得るためだ。

 状態異常を受け続ければ、いずれは耐性系のスキルが生えてくる。


 ソロの冒険者にはちょっと難しい方法かもしれない。

 睡眠が永眠になると困る。




 次に出会ったのは2体のアイボリーマッシュだ。

 歩くキノコ。

 一撃で倒さないと反撃で必ず眠りの粉をばらまくので少し面倒だ。

 火魔法を当てれば反撃の眠りの粉を出せなくなるので、そのほうが確実だ。


 言うまでもなく僕は一撃で倒し、トルテさんのファイアボールのあとウォーレンさんが槍で倒す、で対応していった。


 ドロップするアイボリーパウダーは、錬金術でよく使う素材だ。


 他にもスマッシュイーグルやブルーブルなども出てきたが、こいつらは睡眠付与の攻撃がないのであまり気を使わなくていい。



 3階の途中で、僕はトラップに引っかかってしまった。

 アイボリーマッシュ1体が出てきたので仕留めようと駆け出したところ、


「クラウス、待って、そこは罠が……」


 と聞こえたが、もう既に遅かった。

 地面から青い煙が噴き出し、すぐに睡魔に襲われてしまった。

 そういえば魔物って罠がある場所を踏んでも発動しないのはずるいなあ、とか考えながら。






 ……目が覚めて起き上がったら、サレンさんの顔が正面に見えた。


「ごめんなさい、【罠発見】が遅れたわ……」


 腕で胸を寄せながら若干目を潤ませてこちらを見ているのは僕の目の錯覚だろうか。


「いえ、つい前に出すぎた僕が悪かったです。気をつけます」


「クラウス、アウェイク1回分貸しにしとくの」


「トルテさん、ありがとうございます」


 どうやらトルテさんが初級地魔法の『アウェイク』で起こしてくれたらしい。

 起こし方としては贅沢だ。

 魔法やアイテム以外で起こす方法は、単純に殴ればいい。

 ただ、HPが減る程度には強く衝撃を与えなければいけない。

 だから、痛い。



 起きてみると、周りに敵はいなかった。

 アイボリーマッシュ1体を先に片づけてから僕を起こしたようだ。

 これでもし複数いたら僕が先に起こされていただろう。

 睡眠にかかると魔物の攻撃が全て必中になる。

 そして、魔物は睡眠にかかった者にターゲットを切り替えて攻撃してくる。

 起こされた直後もすぐに動けるわけではないので、そうなると攻撃をなすすべなく受ける羽目になるのだ。


 そのあとは誰も睡眠状態にならないまま4階の転移陣で少し休憩をとったあと、そのまま7階を目指す。





 途中の5階で赤い宝箱を発見した。

 

「どうしますか? また力づくで開けてみますか?」


「前はウォーレンが無理やり開けて、魔物に取り囲まれたの」


「そして入ってたのがMPポーションだったのよねぇ」


「すまんかったって言っただろ。今回は諦めるさ」


 宝箱の解錠スキルがないのか。

 僕の【トラップシーカー】で見てみよう。


 ……罠は無いようだ。


「罠は無いみたいです。宝箱開けてみてもいいですか?」


「相棒、宝箱の解錠スキルもあるのか?」


「ええ、こんなこともあろうかと取得しておきました」


「クラウスくん、準備がいいのねぇ」


 珍しくサレンさんが褒めてくる。

 違和感はあるがそれはあとだ。


「念のため僕から離れていてください。宝箱を開けるのは初めてなので」


 【トラップシーカー】のうち宝箱の解錠部分のみを意識してスキルを使う。

 カチャリ、と音がして何事もなく宝箱は開いた。



 中には銀色の小振りな一対のピアスが入っていた。



「おー、何が入っていたんだ、相棒? ……これは‼」


「ウォーレンさん、何が入っていたのですか?」


「すまん、みんな。これを俺に譲ってくれないか?」


「ウォーレン、その前にそのピアスが何なのか教えてくれない?」


「ああ、悪ぃ。これは、『カタリナのピアス』といってな、魔道具だ。これをつけて寝る前に魔力を流し込めば快眠できるってシロモノだ。不眠症に効いて、そこそこ貴重なものだ」


「ウォーレンさんはどうして『カタリナのピアス』だとわかるんですか?」


「それはな、相棒。俺には【目利き】というスキルがあるんだよ。一度見て内容を理解したモノやそれと似たモノなら価値や内容がわかるんだ。商人には必須なんだ、騙されないためにな。あとは【交渉術】スキルなんかも持っている」


「で、どうしてそれが欲しいのよ?」


「俺がC級にならなきゃいけないのは知ってるだろ? でな、レアな品を手に入れたら他の兄弟の先を越せるんだよ」




 え、何それ。

 聞いてないんだけど。

 まあでもクレミアン商会の後継ぎ争いの条件にC級昇格があるっぽいな。

 てか、無事C級になったらこのパーティどうなるんだろう?


「私はいいわよ、ウォーレン」


「私もかまいません」


「トルテもかまわないの。でも報酬の割合は考えて欲しいの」


「わかった。このダンジョンの俺の取り分をみんなに分けることにする。相棒はどうだ? 宝箱を開けられたのは相棒のおかげだからな」


 うーん、なんか話がどんどん進んでるが、仕方ないか。


「僕もそれでかまいませんよ」


「すまん、みんな恩に着るぜ」


「その言葉はまだ早いの」


「そうだな。とっとと午睡の草原を攻略しちまおうか!」

 いつもお読みいただきありがとうございます!

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